●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
室町の繊維不況で古くからの建物が姿を消しマンションや駐車場に変わり、街の景色が画一的になっていくことを危惧し、2000年より残したい物件ピックアップから始まった。保存という消極的な残し方ではなく、新しい京都の文化を発信し続け、ビジネスとしても収益をあげられる方法を模索し、実行する積極的なプロジェクトである。現行の消防法をクリアしつつ可能な限り、寺院建築ばりに高い天井や太い梁などを見せられるよう設計した。古い木造階段をそのまま利用し、回遊性を持たせるよう新たな階段も設け、日本がハイカラな文化に目覚めた頃の匂いをゆったり感じながら、ショッピングや食事など楽しめるようリラックスとデラックスという相反する要素を掛け合わせた。