●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
各個室のプライバシーを保ちつつ、庭を含めてた共用スペースが、それぞれ皆さんの様々な<居場所>となるように考えました。例えばそれは、個室に行くための廊下を単に<廊下>とするのではなく、庭に面してお茶を飲んだり、ちょっとした作業スペースにも使えるような<縁側>のような場所にするといったことでした。
また、エントランスに全員の靴を収納する大きな下足入れを設けることは、エントランスの計画上、また、それぞれの住まい方にとっても適したことではないと思い、各個室までは土足のまま行けるような床の仕様としました。特に1階共用部の床と庭の敷石に大谷石(柔らかい天然石)を用いて、内外一体に連続して使える(共用部が外に広がる)ようにしました。
川に開けた南側の庭には、住人それぞれが植物や作物が育てられるような畑を設けることが当初から計画されており、加えて、大谷石製のピザ窯も庭に設置することになり、シェアハウスの住まい方を選んだ方には、お互い適度にコミュニケートしながら、それぞれ独自の生活を楽しんでもらえる建物になったと思っております。