●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
本来、日本の木造建築はふすまと障子で仕切られて、ほとんど壁がない透明感そのものの建築であった。しかし、阪神大震災以降、憑りつかれたように壁の多い建築が当たり前になってしまった。日常的に見る住宅も、壁にわずかな開口部が空いているだけの住宅がほとんどで透明感がない。プライバシーと耐震性の名の下に、木造の本来の良さである透明感が失われてしまったのだ。
「げんき歯科」では、必要最低限な壁を配置し、それ以外の部分は透明に仕上げ、ロールケーキのように外壁で包む構成にした。そうすることで、プライバシーと透明感の両方を同時に獲得した木造建築をつくることに成功した。ロールケーキに擬えた外壁にも仕掛けがある。曇りや雨の日にはシルバーグレーが際立ち、晴れた日にはライムが際立ち、夕焼けにはオレンジ色に…!4色に張り分けられた外壁が表情を演出する。