●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
もともと1軒の平屋の住宅が建っていた300坪の敷地に、4軒の戸建て住宅を建てる建替えプロジェクト。
普通そのようなミニ開発では、それぞれの敷地境界を明確にするためそれぞれフェンスなどで仕切ってしまいますが、この敷地には数多くの屋敷林などそれまでの家が作ってきたの土地の記憶が色濃く残っており、その豊かな住環境を新たな4軒の住宅が共有できる計画になるように考えました。
最終的には、人工地盤により4軒の住宅をつなげてそれぞれのテリトリーに行き来ができようにし、そのことによりお互いが共用できるスペース「コモンスペース」をあらかじめ設定するといった、新しい戸建て住宅のあり方を提案することになりました。
それぞれの住宅においても、人工地盤の上下で全く違った内部環境(1階は大屋根の下の高断熱空間、2階はガラス張りの外部と積極的につながる空間)として、季節に応じてこの敷地がもたらす環境をそれぞれに満喫できる住宅を目指しました。
この土地の記憶を受け継ぐ様々な計画を盛込むこと試行錯誤により、1・2階のいろいろな場所でいろいろな風景を臨むことができる新しい4軒の連続住宅ができたと思っています。