●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
閑静な住宅地に建つ定年を迎えた夫婦のための住宅。ゆっくりとした時間をお互いが程よい距離感で過ごせるよう生活時間と空間をシミュレートしながら計画を進めていきました。南側の庭に向く心地よいリビングとは別に、セカンドリビングと名付けた空間がこの住宅を特徴づけています。セカンドリビングは建物を南北に貫く2X7M、天井高さ2~4Mのトンネル状の空間で2階に位置する猶予空間のような場所で、お二人それそれの時間、お二人で過ごす時間をともに内包するような使い方が可能です。家全体でお互いの気配が感じられる心地よい安心感のある住宅を目指しました。
また、基礎断熱を施し蓄熱暖房機を床下に設置し、床下の安定した空気とともに全室を暖め、夏は床下空間を解放し冷やされた空気を数台のファンで上部に送り、基本的な冷暖房をまかなっています。それは、湘南という温暖な土地であることと、エアコンに頼らない生活を好まれることを活かした計画です。床や天井には無垢板を用い壁は珪藻土仕上げとし、通風計画も綿密に行いました。