うなぎの寝床でも明るさ、風通し、開放感を確保・有限会社アーキシップス古前建築設計事務所 古前極さん


 
うなぎの寝床のような敷地では、細長い敷地を生かした独特のスケール感を表現できます。
 
うなぎの寝床の建物について有限会社アーキシップス古前建築設計事務所 古前極さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 有限会社アーキシップス古前建築設計事務所 古前極 の写真
京都府亀岡市呉服町13-1
0771-22-1303

 
 

うなぎの寝床とはどういう意味ですか?

京都の町家に多く見られる、間口が狭く奥行きが長い敷地を指すことが多いようです。
豊臣秀吉の時代に、家の間口に応じて課税される制度ができたので、節税対策として間口を狭くした、と言われます。
 
細長い形状で通りに面した敷地は、表に店舗、奥に居住部など職住の分離ができることで、都市部の商人や職人のライフスタイルに合致しました。
今日まで受け入れられてきた理由かもしれません。
 
京都の都心は南北方向の通りが多いので、今も通り名を「まるたけえびすにおしおいけ(丸竹夷二押御池)・・・」と節をつけて歌で覚えます。
 
平安時代から正方形だった街区を南北方向が長辺の長方形に分割したのも、秀吉と言われています。
2本の通りに挟まれた街区を真ん中で分割すると、建物は必ず、東側あるいは西側の通りに面します。
 
間口を狭く、奥行きを裏の家まで取ることで、鰻の寝床の敷地となります。
 

 

貴社がうなぎの寝床の土地の建物を手がけるようになったきっかけがありましたら教えて下さい

 
京都や近郊の都市部では鰻の寝床状の敷地が数多く残ります。
 
利便性の高い都市部での建て替え、リフォーム、リノベーション需要が旺盛なため、同様の敷地のご相談が多いのです。
 

うなぎの寝床のメリットとは何ですか?

 
細長い敷地を生かした、独特のスケール感を表現できます。
 
奥の深い敷地は、通りに面したパブリックスペースから奥のプライベートスペースまで、直列方向に部屋の機能を深めていくことができます。
街や依頼者の文化性を反映した面白い建物を計画することができます。
 

うなぎの寝床のデメリットを教えて下さい

 

  • 間口が必要な建物には向きません。
  • 細長い建物で広い部屋や高い天井を作ろうとすると、短辺方向に多くの耐力壁を求められるなど、構造的な工夫が必要になります。
  • 間口が狭く、隣地・裏の3面の建物に接近していることが多いため、解体や工事には技術が求められます。

 

うなぎの寝床の間取りで気をつけている点を教えて下さい

 

  • 坪庭やベランダなど外部との接点を作ることで、明るさ、風通し、開放感を確保します。
  • 吹き抜け、奥への見通しなど、広さを感じられるよう工夫します。
  • 細長い室内のどこでも同じ温度湿度を保てる室内環境を構築します。
  • 短辺方向に多くの耐力壁を求められるので、生活動線や空間デザインに配慮してバランスよく配置することに留意します。
  • 京都の都心部の物件になるので、街の文脈やカルチャーを取り入れ、エリアのランドマークになるようなデザインを提案します。
  • 狭い敷地での工事が多いため、工事車両の駐車や資材の搬入経路、排水、近隣との関係など、工事には気を使います。
  • 隣地までの距離が近い場合が多いので、寝室や水回りのプライバシー確保、レンジフードの排気や室外機や給湯器の置き場所にも気を使います。

 

 

うなぎの寝床の建物は「暗い」というイメージがあります。採光や日当りの点で工夫した点を教えてください

 

  • 各部屋が必ず、坪庭、光庭、ベランダ、バルコニーなど室内と外部の緩衝地帯に接するよう、計画します。
  • 室内壁天井の仕上げは、少ない光量でも反射で光を増幅する珪藻土を使用します。

 

うなぎの寝床の家のインテリアで注意している点を教えてください

  • 文化的な選好から町家を選択される場合が多いので、アジアンテイスト、和モダン、京町家などお持ちのイメージや依頼者様の好みを、正確に把握するよう努めます。
  • 伝統的な外観に対して、室内はガラスやタイルを使用したモダンな印象でまとめることが多いです。

 

 

うなぎの寝床の家のガレージで注意している点を教えてください

 
柱なしで持たせる構造的な工夫と、駐車場の奥に見える風景の作り方、駐車場に取り付ける門扉や住宅入口の見せ方を特に注意して計画します。
 

hikariniwaの設計で苦労したこと・工夫したことなどを教えて下さい

 
駐車場の上に天井高の高い部屋を作ることになり、門型フレームを採用しました。
 
二階のリビングはフロアレベルを一段落し、天井を上げることで天井高を確保しましたが、構造計算の難易度が高く、構造事務所と綿密に打ち合わせて設計しました。
 
計画地は戦前からの密集地で、庇の越境は言うまでもなく、隣地の基礎が古家の基礎に依存するなど古い都心部ならでは現象が散見され、解体や基礎工事にも気を使いました。
 

 

うなぎの寝床の店舗・ゲストハウスなども設計していただけますか?

 
もちろんです。ゲストハウスのご相談も増えています。
 

うなぎの寝床の建物のリフォーム・リノベーションも設計していただけますか?

 
もちろんです。
構造的な問題もあるので、信頼できる建築士にご相談になることをお勧めします。
 

うなぎの寝床の土地を活用して建物を建てたい方になにかアドバイスがあればお願いします

 
外観では歴史ある街区へのリスペクト、景観を共に作る責任感が求められます。
 
建物としては、光と風を各部屋に届けつつプライバシーを確保できること。
建築面積が限られることが多いので、光や風が届きにくい敷地の奥のスペースを、生きた空間にする平面プランも求められます。
 
景観規制で外観上も様々な制約があること、またエリアによっては防火地域や埋蔵文化など他の規制がかかる場合もあるので、計画前の調査をしっかり行ってください。
 
密集地での工事は近隣に負担をかけることがあります。
依頼者様は日頃から良好な近隣関係を築くことで、スムーズな工事が可能になります。
 
また京都の都心部は地盤が軟弱なことが多いので、地盤調査は忘れず実施してください。
 
工事車両の駐車スペースや上棟時のレッカー車、プレカット材の搬入経路・荷下しスペースなど、工事の計画を綿密に立てることをお勧めします。
 

他にもうなぎの寝床の事例はありますか?

 
「竹林風洞」は弊社事務所兼自宅で、8m×30m の奥に長い敷地の事例です。
ぜひご高覧ください。
 

有限会社アーキシップス古前建築設計事務所 古前極さんのうなぎの寝床・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
hikariniwa

典型的な京町家の建て替え物件。門型フレームを採用し、構造計算に半年。
努力を積み重ねて、屋内駐車場、ホームエレベーター、 そして光庭を備えた町家を実現できました。

竹林風洞

当社のアトリエ兼自宅、コンセプトは「竹林風洞」。
風と光をはらむ竹林、竹林と一体となる洞窟の
ような建築、という意味が込められています。
前庭、中庭、裏庭と外部空間と室内を交互に
配置するこちで、光と風が行き来する

 

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