●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
高低差6Mを克服する必要があり、更に昨今の工事費高騰に対してローコストに建てる必要がありました。下層階は傾斜地で北側が地盤に埋もれることからRC造とし、最上階(2階)を一般的で安価な木造在来工法を採用することで基礎への負担を軽減し、仕上げ可能な限りコンクリート打ち放しとし、外壁など性能が求められる部分は特殊なものではなく、あくまで安価で汎用性のあるものを上手に選択することに注力しました。本施設は構造的にも法的にも非常に高度な設計施工技術を要しましたが、現在の厳しい物価状況下においてチープにならずに魅力的な高齢者施設を建てることがきたと思います。その他の工夫として、2階地域交流スペースの南側に街を見下ろすテラスを設け、そこに「足湯」を設置することで湯に浸かりながら景観を楽しめるこの施設の特別な魅力を持った場所を作り出しました。また、人々が集まる各リビングは傾斜地による眺望を最大限に生かして光と風を取り込む開放的な作りとすると同時に「TATAMIコーナー」と名付けた少人数でくつろげる場を併設させることで、「自分の居場所」を利用者が選択できるようにしています。