3階建て・建築家・インタビュー・(株)中村高淑建築設計事務所 中村 高淑さん


 
狭小敷地の場合、3階建てにすることで土地を有効利用することができます。
また、木造の場合、3階建てになると構造計計算の実施が義務化されており、設計段階における耐震性が確保されるので安心です。
 
3階建てについて(株)中村高淑建築設計事務所 中村 高淑さんに伺いました。

お話を伺った建築家

 

ユーザー 株式会社 中村高淑建築設計事務所 中村高淑 の写真
横浜市青葉区美しが丘4−26-27
045-532-4934

貴社が3階建を手がけるきっかけがありましたら教えて下さい

 
主に都心部などの建ぺい率や容積率が高い計画地において、土地の有効活用をはかりたい場合に計画します。
 

3階建のメリット・デメリットを教えて下さい。

 

メリット

 

  • 狭小地などで土地を有効利用できる
  • 眺めや日当りが確保しやすい
  • ソーニングを階によって明確にわけることができるので、用途の分離やプライバシーの確保がしやすい
    (例えばガレージ、店舗や事務所、二世帯住宅、寝室とリビング、リビングを通る子ども部屋などが計画しやすい)
  • 構造計計算の実施が義務化されており、設計段階における耐震性が確保される

 

デメリット

 

  • 設計の工夫やホームエレベータの設置などにより、ほぼ程度解決できるが、設計が悪いととたんに使いにくくなる
  • 構造計算による安全性の確保や防火に対する法規制が厳しくなり、階段もワンフロア分増えるので同じ面積の2階建てに比べて一般的に割高になる
  • 構造や防火、避難といった安全面、高さや日影といった近隣面など関する法規制が厳しくなり、設計上の制約が増える
  • 建築確認申請などの手続きや必要な日数、工事期間が長くなる

 

 

木造で3階建てを建てる場合の注意点があれば教えて下さい。

 
制約が多いことからデメリットをメリットに変換するだけの確かな「設計力」、「自由で高い技術」に裏付けされた「柔軟な発想」と「提案力」が必要です。
また、法規制や構造計算も難しくなるので、「経験と実績」、「実務能力」や行政や近隣との「折衝能力」など同じくらい重要となります。
 
構造計算も決してコンピュータで解析すれば誰でも同じ答えがでるようなものではいですから、設計者がどのようにして考えたかによってプランが全く変ってきます。
安全性を確認するの計算過程でコンピュータを使ってシミュレーションして確かめているだけなのです。
 
ですから、設計者の技術力と提案力によって全く建築の可能性範囲が異なりますので、より確かなパートナー選びこそが最重要課題となります。
 

3階建ての間取りで注意している点を教えて下さい。

 
敷地が狭いことが多いので、プライバシーと開放感のバランス、採光の取り方に工夫をします。
 

3階建ての外観デザインで気をつけていることを教えて下さい。

 
外壁面積が増えたり、建物の高さが高くなるので、異種素材を組み合せるなど単調にならないように心がけながら、
高い部分や屋根面のおいても将来のメンテナンスがしやすいデザインになるように気をつけています。
 

 

3階建ての坪単価は2階建にくらべて高くなるのでしょうか?

 
デメリットであげたように建設費としては割高になります。
しかし一般的には土地代を考えればトータルでは安くなりますので、経済的合理性は確保できます。
 

木造2階建ての構造計算と3階建ての構造計算はどこが違うのでしょうか?

 
まず建築確認申請に添付する必要があることから必ず構造計算が必要になります。
(今日現在では木造2階建ては一級建築士の責任のもと構造計算の添付が免除されますが、将来撤廃されることが決まっています。)
 
当事務所では木造2階建ても必ず構造力学による物理的な構造計算を実施するので、設計費用としては大きくは変りませんが、3階建てでは、構造計算をより高度な基準である「許容応力度計算」または「限界耐力計算」に基づく構造安全性を確認することになり、設計者の裁量による判断に委ねられる部分が2階建てよりも制限されます。
 

 

ハウスメーカーではなく、貴社に3階建住宅を依頼するメリットとは何ですか?

 
自由度が高く緻密な設計、それを施主の代理人として第三者の立場でチェックする現場監理です。
 
厳しい法規制や安全基準をクリアして、高い技術力を用いながら予算に応じた最適なプランを提案することが可能です。
例えば構造方式は必要に応じて木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、あるいはそれらを組み合わせた混構造の提案が可能です。
 
現実問題として木造でも単なる在来木造や2×4では実現できないプランも多く、木造であっても専門家である構造設計者とともに高い技術レベルでの最適な構造システムを提案します。
 
近年、ハウスメーカーの複数の会社で構造基準を満たさない住宅や、設計資格のない者による違法手続の住宅を数多く建設してしまい、大きな問題となりました。
私どものような建築家の設計事務所では、100枚前後にものぼる詳細な図面をもとに見積と工事契約を行います。
 
工事段階においても、鉄筋やコンクリートの品質、木材の品質、釘の一本まで設計通りにできているか、施主の代理者としてチェックします。
 
こうしたプロセスを経ることで、資産価値が高く、そして安心・安全で快適、コストバランスの良い建築ができあがることをお約束します。
 

(株)中村高淑建築設計事務所 中村 高淑さんの3階建て設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
茅ヶ崎の家(木造3階建て、ガレージハウス、店舗併用)

約30坪と決して広くはない敷地ですが、1階に倉庫も兼ねた書斎(事務室)とクルマ2台バイク1台を収容できるビルトインのガレージがあります。

池上の家(混構造3階て・RC造+木造)

間口が狭く長細い敷地形状を有効利用を図りつつもコストを抑えるために、鉄筋コンクリート(RC)と木造の混構造としました。

世田谷代田の家(木造3階+屋上、ガレージハウス)

敷地形状に合わせ変形した平面形状・断面形状とせざるを得ないことから、構造形式は本来は鉄筋コンクリート造か鉄骨造を採用したいところであるが、コストや時間的な制約から木造3階建てにて計画、軸組み自体はとてもシンプルな架構に収斂させた。