草屋根で家を小さな生態系にする・草(sou)空間設計 横地 義正さん


 
草屋根にすることで家を小さな生態系にすることができます。
 
草屋根について草(sou)空間設計 横地 義正さんにお話を伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 草(sou)空間設計 横地 義正 の写真
岐阜県岐阜市長良3148ー23
058ー232ー2870

 

草屋根の意味を教えてください

 
一言で言うなら、自然との共生の一表現形態です。
人間は人間だけで生きているわけではありません。
 
人間の体は「人間のDNA」を持った60兆個もの細胞の他にその数倍の「人間のDNA」を持たない微生物の細胞との共生で成り立っています。
さらに人間一人の個体を離れて「人類」として見れば、他の動植物や菌類との関係で成り立つ「人類生態系」とも呼ぶべき世界の中で、はじめて生きられるのだと考えています。
 
草が生え、森がある環境の中でこそ、人間は生きてゆけるのだということを無視してしまったところから、現代の地球環境問題は起きていると考えています。
事務所名の「草」は、広く深い意味を込めて付けたものです。
 

草屋根の作り方を教えてください

 
大きく3つに分けられます。
単純に土を載せるだけのもの(建物の一部を埋めることも含みます)、軽量土壌を載せるもの、さらに軽量の保水シート等を載せるもの、です。
いずれも長期的に雨漏りなどを起こさないよう、防根措置を施す必要があります。
 

草屋根のメリット・デメリットを教えてください

 

メリット

断熱効果がある。
家を小さな生態系にすることができる(小鳥や昆虫の生息域の中継点となることができる=生物多様性を守ることに貢献できる)。
下屋を2階から「庭」として楽しむことができる。
下の構造によっては「屋上菜園」なども可能。
ヒートアイランド化の緩和に貢献できる。
 

デメリット

屋根荷重が増えるので、下部構造をそれなりのものにしなければならない(若干のコストアップ)。
防根措置が不十分だと将来雨漏りの危険性がある。軽量土壌や保水シートなどを採用した場合(下部構造への負担は少ないが)、定期的な水やりが必要になる。
 
といったところでしょうか。

草屋根はDIYで作ることも可能でしょうか

 
可能ですが、先に書きました防根措置をきちんと行わないと将来的な雨漏りの心配がありますので、そのあたりは専門家のアドヴァイスを受けながらやってください。
 

 

草屋根が得意な施工業者なども紹介していただけますか?

 
「得意」と言っていいかどうかまでは検証できていませんが、複数おつきあいはありますのでご紹介はできます。
ただ、紹介のみで私がそこにかかわらないのであれば、その後のトラブルに関してまでは責任を負いかねます。
 

草屋根の費用はどれくらいでしょうか?

 
面積や工法、採用する設備(散水等)によって大きく変わってきます。
数十万から数百万まで開きがありますので、どういうことがしたいのか、をご相談いただければいろいろなパターンをご提示できます。
 

草屋根の下地はどうなっているのでしょうか?

 
基本的には、防水層と防根層の上に軽量保水シート(疑似土壌)、軽量土壌、菜園などに使う普通の土壌を載せるという構造になります。
最近ではその構造をパネル化して並べるだけ、という屋上庭園キットのようなものを販売しているところもあります。
 

草屋根で雨漏りすることはありませんか?

 
雨漏りの危険は植物の根が防水層を突き破ることで発生します。
防根措置をしっかりすることが大切です。
 

O邸の設計で工夫した点を教えてください

  
南向きの緩やかな片流れ屋根にした点(急勾配にすると保水性能が落ちる可能性がある)。
下が開放的な空間なので、構造体への負担を避けるため軽量の保水シート(疑似土壌)を採用しました。
 
そのため散水設備が必要ですが、コストを抑えるため、自動散水ではなく、施主さん自身が手元のバルブを操作する形にしました。
散水用の水は地下タンクに溜めた雨水を利用しています。
 
 

草屋根の家を建てたい方にアドバイスがあればお願いします

 
草屋根は単なるファッションではなく、生態系と共に生きてゆくというライフスタイルの表現でもあります。
当然ですが、「生き物」は工業製品のように計算通りになるものではありません。
 
イレギュラーや予想外も楽しみながら、日々様子を見、世話をやいてやることが大切になります。
億万の生命(草の根元には無数の微生物が生息しています)と共に同じ時間を生きる自分自身の生命を楽しんでください。
 

本を出版されたと聞きましたが、どのような本でしょうか?

 
建築とは関係ないのですが、昨年末、地球環境問題についての私見を書いた小さな冊子を自費出版しました。
「新しい文明の話・人類が22世紀にも存続し続けているために」というタイトルで風詠社から出ています。
ワンコイン(500円)です。
 
宣伝は一切断りましたので、本屋さんには置いてないと思いますが、流通はしますので取り寄せはできます。アマゾンでも買えます。
よかったら読んでみてください。
 

草(sou)空間設計 横地 義正さんの草屋根・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
O邸

あまりネット上に個別のことは書かないようにしていますが、依頼者の方が自分で施工できるローコストな屋根緑化システムを探し、自主施工や価格等の交渉を行ないました。

 

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