●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
もともと車椅子を想定していなかった家。
まずは、どんな車椅子を使って生活していくのかを決めていただきました。
その車椅子で家の隅々までアクセスできるような、通路幅や開口幅を確保したり、
急な転回が必要ないような、回遊性のある間取りへと創り変えました。
車椅子での使い勝手を想定して、スイッチやコンセント、洗面台、キッチン等の設置高さは、「バリアフリーで一般的な」数値ではなく、工事中に、体験していただきながら全て決定しました。
狭くて、もっとも使い勝手の悪かったWC。単純に広くすればよいというわけでもありません。そこで、洗面等と部屋を共有して、無駄なく、広々とした水周りを実現しています。
キッチンは、娘さんが使うメインのキッチンと奥さまが使う車椅子を想定したサブキッチンを併設。サブキッチンは、オーダーキッチンで製作しました。
リビングには、奥さまだけでなく、健常者である御家族もゆっくりできるように、小上り形式の掘り炬燵を設置しています。
家の全ての箇所について、車椅子での使用を考えた工夫を盛り込んでいます。