南側道路のプライバシー対策

ユーザー 設計工房 be with 海野剛 の写真

南側道路は採光が取入れやすい反面、プライバシーを守るための工夫が必要です。
では、どんな対策が考えられるでしょうか?
3つ、考えてみました。 

①物理的バリアの設置
②開口部の工夫
③間取りの工夫 

①は、境界線沿いに塀や目隠しの植栽を設ける、あるいは窓にレースのカーテンを吊るす。
 など、物理的にバリアを設けプライバシーを守る方法です。
 レースのカーテンは手軽に出来る方法ですが、夜は外から家の中を見通せてしまうことが
 あります。そのため、ある程度視線をカットできる商品があるのでそういったものを
 選択する必要があるでしょう。
 塀や植栽は、人の視線が遮れる高さや密度のものというと、大掛かりになり、
 防犯上も好ましくはないというデメリットもあるため、注意が必要です。 

②は、開口部の取付高さの工夫なのですが、外部と内部の視線がバッティングしない
 ように、取付高さをほぼ天井の位置くらいに上げてしまう方法です。
 窓自体の大きさにもよりますが、高窓になるため視線のバッティングを回避しやすいです。 

③は、一日を通して長く居る部屋(例えばリビング)を2階にするなど、
 間取りの工夫でプライバシーを守る方法です。 この場合、外からの視線は気にならない
 ですし、中から外部の人の行き来が見えないため、落着きを得やすいというメリットが
 あります。
 ただし、庭がある場合だとそこがただの空地になりやすく、外部スペースとの繋がりなども
 考える必要があります。 

3つの考え方を示しましたが、プライバシーの確保は道路の交通量や通行量、
幅員を加味したうえで、考えましょう。
状況によっては、①と②の合わせ技が必要な場合や、反対に、道路境界線
ギリギリに建っていてもレースのカーテンだけで十分な場合もあります。