¬(サシガネの家)

●設計事例の所在地: 
広島県廿日市市
●面積(坪): 
30.8
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

土地区画整理事業による換地処分の公告があったばかりの敷地だった。従前、辺り一帯の多くは農地で、そばにある浜側に抜ける大きな県道も開通したばかりだ。計画の始まった当初、西側に接道する区画整理道路以外、隣接する宅地にはまだ何も出来ていなかった。意匠を計画するための拠り所となるものも周辺にはほとんど感じられず、敷地に備わった文脈も面白いほど奇麗に清算された印象を受けた。そのせいもあってか、点在する出来たての住宅の影が妙に薄く感じられた。この、だだっ広く整然とした場所に建つ小さな住宅に、新しい街の風景の一部として、なにか特別な表情が与えられないかと、プロジェクトは始まった。建物の平面は、均質な矩型の区画割に対する素直な計画に反し、道路に向かってペン先を立てたような形状となっている。そのため、外観から建物の奥行きや大きさを直ちに察知することは難しい。南側から見ると、道路斜線ぎりぎりで折れ曲った、切妻屋根と一体のサシガネ型をしたヴォリュームが、桁行方向に東側に伸びてゆく。この、地表から伸びる板と鋼板のヴォリュームにプライベートな空間を配置し、その下に開放された白い箱を挿入した。白い箱の中にあるリビング・ダイニングのプライバシーは、南側に広がる「イチジク宅地」に植えられたイチジクの木によって、仮に守られる予定とした。区画整理後、地目を農地で維持するためにカムフラージュされた、畑にも宅地にも見える隣地の借景である。結果、庭は南側へ私道を越え、イチジク宅地まで拡張されている。将来、樹木が育てば、背後にそびえる中国山地と、手前のイチジク宅地の間に、サシガネ型の塊がすっと差込まれた佇まいが育つ。
土地区画整理事業も終わり、周囲の開発の加速度は増す。このサシガネの下で、これからどのような物語が育まれてゆくのだろう。美しい山脈を背景に、街の一部として変化してゆく過程を見続けるための小さな家。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

ふかされた外壁面で呼吸する
杉板の外壁は、メンテナンス性を考慮して、開口部や雨樋、設備などの収まりと一切からまないようになっている。突付けた杉板を押縁でビス止めした壁材の自由度は高い。柔軟に取り替えが可能なことで、木造住宅の持続が保たれると考えているためである。また、大きくふかされて貼られた結果、下階の吹付けに庇の役割を果たすと同時に、長雨で木材が吸湿しても、躯体まで届かない程度の距離を保ち、木建廻りなどの水染も防いでいる。湿気をよせつけにくい、躯体にも優しい構造である。室内の換気は、極力機械に頼らない方法を採用し、リビング・ダイニングの大きな開口から吹抜けを介して寝室に抜ける方向性を持つ、自然で心地よい空気の流れをつくることを試みた。給・排気は、基本的には第3種換気法であるが、外壁を貫通して給気を得るような従来の方法ではなく、壁及び屋根の面内を一度通過するような長い給気ルートをとっている。板貼の外壁の裾から入った外気は、軒先にある屋根と壁の継ぎ目に走らせた細いスリット状の給気ラインから室内に取込まれている。これにより、冬期は外壁面で壁熱を取得し、重力換気によって壁体内にできる気流から、温まった空気のみが室内に入って来る。逆に夏季は、広い中空層によって壁体内や屋根内での熱の伝達を抑え、外壁と躯体表面の温度差により幾分冷やされた給気を得ることで、室内側の温度上昇率を下げている。

その他の画像: 

玄関

外観

リビング・ダイニング

エントランスホール

和室

子供室

寝室

吹抜

夜景

どんつきの家

●設計事例の所在地: 
兵庫県神戸市
●面積(坪): 
35.5
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

昭和40年に建てられた、築年数52年の格安中古物件のリノベーションプロジェクト。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

長く狭いアプローチの奥にある、閉鎖的な旗竿型の敷地に建つ木造2階建の住宅の周囲には、南側の僅な余白を残し、隣接建物がぴったりと囲んでいた。既存建物は、内部も小さく間仕切られ、昼間でも真っ暗に近い。また、幾度かにわたる改修や増築の跡も多く見られた。この継接ぎ感のある陰気で息苦しい室内を、明るく開放的な居住空間に整理するために、まずは、南面した既存開口部を最大限活かし、建物の奥まで採光を得るよう、適切な位置と大きさで吹抜けをつくるプランニングを行なった。さらに、解体中に湧いたもう一つの課題として、「どんつきの敷地」内にある「どんつきの部屋」の集合であることも、この住宅の計画上の問題点だと捉える。解消策は、終わらないシークエンスをつくることだ。部屋を抜けると部屋に出る、ぐるぐる回る、さらに進んだ「どんつき」の最終は、予備室を除き外部となるような見せ方を意識した。南側ファサードの土間に面した全ての掃き出しの開口を、建物へのアプローチとして捉え、1階のリビングからはじまった回遊性を、吹き抜けを介して2階にまで連続させるよう試みている。結果、2階の個室の建具にも可変性を持たせ、水回りを中心としたコア型のプランとなった。この、エンドレスなシーンを統合する一つのエレメントとして、構造的な要素としても働く2階の筒状の箱が、住宅の中心性を担っている。
思い返せば、この箱の位置が正確に決定したのも、工事が始まった後である。古い建物の改修では、工事を進めながら、その場に応じた柔軟な判断が必要だと考えている。被覆を剥がせば、その躯体にあらたな生命を感じることもある。既存建物の潜在的な価値をうまく利用し、未来に繋ぐことが建物の持続可能性を考える上で必要不可欠なことだと思う。しかし、造りながら考えていくプロセスが、制度上なかなか難しいことも実状の問題であろう。かと言って、簡単に安楽死させるわけにはいかない。

その他の画像: 

サンルーム

玄関土間

キッチン

子供室

書斎

リビング

ダイニング

ゼロエネハウスコーベ

●設計事例の所在地: 
兵庫県神戸市
●面積(坪): 
37.3
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

2020年に新しく予定されている「住宅の省エネ基準の義務化」へ対応すべく次世代住宅の提案として行った、ゼロエネルギーハウス(ZEH)仕様、耐震等級3取得による長期優良住宅(国認定)の計画。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

ZEHとは、「省エネ法に基づいた建築・設備によって減少したエネルギー消費量と創エネによって作り出されたエネルギーの合計が、その建物で消費される標準のエネルギー消費量と等しいか多い」住宅のことをさす。(ゼロエネ住宅.comより)従ってエネルギー創出のため、屋根面には一般的に必要数の太陽光パネルを設置しなければならない。結果、必然的に南に流れるゆるやかで、大きな傾斜屋根面ができる。この南傾斜面を太陽に向けて、敷地(建ぺい率)いっぱいに大工による手刻みで、複雑に異勾配が合わさる大屋根をかけようと試みた。また、その下の小屋裏空間には、ロフト状に細長い2階を設けることとした。南向きの屋根面を重視してゆくと、第1種低層住居専用地域の高度斜線の影響によって隣地が迫った境界付近には余裕が全く残らない。そこで、太陽光を運ぶため、ロフト上部にはドーマー窓を開け、内部に安定した採光を取り入れるようにした。南傾斜面対して、もはや壁面と呼べるほどに急傾斜した2階の北側天井面が、ハイサイドライトの光の反射版としてホリゾントの役割を果たしている。また、様々に角度の異なる勾配屋根の下に広がるリビングの西側の大きな開口からは、テラス越しに豊かな眺望を見下ろすことができる。こうして、西へ開かれた視界と共に、ハイサイドライトからの屈折した間接的な光の作用によって、奥行きに従うに自然光のコントラストを感じさせるような居住スペースを生み出した。

その他の画像: 

小屋裏

ロフト

吹抜

リビング

階段

ダイニング

テラス

夜景

積日隆替家屋

●設計事例の所在地: 
京都府京都市
●面積(坪): 
80.8
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

築100年以上の歴史のある京都の古い町屋の改修・増築の計画。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

外周には京都らしい趣のある高塀を張り巡らせ、外界を完全にクローズした静かで広々とした住環境を持っていた。建物を含めた敷地一体は、もはや街に定着し、通りの美観を形成する佇まいである。そのため、増築部分の外観は出来るだけ既存の建物を表に立てるよう、ある程度引きを持たせた計画としている。内部は、大きく3つのゾーンに分かれる。1つは、今回具体的な計画からはずされた座敷等の既存部分。もう一つは、40年ほど前に使われなくなった土間を造り変えLDKとされていた部分の改修。そしてもう一つは、既存の古い建物から心太(ところてん)のように現代的な形態と素材が押し出された形で造られた、水周り、キッチン、洋室等の新たに増築される部分。ここでは、今回計画からはずされた部分を過去、増築部分を現代と捉え、改修部分を現代と過去を繋ぐ緩衝帯として中間的に位置づけている。老朽化したところを改修し、また必要なものを増築しながら、天井を取払い、もともと意匠材として現しであった力強い小屋組を再び蘇らせた。それはまさに、新しくしていく過程と同時に、元に戻していく過程の並列した状態を維持し続けることを意味する。全体的な計画の手法としては、段差の解消と耐震補強を踏まえながら、意匠・構造・設備的に耐えられなくなったものは取除き、好ましい部分を残してゆく。そして、足らなくなったものを付加え、壊れている部分は必然性があれば復元する。そんな無骨ではあるが、合理的かつ経済的な方法をとっている。
京都の街を歩くと、新旧のどちらがメインでもサブでもなく、それぞれが上手く共存していることが感じられる。同じくそれを住宅レベルに落し込み、歴史的なものは歴史的なもの、現代的なものは現代的なものとして等価に向かい合わせる。その姿が、スクラップ&ビルトでもなく、保存の方向でもない、新しい住宅の在り方に対する一つの解答となればと考えた。

その他の画像: 

増築部分外観

玄関

ホール

小屋裏

リビング/ダイニング

格子ディテール

全景

I-2048、建築申請をしてくれる建築士を探しています(北海道)

ユーザー 伊藤2048 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
北海道
現住所‐郡市区町村: 
勇払郡
依頼内容: 

先の北海道胆振東部地震で家が全壊しました。
新築せざるを得ない状況ですが、予算的に普通に建てることは無理です。
そのためセルフビルドを考えていますが、素人であるため建築申請と基礎作りが大きな壁です。
まずは建築申請をしてくれる建築士を探しています。
また基礎を作ってくれる業者も紹介してもらいたいです。
 
建築場所:北海道***
土地は自己所有
1階床面積:30坪~40坪
2階床面積:15坪
ツーバイフォーで作ろうと思っています。
予算はトータルで600万円ほどしかりません。
建築申請、基礎作りであまりかかり過ぎると建てられなくなります。
素人なので相場がわかりませんが、申請と基礎作りで100万円で収まれば嬉しいですが、きっとそれを超えるものと予想しています。
なんとか150万円、どう高くても200万円以内で収めたいところです。
このWEBサイトは福岡のようですが、北海道でも大丈夫でしょうか?
できれば近くの建築士さんが望ましいところですが、不可能ならそこは問いません。
よろしくお願いします。
 
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する
 





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

昨日、とある家創りの打ち合わせのため

現場へ行ってきました。

現場関係者とじっくり打ち合わせ。

年始だから打ち合わせなさそうですが。。

実は、大工さんが、年末いっぱいまで

頑張ってくれていたので、質疑も結構あったようです。

設計内容と照合しながら、

いろいろと検討したりしながら、意思決定します。

いつも思うのですが。

詳細な図面を書いても、これだけの打ち合わせ内容

があるのですが、建築家のいない現場って。。。

大丈夫なのかなってドキドキしますね。

それはさておき。

私は、しっかりと打ち合わせして、現場に指示してきました。

黒のガルバが、ほんとカッコいいですね。

黒というだけでなくて、奥様のお好みで、ラインが細目なんですよね。

そのおかげで、よりシャープに見えてきます。

漠然と見ていますが。。

ある部分にフォーカスしてみます。

右と左で木目が見える、見えないがありますよね?

右側の黒いのが正解です。

(こちらの現場はすでに両方しっかり施工されてます)

ガルバの内側に水が入ってこないようにしつつ、

外壁の通気を確保するための特殊な素材があるかないか

なんです。

私は、ずっと昔から採用するようにしています。

もし左側の状況だと、台風のような吹上りの風があるときに、

ガルバの裏側に水が入ってくる可能性があります。

ただし。入ってきても、雨漏りはせず、排出はされるのですが、

それでも入ってきてほしくないですからね。

しっかりと安全を確保するようにしています。

モダンなデザインの場合、こういったところを

しっかりtと配慮しておかないと、庇がない分、

雨に対して安全ではありません。

カッコよくても、そういったlことは、

しっかりとするようにしています。

大事な家ですからね。

I-2047、シェアハウスにするためにどうすればいいのか(大阪府)

ユーザー あつし の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
大阪府
現住所‐郡市区町村: 
大阪市
依頼内容: 

土地面積260㎡延べ床面積534㎡
登記上は3階建てなのですが、実際は4階建て適法物件ではないのですが、
シェアハウスにするためにどうすればいいのか教えていただけませんか。
 
 
 
用途変更可能なのか、用途変更するためにはどんなハードルがあるのか教えてください。
 
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する
 





高い吸放湿性のある土壁の家・SSD建築士事務所株式会社 瀬古 智史さん


 
土壁には高い吸放湿性があるため、調湿効果があります。
 
土壁についてSSD建築士事務所株式会社 瀬古 智史さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー SSD建築士事務所株式会社 瀬古 智史 の写真
津市安濃町川西1281-1
059-268-1303

 

土壁とはなんですか

 
ここでは竹木舞下地の土壁を中心に説明いたします。
 
現代の工法では土台から梁桁までの間に横架材等はなく、地震力に対しては筋交いや耐力面材などでそれを負担しますが、土壁で真壁構造の場合は柱と柱を繋ぐように5分から一寸の貫を差し込み、それに竹木舞下地を編み、粘土質の土に藁を混ぜ熟成させた荒壁土を両面から塗り付けて下地とするのが基本です。
 
荒壁が乾燥してひび割れた状態から、大直し、中塗りと塗り重ねて平滑な下地を作った最後に漆喰等で仕上げます。(中塗り仕上げもありますが。)
 
土壁だけで地震力や風圧力を負担するのは2階建てだと難しいでしょうが、伝統的な工法を用いての平屋建てなら十分でしょうし。筋交いに頼らない柔軟な構造は土壁や貫が制振的な要素も持ち合わせていると思います。
 

貴社が土壁の家を手がけるきっかけがありましたら教えてください

 
私の自邸もそうなのですが、先ずはアレルギー体質に対してより安全な住宅であることと、環境に対する考え方を突き詰めていきますと、自然にロングサイクルや廃棄時に土に還り易い点を重視する等の基本方針は、流行に左右されずにブレることなく求められる事であり、その様なことを求めるクライアントからの問い合わせが徐々に増えて手掛けることに至っております。
 

 

土壁のメリット・デメリットを教えてください

 
土壁のメリットは多いので以下に箇条書きにします。
① 高い吸放湿性がある。
② 高い蓄熱性がある。
③ 高い遮音性がある。
④ 空気浄化性がある。
⑤ 高いリユース性。
⑥ 土に還る(土そのものです。笑)
⑦ 耐震要素と制振性。
⑧ 土ものや漆喰等々、様々な伝統的な左官技術での高い意匠性と質感が可能。
⑨ 工業化製品ではないので、材料は日本のどこにでもある。 
 
土壁のデメリット
① 工期が長くなる。
② 品質が職人の技量に左右される。
 

既存の家を土壁にリフォームすることも可能でしょうか?

 
可能ですが、その場合は竹木舞真壁構造にしようと思うと大変な作業になりますので、木木舞での大壁仕様かPB上への施工とした方が無難だと思います。
 

 

土壁をDIYで作ることも可能でしょうか?

 
可能だと思います。
粘土質の土に藁を混ぜ熟成させる荒壁は比較的容易に作れますし、昔は近所総出で荒壁付けの作業をしたようです。
 

土壁のカビ対策はなにか行っていますか?

 
特に対策は行っていませんが、施工の時期によりカビが発生しやすくなることもあると思いますので、扇風機での通風等適切な対策を取る必要はあります。
 

土壁の上に塗装することも可能でしょうか?

 
左官職人さんからは外部漆喰等に撥水材を施工する等の話は聞きますが、土壁に塗装というのは考えにくいです。
ジョリパット等の左官用の仕上げ材料等はそもそも塗装に近い建築材料ではないでしょうか。 
左官と塗装は分けて考えた方が良さそうです。
 

土壁の作り方を教えてください

 
先ず重要なのが竹木舞に使う竹ですが、10月11月に伐ったものでなければいけません。伐り旬以外だと虫害が発生します。
粘土質の土に藁を混ぜて熟成させ、貫に施工した竹木舞に両面から塗り付けて乾燥させます。
その後、砂や藁スサを混ぜた中塗り土で大直しし、更に乾燥後に中塗り仕上げへと進みます。
 

 

土壁の家が得意な工務店なども紹介して頂けますか?

 
はい。
左官仕上げが得意な工務店は木造の伝統的工法を手掛けるところが多いです。
 

土壁の上に漆喰を塗ることも可能でしょうか?

 
勿論です。
漆喰仕上げの下地は土壁や木舞が多いと思います。
 

土壁の材料はどのようなものでしょうか?

 
粘土質の土・藁・スサ・真竹(竹木舞)・女竹(間渡し)・砂・藁縄・シュロ縄
 

土壁の場合、断熱はどのようにするのでしょうか?

 
内外真壁にして断熱を捨てる考え方もありますが、私の場合は、外部に透湿性能の高いウールやポリエステル樹脂の断熱材を100mm被せて、土壁を外部の温度変化から守り、土壁の蓄熱性能を十分に発揮させるようにしています。
更に土壁に温水を循環させて輻射暖房とする仕様も、快適性の高い室内の温熱環境を実現しています。「実りの家」「寺町の家」
 

 

外壁を土壁にすることも可能でしょうか?

 
可能ですが、軒の出を深くする必要はあります。(雨での土壁劣化対策として)
 

wood stucco houseの設計で工夫した点を教えてください

 
当物件は貫こそ通しておりますが、竹木舞土壁真壁の仕様ではなく、PB上にカーボンプラスター下塗りの上に漆喰塗としています。
真壁の土壁に比べて木の見えている量が程よく、スタイリッシュなデザインを求めるクライアントへは、真壁竹木舞の下地を作った物件においても更に大壁で木木舞を取り付けた上に漆喰仕上げとする場合もあります。
 

 

SSD建築士事務所株式会社 瀬古 智史さんの土壁の建物・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
地下車庫のある家

RC造の地階車庫部分と外玄関は道路との高低差が無くスムーズにアプローチできるプランになっています。
木組みで漆喰の上部構造は、無垢材好きの建築主の好みに合わせられました。

wood stucco house

無垢の木のふんだんに使いながら、コンクリート天板のキッチンやキャンチレバーの階段等々。設計者としてもチャレンジする心を忘れずに取り組めた物件でした。

Library house

本の収納と子供たちの勉強を兼ねた図書室を計画。リビングとスキップフロアでつなぎ、変化に富んだ空間にしました。

音楽室を有する2世帯コートハウス。

片流れ屋根の家

本物の素材の良さを生かした伝統的な構法を用いながらも、 重々しくなりすぎない片流れ屋根のモダンなデザインのお家です。

ibushi-京壁の家

半地下・スキップフロアーと、高低差を最大限に生かした平屋の計画。
「むくり」のついた屋根が特徴的な、新しい和のお家です。

木組み・土壁の家

 

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

昨日から仕事はじめの方も多かったのではないでしょうか?

2019年。どんな年になるんでしょうかね。

さて。

昨日は、とある家創りの法的なことについて

確認するため、いろんな機関や役所廻りでした。

まず最初は、確認検査機関。

家を建てる際、建物が法律に適合しているのかを確認する

確認申請という手続きをする民間の機関です。

こちらでは、法的に曖昧になっているところを

重点的に、協議、確認してきました。

当該案件もそうですが、その他の案件についてもです。

例えば。

寝室等の居室には、ある一定以上の窓が

必要になるんです。

その窓の先に駐車場(ビルトインガレージ)がある場合は、

その窓はOKなのか?

実際は、ガレージを通してになるので、

車が止まっていると、光は遮られます。

でも、車がいないときは」は行ってきますよね。

法的には???

おそらく、地域によって、解釈が違います。

実は。

愛知県の場合に限って言えば、OKなんです。

でも。

その内容って、愛知県が規定しているマイナールール。

しかも、ハッキリ書いてある感じではなくて、

別の規定の一部に記載があるように読み取れる

というくらい。

経験上は大丈夫なんですが、

敢えて、確認することで、議事録を残しておいて、

スムーズに通るように意図しています。

せっかくだったので、そういった内容を

一気に伺ってきました。

でも。これって。

知らなかったり、聞かなかったらわからないことなんです。

ほんと。厳しい条件での家創りをいろいろと経験させていただいた

おかげなんだと思います。

ありがたいです。

その後も、市役所へ行ったり、県庁へ行ったり。

別の機関に行ったり。

結局、午後は終日、そういったことで時間が過ぎてしまいました。

でも。

得たものも多かったので、よかったですが。

大丈夫と思っても、敢えてしっかり確認する。

そういったプロセス。大事にしています。

大事な大事な家創りですから。

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 セカンドオピニオンという言葉はいろいろなところでよく耳にするようになっています。医療現場においても、病院や診療所でそのような業務・対応をしてくれるところが増えてきました。専門的な知見を要する仕事を、素人が専門家に依頼する場合、依頼者は知識がありませんから、依頼した専門家との固い絆・信頼関係がないと不安になったり、疑心暗鬼にもなりがちです。そのような場合に、第三者としての専門家に意見を求めることができれば、不安が少しでも解消できるというものです。
 住宅建築においても、日本のようにほとんどの人が住宅メーカーで家をつくる社会では、設計・施工・監理がそのメーカーで行いますから、建築主としては大手のメーカーだから大丈夫といった曖昧な、漠然とした期待でしか安心を得られません。そこで住宅のセカンドオピニオンが必要になってくるわけです。この業務を行っているのは、ほとんどが設計事務所でして、この業務を標榜していない事務所でも大体は相談に乗ってくれると思います。設計の問題、費用の問題、施工中の問題等々、様々な段階で対応をしてくれるでしょう。
 中には、設計事務所で設計してもらっているけれど、どうも不安だという場合もあるでしょう。専門家が陥る陥穽というものはどのような業種でもあります。丁寧な説明がなされていない、情報をきちんと伝えていないなどといったことは、建築主の方からすれば不安になる大きな問題です。これらを、セカンドオピニオンという形で相談に乗ってもらえれば、大事な一生に一度の買い物に禍根を残すことが減るでしょう。

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