本格的なホームシアターから簡易なホームシアターまで・池田雅信建築デザイン事務所 池田雅信さん
ホームシアターは生活を楽しむ一つの仕掛けであり、日常の空間の必要とする質をそれで下げることは避ける事が大切です。
ホームシアターについて池田雅信建築デザイン事務所 池田雅信さんに伺いました。
いつ頃からホームシアターのある住宅を手掛けたのですか?
私が初めてホームシアターのある住宅を手掛けたのが今から20年ほど前に横浜の山手に建つ住宅からです。
その時のシステムは今では見る事も出来ない3管式のプロジェクターを天井にビルトインさせたかなり大掛かりなものでした。
確か当時のそのシアターシステムの費用は数百万円のオーダーだったことを記憶しています。
つまり、その頃は一般の人が家庭でシアターシステムを楽しむことは夢のような話だったのです。
その事例ではシステムの設計は専門家にお願いして、システムの為の器としての建物を設計するだけだったのですが、もともとがオーディオマニアだった為に以降の設計からはかなり積極的にシステム設計やシステムのインストールまで手掛けるようになりました。
↑三管式プロジェクターを下がり天井面に設置し、機器が目立たないように造作パネルで囲んでいる。メンテナンス時にはこのパネルがダンパーで下に降りるようになっている。
どのようなホームシアターを手掛けていますかか?
最初に手掛けたような本格的シアターシステムから始まり、ただビデオディスクが楽しめる簡易なシアターシステムまで、発注される方の状況に応じて提案をしています。
ハードウェアーとシアターシステムのコンテンツが多様化しており、手掛けるシステムも様々です。
ただし、一般的なホームシアターの専門店が行っているようなホームシアターを利用出る事を目的としたものではありません。
私は建築家にしか出来ないインテリアを含めたトータルに豊かな生活を楽しむことのお手伝いをすることをしたいと思っています。
最近では、必ずしも映像が暗転させた部屋でしか見られないような「プロジェクター方式」だけにはこだわらず、明るい部屋でもすぐに見る事が出来る大画面の液晶テレビ方式をお勧めすることが多いです。
場合によってはスクリーンと液晶テレビを前後に重ねて配置し、その時々の見たいコンテンツと見る側の状況に応じてシステムが選択可能な方式も手掛けています。
↑プロジェクターモード
↑液晶テレビモード
コンテンツの質と量も大きく変わりつつあり、テレビ番組そのものがサラウンド情報を持つことが多くなってきていますし、短時間で流れる広告でさえもサラウンド音響が入っていることが多くその質の高さに驚かされる場合があります。
更に、インターネット経由の映像コンテンツが増えていますので、必ず何らかのネットワークやPCインターフェース等をシステムの中に用意するようにしています。
また最近のテレビやレコーダーは必ずDLNAガイドライン(Digital Living Network Alliance:家電、モバイル、およびパーソナルコンピュータ産業における異メーカー間の機器の相互接続を容易にするために2003年6月に結成された非営利業界団体であり、同団体が提唱するガイドライン:ウィキペディアより)に対応していますから、宅内ネットワークを通して別の部屋からでも相互にそれぞれのレコーダーやストレージ等にあるコンテンツが見られます。
例えば、リビングは完全なシアターシステムで楽しみ、寝室ではテレビを利用した簡易なシステムで同じコンテンツを楽しむといったことが簡単に出来るわけです。
ホームシアターの費用はどのくらいになりますか
ホームシアターの定義を「家庭で楽しむことができる映画館のような臨場感あふれる音と映像のシステム」としますと、あまりにも機器が多様化したため、簡単には総費用を言えない時代になっています。
それでもホームシアターが始まった頃と比べると考えられない位にハードウェアーが低価格になり、映像システムの画面の大きさや方式にこだわらなければ、普通の家庭用液晶テレビでさえもホームシアターの感覚を味わうことが可能だと思います。
安価な多チャンネルAVアンプと小型のスピーカーシステムでさえも普通のテレビ用スピーカーとは全く違ったシアターシステムの世界が味わえます。
特に低音専用のスピーカーは重要であり、映像コンテンツを身体全体で感じさせてくれます。
映像システムを「プロジェクター方式」に限ると、初級から中級程度の「システムの機器代」ならば30~70万円位でそれなりのシステムがスタート出来ます。
あとはこだわりの強さで上はキリがないと言うのも事実です。
ただ、機材があれば直ぐに楽しめる世界ではなく、「インストール」と言う機器の「配置、配線、調整費用」があります。
実際には全体の性能バランスを揃えたシステムを組むための「シアターシステムの設計」が最初に必要となります。
それらを合わせるとホームシアターはよく言われるのが100万円くらいから始まるとは言われていますが省略と妥協でこの額はかなり安くできると思います。
ただしこれはシアターコンテンツを楽しめるだけのレベルであって、それを設置した部屋のインテリアデザイン、照明コントロール、遮光カーテン等までは考えていない費用です。
私自身のシアター設計で重要視しているのはたとえどのようなシステムであっても、それを設置することで住空間が損なわれ、住み手の生活スタイルやインテリア空間の質が落ちることは極力しないようにしています。
だからと言ってそのために建設費用が上がることは避けたいのでそのための工夫は常にしています。
インテリアの質を下げない工夫とは?
まずは、機器類を出来るだけ見えないようにする建築的工夫です。基本的に大きな機器が多いのでインテリア空間への影響を最小限にしたいと思っています。
配線工事
工事で行う場合は当たり前のことですが床、壁、天井内に配線を隠蔽します。
ただ、普通の通信用信号線とは違う扱いもあり注意が必要です。
建築の電気工事と同時にシアターシステム用スピーカーケーブルを支給、或いはメーカー、型番を指定して施工してもらいます。
同時に扱いを慎重にする必要がある映像ケーブルは木造等でも配管方式で配線を施工してもらいます。
ケーブルの規格が変わることもありますが、機器への取り回し(将来の機器交換等も含めて)でコネクターが痛み、突然使えなくなり交換する場合があります。
映像ケーブルはコネクター付きで配線しますので、そうした配慮が必要です。
その他に、リモコンの為の赤外線信号ケーブルやLANケーブルも施工してもらいます。
全て、通常の弱電工事であり、これらを床、壁、天井内に施工し機器の直前で体裁良く取り出しが出来ないと本格的なシアターシステムとは言えなくなってしまいます。
とても納まりの良い壁面取り出し用のスピーカー端子や映像端子がありますが、ノイズの混入や信号の劣化防止の為になるべく通線孔等で直接に機器に接続したいものです。
配線の種類と量が多いので、現場との打ち合わせがかなり重要です。ビルトインスピーカー
スピーカー類は新築ならば壁や建具の中にボックスを作りその中に入れて見えないようにします。
そのための設置方法やスピーカーを隠す専用スピーカーネットの納まりとその配色にも気を使います。
ただ、一部のデザイン性の高いスピーカーメーカーのものはインテリアの要素として積極的に見えるように建築側のデザインを調整したりすることもあります。プロジェクターのビルトイン
当初からその投影距離を計算に入れた位置に機器を建築にビルトインさせます。
これも下がり壁や収納スペース等があれば、その部分に仕込みます。
あとは天井内にビルトインさせる場合にも前述のように機器のカバーをデザインして意匠にしてしまう場合もあります。
狭いスペースにビルトインする場合には機器の発熱量が大きいので、ファンによる排熱とそのためのサーモスイッチを設置する場合もあります。大型液晶テレビのビルトイン
液晶テレビを映像機器として使う場合には、大型の液晶画面自体を出来るだけ壁や造り付け家具の中に入れて、利用していない時にはあの真っ黒なディスプレー面を見せないようにしています。
インテリア空間に脈絡の無い黒い大きな無機質の面が存在するのは強く避けたいと考えています。ビルトイン機器スペース
アンプやディスクプレーヤー類は収納スペースや造作家具の中に見えないように収納させることが私のシアターシステムの大原則です。
メタリックで冷たい機械とその中に表示される表示ランプ類はインテリア空間とは異質の存在です。
ただ、機器の操作は殆どが一般的に赤外線リモコンであり、その信号を隠蔽された機器に送る為の赤外線伝送システムを用意しています。
この赤外線システムは壁や天井面に小さな受光器だけを設置するだけなので、殆どその存在さえも気が付かない程度で済みます。
残念ながら適当な赤外線システムが国内に無いため、輸入して使っています。
また使い勝手上は、ディスク交換のやり易さを配慮して必要なディスクレコーダーやプレーヤー類はユーザーのすぐ近くに配置することもよくやります。リモコンの統合
多くのリモコンが部屋の中に散らばるのは好ましい風景ではありません。
リモコンを少なくする方式は、今ではかなり選択肢が増えた世界となりつつあります。
ここにきて急にはやり始めているスマートスピーカでも可能なようですが、一番原始的な方法は学習リモコン或いはプログラムリモコンです。
私がいつも使っている赤外線伝送システムのメーカーにもいくつかのシステムがあります。
これについて解説するとそれだけで本が書けるかもしれません。
リモコンに関しては、凝り始めれば簡単なプログラムを組むことで、ワンタッチで電動の遮光カーテンを閉め、同時にスクリーンを下ろし、アンプ、プロジェクター、プレーヤー等の電源をオンにし、最後に天井の照明をまるで映画館のような感じで徐々に暗くすることも出来ます。
また見終わった時点で、その逆の手順で部屋を通常の状態に戻すことさえもワンタッチで行えます。
ここまで行うと、たまにではありますが、メーカー間の赤外線信号等の相性や赤外線信号のノイズで動かないリスクも出たりします。
↑壁面収納の扉の中に仕込んだフロントスピーカー
↑壁に仕込んだフロントスピーカー。扉や壁に同面、枠無しでスピーカーサランネットを納めている。
↑壁面にビルトインされたプロジェクター、排熱とメンテの為に開閉可能な化粧格子にて納めている。
↑液晶テレビ収納用の造作家具扉(上下に壁面センタースピーカーとフロントトップスピーカーがあり、扉が空いた時には音が通るように、扉はスピーカーネットで作られている。
↑液晶テレビを出した状態(扉は上下に開き)テレビはメンテ時にはダンパーヒンジで手前に倒せる機構を持っている。
↑ダウンライトの直径が110mmなので受光器が小さいのが分かる
↑壁面に設置する赤外線受光器で直径15mm厚さ4.5mmのコインより小さい形状で、受光すると小さなLEDが光るので信号が受信されていることを確認できるようになっている。
↑壁付のタッチパネルタイプのプログラマブルリモコンで、この事例ではアンプ、BDレコーダー、大型液晶テレビ、電動カーテン、照明、エアコンをこれ一台でコントロール出来るように設定されている。
シアターシステムのメンテナンスへの配慮は?
AV機器を配置するスペースのベストな設計は背面からそのスペースにアクセスできる事です。
機器の調整や更新等で設置機器の背面にアクセスする機会は他の設備類よりも多いものです。
それが難しい場合には、機器の棚自体に移動可能なキャスターを設けます。
あるいはスライドレールの棚にして機器を引き出せるようにします。
新築やリノベーション等の場合には隣の部屋に収納スペースを設けてそこから機器背面にアクセス出来るようにする場合もあります。
大型の液晶テレビをビルトインさせる場合には、液晶テレビを大きなボード(部分的に配線個所には穴あけ加工がされている)に取り付けてそのボードと機器を前側に傾斜させたり、スライドレールで前後させたりして裏面にアクセスできるようにします。
この場合には機器がかなり重いので、ダンパーを仕込むこともあります。
スピーカー類は基本的には長い期間メンテナンスの必要はありませんが、表面のネットは外せる納まりとし、交換することが可能です。
シアターシステムの防音はどのようにしていますか?
都市型住宅で防音までしてシアターを大音量で楽しむには、あまりにも建築費用がかかりすぎてお勧めできません。
それでもと言う場合には、床、壁、天井の下地に遮音ボードの増し張りを行い、吸音材の充填を行います。
ただ高音域には効果がありますが、低音専用スピーカーの音に対しては殆ど無力です。
残念ながら都市型住宅で楽しめる音量の範囲と視聴時間帯を住み手が配慮して楽しむ以外には難しいものだと思います。
それでも、ハイグレード住宅の場合には、地下空間の利用や、重い下地材やコンクリート躯体による遮音を配慮するようにしています。
その点では別荘建築だと、隣家までの距離に余裕があるので少し安心してホームシアターを楽しめるかもしれません。
ホームシアターをリビングに設置することは?
既に述べてきましたように、住宅規模の場合には家のどの部屋においてもシアターシステムを楽しめますが、通常は一番に空間容積(面積だけでなく高さも含めて)が大きいのがリビングルームだと思います。
シアターシステムの音場は空間の高さが高い程に豊かな音が聞けることが経験的にあります。
壁が全く普通の仕上げであっても、天井に吸音をさせるだけでかなり質の高いシアター空間になります。
私の事例で、リビング・ダイニングルームにシアター設備を設置し、リビング側の照明を落として、ダイニングで食事をとりながらミュージックビデオを鑑賞すると、まるでシアターレストランのような感じがするとの感想を頂いた事例もあります。
個人的には小さなシアター専用ルームより、大きなシアター兼用のリビングルームの方がお勧めしたい方式です。
マンションに設置する場合の注意点は?
既に防音の話の中で防音の難しさについて述べましたが、マンションでもコスト等の制約があるのと隣戸への音漏れで音量は制限されます。
それでも、かつてのオーディオのラウドネスコントロール(小音量時に低音域と高音域の音量バランスを強くする)と似たモードを備えるAVアンプも増えてきています。
そうしたコントロールを使えば、通常のテレビに備わっている音響よりは遥かに質の高いものが味わえます。
注意が必要なのは、低音専用スピーカーの音が、気が付かない程度の音量でも周囲にかなり伝わっています。
一度は隣の部屋でそれを確かめてからボリュームをコントロールすると良いでしょう。
ただ、最近のAVアンプは各チャンネルのレベルの設定が自動で行えるため、その設定を行った後に低音のみを再チェックをする必要があります。
リフォームでホームシアターは可能でしょうか?
実は、私のマンション用のホームシアター事例の全てがリフォーム(殆どは全面改修のリノベーション)です。
壁まで変更できる場合には、シアター機器スペースを必ず作ります。
前面スピーカー以外のサラウンドスピーカーは予算の事とスペースが難しいことから、天井用のオーディオスピーカーにする場合が多くあります。
それでも、間接照明の照明ボックスに一緒に仕組んだ事例もあります。
建築工事と同時並行でシアターシステムが施工できるので、全ての配線を建築に隠蔽出来ますから、リフォーム、リノベーション工事を行う場合にはシアターシステムに興味があれば、同時に施工することをお勧めします。
今は予算が無くて将来ホームシアターを行いたい場合には配線や配管等を行っておくだけでもかなりのメリットがあります。その場合に、映像用の配線は配管で送れるようにした方が良いでしょう。
↑タワーマンションのリノベーション例で液晶テレビによる小さなシアターシステムを設置している。左側のプラスチックシャッターの中に50インチテレビが入っていて上部は飾り棚となっている。各スピーカー(フロント、センター、リア、サブウーファ)が壁や天井面に目立たない形式で設置されている。
適正なスクリーンサイズに関してのアドバイスは?
プロジェクターによる投影で昔から言われている、「人が等身大で余裕をもって映せる大きさを基準とする」と言う説がかつてありました。
最初の頃はそれにこだわって「16:9」の画面比率で高さが1868mmと言う150インチスクリーンを採用していましたが、部屋のスペースに余裕があればと言うことであり、それなりに離れて鑑賞できなければ意味がありません。
逆に設置スペースに許される範囲でサイズを選定する方が多い筈です。
ホームシアターをDIYでやることは可能でしょうか?
機器のマニュアルをきちっと読む事が出来れば、あとはホームシアターを建築工事と同時に行わない場合で一番難しいのがワイヤリングです。
私は長い建築の経験から電気工事のワイヤリングのテクニックは良く見聞きしていたので、自分でも良く施工します。
それでも、最低限の通線工具は持っています。自分で行うこが可能な工事は以下です。
機器の選定:
残念ながら毎年出てくる機器を全て把握するのは無理なことです。
簡単な方法としては、専門誌のベストバイの機種を選び、価格情報サイトの評判を調べるのも比較的ハズレを引かない方法です。
ただ、機器間の相性に関しては、残念ながら殆ど分からないのが現状です。
メーカーの建前としては共通規格に沿って製品を出していると言いますが、長く使わないと分からない相性問題が現実に存在します。
残念ながら、私の経験ではそれを確実に予測出来る専門家がいるとは思えません。
なので、機器選定のリスクは誰にでもあり、DIYでなくてもその責を問うことは難しい場合が多いことを認識する必要があります。
それでも最近は不適合な事例がかなり減っているとは思います。- スピーカー用配線:
スピーカーケーブルは(5.1チャンネルで6組、最近では9.1チャンネルで10組等)太さはグレードが高くなると信じられない太さや幅のものもあります。
理想は全チャンネル同じ長さと言われています。
天井は比較的楽ですが、壁や床の中は苦労します。 - 映像用配線:
最近ではHDMIケーブルが一般的ですが、あまり長く出来ないのと大量の配線をまとめているため、コネクター部分で傷みやすくかなり注意が必要です。
液晶テレビを使う場合にはAVアンプとの連動もあり、必ずHDMIケーブルとなります。
太くて一番苦労します。 - その他の信号線:
機器を隠蔽させる場合には、赤外線コントロールシステム用の配線、4芯で電話線程度のケーブルです。別の部屋まで延ばしておけば、その部屋からも機器のコントロールが出来ます。
最近ではWifi方式でそれを行えるシステムもありますが、どこかで信号を赤外線に戻す必要があります。 - ネットワーク配線:
テレビを含むチューナーやレコーダー類とアンプにはネットワーク配線が必要です。
Wifiで接続できる機器が増えつつありますが、経験的に家庭用のWifi機器は寿命が短く、可能であれば配線による接続の方が安心できます。
ブルーレイディスク等の場合には頻繁にソフトのバージョンアップがあり、それを行わないと最新のコンテンツが見られないということにもなります。
(映像ソフトのプロテクトプログラムの更新等のようです) - 電源タップ類:
こだわるとコンセントまでホスピタルグレイドが必要だと言う方もいます。
電源はAVセンター以外に低音専用スピーカー、映像機器にも必要です。 - 機器の設置:
既存インテリアを出来るだけ阻害しない配置を心掛けたいものです。
AVアンプは重量があり、設置場所の強度に注意が必要です。 - 機器の調整:
先に書いたように最近のAVアンプ(AVセンター)は調整用のマイクを標準装備していることが多くそれにより、自動的に音響調整は短時間で終わります。
- 機器マニュアル:
一般的なメーカーの製品であれば、必ずネットで購入したい機器のマニュアルを事前に入手出来ます。
逆に入手できないメーカーは採用しない方が良いでしょう。
購入前に、熟読して各機器の接続を良く頭に入れれば接続で間違う心配は少なくなります。
基本的に、どのマニュアルも一般向けに書かれているため苦労しない筈です。
以上の中で、ワイヤリングを専門家に任せることができる場合(電気工事がある)にはDIYの壁がかなり低くなります。
特に、シアター用のケーブルは普通の電気工事では扱わない為、割高であったり、流通がなかったりします。
そのため、自分で数量を計算して調達し、支給する方法もあります。
ただし、数量を間違えると映像ケーブルのように、足すことが出来ない場合もあり、それが心配ならば電気工事の方に長さを出してもらうのも一つの方法です。
ホームシアターに適した広さは?
既にリビングルームへの設置で述べましたが、シアターシステムの設計を先行させてそれに合わせてシアタールームを設ける事はかなり贅沢なことです。
もしもそのような事が可能ならば、システムを設計し(予算、コンテンツの種類、必要な建築音響性能)、そのシステムに合わせた空間を逆算することになります。
ただそうした可能性はあまりにも低いことであり、むしろ現状の許される建築空間の中でベストなシステムを考えながら同時にシアターシステムが元の空間に溶け込める努力の方が重要ではないかと個人的には思います。
ホームシアターを作りたい方へのアドバイスがあればお願いします
「ネガティブな事では」
DIYの機器の選定に述べましたように、機器間(特に違うメーカー間)の相性はとても難しく、専門家でも解決できないことが多くあります。
その場合の解決は残念ながら、別の機器への交換しかありません。リスクは残念ながらオーナーが負うしかありません。
確率としては、かなり低くても存在するリスクなので、十分にその点に関してはご理解を頂いた方が良いかと思います。
ポジティブな事では
一度はどこかの専門店のシアタールームを訪ねて、実際に経験してみてください。
究極のホームシアターは映画館で体験する以上の素晴らしい音と映像が楽しめると思います。
その魅力を知ってしまったら「いつかはホームシアターを」実現してください。ただ、ホームシアターは生活を楽しむ一つの仕掛けであり、大事なのは日常の空間の必要とする質をそれで下げることは避けるようにしてください。
それから、ホームシアターはどこにでも作り出せます。
今見ているパソコンのモニターや日常見ているテレビでさえ、ミニチュアの5.1チャンネルスピーカーを加えるだけで全く違う空間がきっと生まれる筈です。
池田雅信建築デザイン事務所 池田雅信さんのホームシアター・設計事例
画像 | 建物の名称 | 紹介文 |
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