価値観やライフスタイルが多様化するなかで、住み手にとって何が必要なのか?本当に必要としているものは何か?住み手と、設計の打ち合わせを何度も重ねる中で、見えてくるものがあります。徹底して必要な機能だけを組み込んだキッチンです。アイランド型にしていますが、手元は隠すようにカウンターは見えなくしています。キッチンカウンターは、人工大理石、キャビネットはウレタン塗装です。ガスコンロは2口で十分。グリルも不要。その分収納を大きく取っています。大型シンクと、下部に食洗機。カウンター背面の収納スペースには、左右に冷蔵庫と、棚板を設けています。扉は無い方が使いやすい。しかし正面に見えては見苦しいことからこのようにしています。天井は3.2mの高さがあるため、レンジフードのようなものは使えませんし、何より見苦しい。換気扇はキャビネットに取り付けて、床下から排気しています。「必要にして十分」オーナーの言葉です。それこそが、価値観であり、ライフスタイル(何がしたいか)と言うことです。オーナーは、フランス留学の経験から得た住まいに対する想いが明確でした。「機能的で生活感があり、身の丈を知り余計なものをそぎ落とした潔さを感じる。室内には、使うものか美しいものしか置きたくない。」家具は、今まで使っていたアンティーク家具をそのまま使っています。だからこそ、住まいの空間は徹底してシンプルにつくっています。床もすべて450角の磁器質タイル壁面はガラスか白壁天井も白必要なもの以外そぎ落としたライフスタイル。いままでの家具も、しっくりなじみます。
上の写真はダイニングとキッチンリビング、ダイニング、キッチンはワンルーム。3.2mの高い天井。背面の四角い箱は収納スペース。アンティークテーブルが映えるモノトーン空間です。
キッチンカウンター必要にして十分オーナーのライフスタイルを表しています。
ダイニングキッチンの図面1枚目の写真と同じ方向の図面です。中央がキッチンキャビネット。その上が収納スペースです。
住宅の設計をしていると、必ずと言っていいほど話題になるのが、収納の話。建築主にとっては、さまざまな条件のなかで、ストレスになるくらい悩みが多い問題ではないでしょうか。なにしろ、収納をテーマにした本が、数限りないほどでているわけだから、深刻な問題なのだとも感じます。以前設計した二つの住宅を改めて見てみると、収納の取り方の違いがはっきりしています。いずれも、年代は違いますが、3人家族の住宅です。こちらは延べ面積が40坪ほどの、2階建ての住宅です。マンション風に言えば、3LDK+書斎。その収納は、押し入れにして、6カ所分。その他に書斎の本棚など、小さな部分もあるので、相当なスペースを占めています。
こちらは、延べ面積が30坪ほどの、平屋建ての住宅です。収納(ユーティリティ)として、1カ所にまとめて3畳ほどのスペースをとっています。日常で使うものは、それぞれの部屋に置いて、そうでない物は全てユーティリティにあるので使う時にここに行けば必ず物は見つかるし、どこに入れたか忘れることもありません。個室にはクローゼットも一切収納はなく、気に入った家具を置くという考え方で、部屋に必要以上の物がないため、すっきりと暮らせます。
生活していく上では、収納は当然必要です。しかし、せっかくお金をかけて住まいをつくっても、必要以上に収納を取って、その他の部屋の居心地が悪くなってしまっては、本末転倒です。
「本当に必要なモノ」は、そんなにあるのでしょうか?これは、真剣に考える必要があると思います。せっかくの暮らしが、モノに支配されてしまっては、楽しくありません。
私も含めて、人はモノを持つということに、喜びや幸せを感じます。決して悪いことでもないし、むしろ普通のことですね。しかし問題は、本当に自分に必要で、愛着が持てるかどうかということではないでしょうか。愛着が持てれば、それは本当に幸せであるし、大切にしまっておけます。
そうでない物は、いつしか収納の奥に眠って、二度と使われることはなくなってしまう。いつか「使うかも知れない」、「もったいないから」、「とりあえず」取っておこう。これは、一見すると物を大切にしているように思えるけれど、ほとんど使わず仕舞いで、その存在すら忘れられています。こういうものは、きっぱり捨ててしまうか、必要な人にあげるか、売ってしまうに限ります。物は使われてこそ生きるのですから。
そうすればきっと、ストレスのない快適な暮らしになると思うのですが・・・・。物心ともに豊かに暮らすために。
教会では礼拝が中心となるため、礼拝中の司式者や信徒の動き、オルガンやクワイヤー(聖歌隊)のための音の響き、遮音性能、自然光・通風の採り方、大空間における設備の効率的かつ目立たない納め方などが検討事項となります。 教会について石川恭温アトリエ 一級建築士事務所 石川恭温さんに伺いました。
教会建築への興味は元々学生の頃からありました。恩師である前川道郎先生(ゴシック建築を中心とした空間論の研究者。故人)の影響が強かったと思います。ヨーロッパ・西アジアにおける数々の教会建築の空間体験も素晴らしいものでした。 所属した設計事務所での最初の仕事も教会でしたが、三光教会の場合は挙式という身近なことがきっかけで礼拝堂の改修の御相談をいただいたことからでした。簡易な増改築という話から始まり、いろいろ紆余曲折を経ながら、およそ10年後に完成することになりました。
牧師を中心とした宗教施設は「教会」、宗教以外の目的をもつ施設に付属する礼拝堂を「チャペル」と呼ぶことが日本では多いかと思います。例えば、カトリックや聖公会などの宗教施設群や礼拝堂は「教会」、結婚式場の礼拝堂は「チャペル」、というようなことです。 ただ、チャペル=商業施設というイメージもあるようですが、必ずしもそうではありません。学校に付属する礼拝堂はチャペルと称されますし、教会の施設群の1つである礼拝堂も同様です。
設計の前提として、敷地やその周辺、施設自体に必要とされる機能をよく理解することが必要ですが、それは教会も同じです。教会では礼拝が中心となるため、礼拝中の司式者や信徒の動き、オルガンやクワイヤー(聖歌隊)のための音の響き、遮音性能、自然光・通風の採り方、大空間における設備の効率的かつ目立たない納め方などが検討事項となります。 礼拝自体も時代によって変わってきますので、教会がどういう経過を経てどういう方向を目指すのか、時間の流れを把握することも重要です。これらを整理し統合して、祈りの場に相応しい光や静けさをもつ空間自体を目指すのが教会建築だと考えています。 一方で、そういう設計者的な考え方の前に、信徒の「家」とも言える教会にはその人数分の多様な思いが存在しています。例えば、建て替えの計画の際に「改修派」と「建て替え派」に分かれてしまい、思いが叶わなかった人は来なくなってしまう、ということはよく聞きます。 時間をかけて話し合い、多くの方が納得できるように計画を進めることもとても大事なことです。
偶像崇拝の有無(絵や像を重視するか)、礼拝の方式等宗派による違いはありますが、建物の形や雰囲気には計画を取り纏めている牧師や委員会、設計者の影響が強く出るのではないでしょうか。
協力いたします。
いたします。
内容によりますが、基本的にご相談はお受けし、前向きに検討します。
お受けします。
小規模なものであれば基本的には可能です。規模が大きい場合も、主要な構造体を鉄筋コンクリート造や鉄骨造とし、内装を木調の雰囲気とすることは可能ですし、最近は大規模木造の技術も一般化しつつありますので選択肢は広がっていると言えます。
構造体やプラン、仕上などをシンプルで合理的なものとすることで、コストを抑えた案を立案します。教会の場合、聖卓廻りや会衆席など家具にもかなり費用がかかるため、製作費を抑えるご提案もします。とは言っても限度はありますので、何を重要視するか、ある段階で優先順位を明確にすることが必要となります。
100周年(2012年)を迎えるための教会の増改築計画。・耐震・防火性能を現行基準に合せること・平面を現代の礼拝様式に合せること・バリアフリー・礼拝堂内の通路・付属室、事務所の拡張
この教会は主に礼拝堂、ホール、牧師館より構成されています。1階にはホール、主礼拝堂は2階、牧師館はエリアを区分して配置しています。ホールは様々な集会や活動に供するため道路から直接入れるようにしました。地域に開かれた教会の象徴です。
草屋根にすると夏場の屋根が熱くなりにくいので、室内が涼しくなります。 草屋根についてレインファーム一級建築士事務所 伊藤 有吉子さんにお話を伺いました。
建築業界では「屋根緑化」と呼んでいますが、ちょっと硬い感じがするので、個人的に「草屋根」と呼んでます。 「屋根緑化」は、マンションやビルの屋上に土を載せて、木や草花を植えたり、時には深さ30cm以上の畑にしたりすることで、都会に植物を増やして、ヒートアイランド現象を抑えようという目的で、日本では今から20年くらい前から盛んになったかと記憶しています。私の作る「草屋根」は、木造の家にあまり負担を掛けない、背の低い草花が育つ屋根を作るというものです。
防水層(いわゆるアスファルトルーフィングやFRPなど)の上に、根っこが防水層を突き破らないように、防根シートを載せます。そのうえは、緑化メーカーが作っている保水シートや透水材、軽量な土を載せていきます。土でない場合は、種をまいてあるマットを置いていくというものもあります。 屋根の勾配によりますが、雨や風で土が流れ落ちないよう、土留め(パンチングメタル等)をします。メーカーの提供する○○システム緑化屋根ユニットといったセットものから、完全手作り型のものまで、作り方はいろいろあるかと思いますが、基本的には防水層+防根層+排水層+土壌+土留めを条件に合わせて組み合わせるのが一般的かと思います。 私がつくるのは、手作り型のもので、鋼板や金属屋根で完全に防水性を確保してから、透水層、軽量土壌を載せています。
1:夏場の屋根が熱くなりにくいので、室内が涼しくなる。2:庭がとれない家でも緑を楽しめる。3:紫外線による屋根面の劣化を遅らせることができる。
1:屋根が重くなる分、構造を検討する必要がある。2:草花のメンテナンスが必要。(草花が好きな人にはメリットかも)
大工仕事や高所作業が好きな人はできなくないと思いますが、既存の建物に作る場合は、屋根緑化分の重さに耐えられるか、設計者や施工者に確認してもらうとよいでしょう。
特に施工業者のご紹介はしていません。
条件、広さにもよりますが、3万~/㎡程度です。
先述のとおりです。
草屋根が原因で雨漏りすることはこれまでありません。
このお宅の場合、西日が強いため、西側に1階の庇を大きく出して緑化しました。また、2階の部屋から草屋根に出られるようにして、地下に貯めた雨水を草屋根に散水できるようにしました。そのため、西日の不快感もなく、涼しく過ごしていただいているようです。 手作り型の屋根緑化なので、25種類のセダム類を植えて、その地域の気候にあうものを模索しながら育ててもらいました。枯れてしまったものは抜いてもらって、施主さんが好きな草を植えたりして楽しんでもらっているようです。
もう一つの「庭」として、手入れも含めて楽しみたい場合は、草屋根に人が出入りがしやすい間取りにするとよいかと思います。家の屋根が難しい場合はカーポートを草屋根にすると、見た目も素敵な車庫になりますよ。
屋根緑化や雨水を地下に溜めてトイレの水に使う、薪ストーブ等、電気設備に頼らない、エコロジカルな工夫をしました。2階への階段は勾配を緩やかなものに。道路からはスロープで6畳の広い土間玄関につながります。土間には薪ストーブ。
船橋市で自宅建設用の土地購入を考えていますが、候補物件の不動産広告に「崖条例適用あり」とあります。土地を購入し家を建築する場合の追加工事コストや建ぺい率などの制約有無について、ご教示願いたく。現地調査を含む相談料が発生する場合は費用の目安を教えてください。 建築家の所在地について:同じ都道府県・近県の建築家を希望する
バルコニーが並んだありきたりなワンルームマンションの外観と差異化を図るため、バルコニーのかわりに出窓をずらりと並べた。出窓は人が立てるくらいの高さと寝そべられるぐらいの大きさとし、サンルーム的に使えるようにしている。外観のデザインと室内の暮らしの両方を考慮した一石二鳥の出窓である。
16~22㎡のワンルーム住戸を主とする集合住宅です。ここではワンルームをミニクーパーのように「全てが手の届く範囲にある、ハンディーなスケールを持った住宅」と捉え、そこから浮かび上がる快適さを追求。家具としても使える出窓やリビングのテレビを見ながらくつろげる浴室などをしつらえました。
「築10年以上経ちましたがいまでもほぼ常時満室です。」
出窓の様子
あえて無機的にデザインした玄関アプローチ
階段は工場の階段のようにデザインした
窓側にはバルコニーのかわりに出窓を設けた。右手のサッシを開けるとトイレ・洗面室・浴室がある。
洗面室から出窓を見る
リビングとトイレ・洗面室・浴室はガラス窓で仕切っている。仕切りをガラスにすることで室内に広がりを持たせている。お風呂に入りながらテレビを見るということもできる。一人暮らしや親しい同士であればプライバシーの問題は少ない。
出窓はベンチ、ベッド、テーブル、テレビ台、物干場として使える
トイレ・洗面室・浴室
キッチンと玄関
何だかよく似た感じですね。
こちらは、レースのカーテンの生地です。
柄のないプレーンな生地なんですけど、
テクスチャに微妙な違いがあります。
見た目よく似ているのですが、
その表情は、結構違います。
左は、少し光沢があるせいか、
より高級感のある感じです。
特に、柄のないプレーンなレース(ドレープも)
は、素材のもつ風合いが大事なので、
触ってみたり、揺らしてみたりしてくださいね。
実は。
とある家創りで、こちらの生地をセレクトしていただいます。
それで見積もりを取ってみたら。。
こんな風に、裾にトリムを付けて、
スカラップにする予定だったんです。
セレクトしていた生地(左)では、
こういった加工ができないとのこと。
そこで、同じような表情のあるレースを
探してきたんです。
ただ。
やっぱり風合いが違いました。
風合いを大事にされるか、
形状を大事にされるかの選択。
その辺は、セレクトされた奥さまに伺って
決定していきます。
カーテンは、家のインテリアを構成する、
大事な要素になります。
特に、レースは、昼間、風景の一部になります。
しっかりセレクトしてくださいね。
さぁ。
今日は、一級建築士の定期講習。。
しっかり講習受けてきます。
建築化照明とは、「光源(照明器具)を天井や壁などに組み込んで、建築(建物)と一体化させた照明方式」を指します。見えない位置に建物に組み込み器具を隠すことで空間をすっきりとさせ、床壁天井面を光のグラデーションで見せることで美しさを表現できます。手法としては、天井面を照らす「コーブ照明」、壁面を照らす「コーニス照明」がよく見受けられます。 ただ、カッコいいからと言ってむやみに計画に盛り込むことは進めません。照明に照らされる面の色や素材の検討を怠ったり、照明を隠すだけのために梁型を出したり、照明の光のグラデーションの途中に煙感知器等の突起物が計画されていたり。いざ出来上がったときに現場を見てみると失敗されている例は多くあるため、空間・設備・照明設計のイメージをしっかりできる設計者に相談されることをお勧めいたします。
建築化照明とは、室内装飾の一部として,天井や壁に配置された照明手法です!簡単なものでは間接照明とも呼びます。建築構造と一体化して照明器具を建築内に納めているので,外観上は見えません。このような照明のやり方の場合…設計の段階から一緒に考えていく必要があります。また、おもな手法としては次のようなものがあります。◾️コーブ照明上壁部の棚状の出っ張りやくぼみに隠された光源で天井と上壁部を照射する間接照明方式で,柔らかい光が得られます。◾️コーニス照明壁際の天井に取り付け,壁と平行な板で覆われた光源により,壁面を照らす照明方式で,壁,カーテン,窓などを美しく表現できます。
アップした横須賀の家のリビングも建築化照明の効果がたっぷり発揮され美しい空間が形成されてます*\(^o^)/*
中古マンションを購入され、内装のリノベーションをさせていただきました。内部は、全て撤去し、スケルトンの状態から施工しています。
間取りの変更、自然素材の使用を希望されていました。
海外のウェブサイトで Coo Planningを知っていただき、ご相談をいただきました。若いご夫婦の希望するに添えるよう、メーカーや素材の選定を特に配慮しています。
コストバランスを考慮の上、希望に添うそ素材選びに注意しています。床材は、ラスティックオークを幅広で使い、合わせてドアの面材をラスティックオークで合わせてデザインしています。
コストとデザインのバランスを考慮し、プランを行なっています。床材の無垢材。壁と天井の漆喰塗り。ステンレス仕様のオーダーキッチン。キッチンカウンターのタイル貼りなど依頼主の希望を実現することに配慮しています。
LDKを見ています。漆喰塗りの白を基調とし、床には無垢の幅広のラスティックオークを自然塗料でナチュラルに仕上げています。
ダイニングからリビングを見ています。右手のキッチンカウンターは、白いタイルで仕上げています。ナチュラルなイメージで合わせています。
LDK全体を見ています。左手には、もともと和室がありましたが、壁を撤去し、ワンルームとしています。小さな子供も遊べるゆとりのスペースとしています。
キッチンは、オーダーキッチンとしています。コストバランスに配慮しています。キッチンは、ステンレスの素材でまとめています。
窓辺を見ています。横長のバルコニーが面しています。自然光と漆喰の白が反射して、とても明るいスペースとなっています。
ダイニングを見ています。空間と合わせたナチュラルなダイニングセットは、依頼主さまセレクトです。
ステンレスのオーダーキッチンを見ています。キッチン面材、吊り戸棚面材を、ステンレスで合わせています。
洗面スペースを見ています。こちらも、造作で製作しています。
玄関スペースを見ています。左手の靴箱、棚は、既存のままとし、白で着色しています。
リビングを見ています。天井は、既存のものを撤去し、できるだけ天井を高くできるよう漆喰仕上げとしています。
家作りに役立つ情報をお送りします。ぜひご登録ください。
現在契約を検討している物件がありましてご相談の掲載をさせて頂きました。2日後に地元の建築家さんからご連絡を頂きました。物件を見ながら素人目では分からない部分を大変親身に、...
当社から車で10分と言う近さでこの方でいいかと言う気持ちで設計と建築確認依頼までお願いしました。
契約価格はフラットを別にして2棟で240万円です。
...
今回は他設計士さんにお願いすることになりましたが、このシステムは大変施主にとって有難いと思います。今はハウスメーカーさんばかりで、...