●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
京都市内のマンションの、防音スタジオ付住戸へのリフォームである。施主は以前から新しい生活と音楽の為の場所を探しておられたが、一般の新築マンションでは防音の為の備えが無く、空間の自由度も低い等の理由から、中古マンションを購入して思い通りの空間を造る事を決断された。
防音スタジオについては、防音技術的にはピアノと歌の遮音に最低限必要な性能を確保した上で、元々の開口部も生かして開放感を残している。ここでレッスンするだけではなく、普通の部屋としても機能する。プライベートゾーンは、空間をスライディングウォールで仕切り、それぞれの境界を曖昧にした。キッチンもアイランドタイプとし、広がりのある空間とした。
防音室を使う音楽家にとってのそれは楽器の一部である。何よりもその空間を使う人が満足するものでなければならない。 使う人の身体の一部になるような空間を、これからも創っていく事が出来ればと思う。