●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
敷地は都内の閑静な住宅地です。敷地面積は約30坪、容積率はあるものの、高度地区の関係で3階建ては難しいと思われました。
施主の希望するボリュームを確保するため建物の奥側を半分地下に埋め、そこから始まる半階ずつのずれを利用し5層のスキップフロアを計画しました。
スキップする階段を半階上がり1枚の壁をくぐるごとに内部の空間構成、仕上げ、隣接する中庭に植えてあるジュンベリーの見え方が微妙に変化します。
リビングとダイニングは階段の存在を意識することなく移動できる1Mの段差とし、床仕上げはフローリングから600角の大判タイルに変化させています。
南面の明るいダイニングの床はあえて濃い色のタイルを選択し、キッチンの色、その部分のモザイクタイルも合わせて上質な空間になるように慎重に色を選択しています。
玄関から階段、リビング、ダイニングと空間は緩やかにつながり、家族の声や気配も伝わる空間になっています。