●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
敷地は山梨県南アルプス市の扇状地に位置している。特産の桃やサクランボの果樹園が広がる台地からは、富士山や北岳、八ヶ岳を望むことができる。建物は2010年に、小学校棟と寄宿舎1棟を建設。非常に浅い層に埋蔵文化財が出土したため、扇状地らしい緩やかな傾斜の表層に沿うよう、細かな段付きの基礎形状で、そっと載せるようなカタチとした。日本でいちばん楽しい学校をという学園は、授業の大半を「プロジェクト」と呼ばれる完全な縦割りのクラスでおこなわれる。そのため、教室の間仕切りをフレキシブルとし、さらにコミュニティーとなるホールへとそれぞれ繋がっている。小学校棟はこれらと多目的ホールが一体として造られているが、多目的ホールは大断面集成材を使ったトラス構造で、12メートル角2層分を吹抜けとしている。