外部の視線を遮りながら室内に光や風を導けるハイサイドライト・根岸達己建築室 根岸達己さん


 
ハイサイドライトは外部の視線を遮りながら室内に光や風を導ける事と、高い位置に窓がある為、部屋の奥まで光が届き、室内が明るくなるメリットがあります。
 
ハイサイドライトについて根岸達己建築室 根岸達己さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 根岸達己建築室 根岸達己 の写真
板橋区若木2-18-15
03-3931-1016

 

ハイサイドライトとはどのようなものですか?

 
特に都市型住宅の場合、隣地や道路からの視線が気になる場合があります。
このような場合に、外部からの視線を遮りながら、光や風を室内に導くために、高い位置に設ける窓です。
また、窓を開けるとすぐ隣の家…など、眺望が期待できない場合、雲の流れや星空などの自然が見える様に高い位置に設けた窓をハイサイドライトといいます。
 

ハイサイドライトのメリット・デメリットを教えて下さい。

 
メリットは、外部の視線を遮りながら室内に光や風を導ける事と、高い位置に窓がある為、部屋の奥まで光が届き、室内が明るくなるということです。
 
デメリットは、手の届きにくい高さに窓があるので、造り方によっては掃除がしにくくなります。
そういう場合は、光触媒のコーティングされたガラスなどで汚れにくくすることをお勧めします。
 

 

貴社がハイサイドライトのある建物を手がけたきっかけがありましたら教えて下さい。

 
建物で囲われた敷地に明るく開放的な家を造りたいと設計依頼がありました。
  
街中を歩いていると、レースのカーテンを閉めて、窓を開けているお宅を良く目にします。
光や風を入れたいけれど、人目が気になるからです。
 
窓は光や風を室内に導く機能のほか、外の景色を見たり、室内の広がりや開放感をつくってくれる大切なものです。
今回の計画で、なんとかプライバシーの確保と開放感という相反するものを両立させることが出来ないものか思案していました。
 
何度目かに敷地を訪れた時、周囲は建物で囲われているが、上部には空が抜けていて、視線もない事に気が付きました。
この部分で内外を繋げば、室内から雲の流れが見えて気持ちが良いだろうと思い、ぐるっと一周、天井と壁の間にスリット状の窓をつくりました。
 
それが「360度展開するハイサイドライトのある家」です。
 
外部からの視線を気にすることなく、明るく開放的な家となり、リビングからは流れる雲が見え、くつろぐひと時を演出してくれています。
その後からも度々、都市型住宅の限りある敷地面積の中で、開放的な家を計画する時の解決策のひとつとしてハイサイドライトを採用しています。
 

ハイサイドライトにカーテンはつけられるのですか?

 
高所用のブラインドやロールスクリーンなどが付けられます。
手元のひもを操作して開閉できる様になっています。
 

ハイサイドライトは開閉できるのでしょうか?

 
開閉できます。
「360度展開するハイサイドライトのある家」では、所々に開閉できる窓をつくり、高低差から生じる温度差を利用して、室内に空気の流れ(温度差換気)をつくり、室内に風が流れるように工夫しています。
 
吹抜けなどの計画では、上部の気温や湿度が高くなりやすいので、積極的に開閉する部分を設けることをお勧めします。
 

360度展開するハイサイドライトのある家では全方位にハイサイドライトがあるようですが、西日対策はどうされているのでしょうか?

 
ハイサイドライトは30センチのスリットである為、西日の暑さは気になりません。
逆にスリット状のガラスから差し込む夕日の光が天井を染め、室内を演出してくれます。
建て主の奥様も大変気に入ってくださっています。
 

 

ハイサイドライトのある建物を建てたい方になにかアドバイスがありましたらお願いします。

 
南側に設ける場合もバランスを考えた適度な大きさの窓にしないと、真夏には室内が暑くなってしましますので、経験豊富な設計者に依頼することをお勧めします。
 
「360度展開するハイサイドライトのある家」では、屋根(ハイサイドライトの上)には庇が付いていています。これは夏の暑い日射を遮蔽し、冬の暖かい日射を取り入れることができるため、省エネに大変有効なのでお勧めです。
 
日中いつもカーテンを閉めっぱなしの窓では、本末転倒です。
都市型住宅では、前述したハイサイドライトや中庭、目隠し等を巧みに使うなどして、プライバシーを確保しながら開放的な家をつくることが大切です。
 

根岸達己建築室 根岸達己さんのハイサイドライト・設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
360度展開するハイサイドライトのある家

1階は各人の部屋とクローゼットを天井までの引戸で仕切ってます。これは、引戸を取り外したり開閉することで部屋の用途や大きさを将来の生活スタイルに合わせ、住み手の手で変えていくことができるようにするためです。