●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
鯖江市の市民による環境活動のセンターとして整備された施設であり、自然エネルギーの活用を第一の目標に置いた実験的な省エネ建築です。ここで試みた以下の環境装置の試みは、全国の小規模オフィスビルで可能であり、今後の応用を期待しています。
○ 換気
西側は遮るものが少なく川筋に沿って常時風が吹いているので、屋根に恒常風を受けるラッパ状の整流フィンを設け、そこを風が吹き抜けるときのベンチューリ効果で室内に空気流を起こす換気システムを採用しています。
○ハイブリッド空調
通風と機械式空調を組み合わせたハイブリッド空調を採用した。また、ペリメーター部の負荷は、井戸水を利用した冷却用のラジエーターを南側窓部に設置しました。
○光の制御
南側の窓にライトシェルフを設け、部屋の奥まで光を届け、室内の明るさの均整度をたかめた。また、ルーバーによる直射日光の遮断も行っています。
この建物はその環境建築としての性格から、環境機能自体が建物のデザインとなっていますが、1階の駐車場、中間層のオフィス研修機能、最上部のラッパ状の風の塔からなる3層構造はそのまま一般オフィスへの応用の可能性を示しています。
第8回JIA環境建築賞入賞