坂道の多い長崎市の傾斜地の中腹に立つ住宅で、対面からの遠景で町並みに浮かんでいるかの様にみえます。デザインも浮いているように見えますが、時間と共に時期に植物に覆われ風景にも馴染んでくるように考えてあります。
敷地の狭い傾斜地で土地を有効に使い、狭くてもいいイングリッシュガーデンを取り込みたい」
5~6社の設計コンペ(競技)でした。デザイン力やプラン力は設計者にとって必要条件、今はそれだけでは不十分コストパフォーマンスにも配慮して設計しなければ最終決定まではなかなかたどり着けません。更に要求されるのが様々な難題をクリアしていく解決力です。
要望の庭のイングリッシュガーデンと建物を、如何にミキシングするかが最大のキーワードでした。そこで問題になったのは狭い敷地での内部と外部の視線のズレ高低差、夕なれば「床の高さ」でした。
監視した建物をご覧になって奥様が「・・・想像以上のできだ」完成時に言っていただいたとき、私にとって何よりの褒め言葉でした。クライアントの内に潜んでいる我々にうまく伝えることの出来ない、伝えにくい要望や要求を如何に汲み取ることがかがこの施主の言葉の中に現れていて涙が出ました。
敷地の片隅に残っていた柿の木です。桃栗3年柿8年・・、切るには惜しいからと施主がそこで柿の木の下に屋内ダイニングと繋げるように、屋外ダイニングを設けました。柿の枝葉が素敵な木陰を作ってくれています。
パソコン部品関係の配送センター兼事業所。メタリックな箱に、鳥篭のようなものがくっついています。この対比が不思議な空気感を生んでいるものと思います。木格子の篭は国内外からの顧客を迎え入れるエントランスホールです。
海外からも来客があり、商談を行なうのにふさわしい空間を希望されました。商品の搬入に支障がなく、将来の増築を視野に入れておく、という条件でした。
設計施工をベースにして設計監修を行う、という条件下で取りまとめや調整、及びデザイン力を期待されたと思います。
木製格子や石のランドスケープ的な処理など、従来の工場建築に無縁のものを付加することにより、意外性と柔らかな空間を生み出すことができ、期待に応えることができました。又、特殊工事の施工者手配や他者との協働行為もうまく遂行できたと思います。
好評でした。デザイン性や協働の能力を買われて次の依頼に繋がりました。
エントランスアプローチ
地元の大工さんが作った木格子。巨石の列石には照明器具が彫り込まれています。地元の石工さんによるものです。
透明な階段。鉄骨が得意な施工者の真骨頂です。
半外部的な風除室
2階ホール
ホールと食堂
エントランスホール背面の庭
夜景
聴覚障害の方7人が共同で生活する家です。間口の狭い敷地ですが木造集成ラーメン構造を採用し地震に強くかつ内部に壁の無い広々とした空間を持つ建物です。
間口の狭い敷地で建てれるのか?聴覚障害者なので室内の視認性を重要視したい。障害者が住むということに近隣の理解を得られるか?
福祉に関する理解度及び施主に対する姿勢でお願いしたと言って頂きました当社は設計者の独りよがりにならない設計に心がけています。
まず周辺環境、及び施設ではなく集団での住まいとの間隔で木造を採用また間口が狭く細長い敷地において内部空間を広く見せる為に、間口方向に木造集成ラーメン構造を採用し、近隣への威圧感を減らす為屋根をアールとして建物の高さを抑えた。中央の吹き抜けのあるリビングにいると1、2階全体が見渡せ管理上の工夫と集団生活における関連性とプライバシーに考慮した。
建物の中央にありながら明るく開放感のあるリビング
台所は室内全体を見渡せる中央に配し、リビングとダイニングを分けて集団生活の中でのグループ分けも考慮した。
地震に強い木造集成ラーメン工法を採用し開放感のある内部空間を求めた。
大村湾に面する町の高台に工場群を建て、中央に公園を造りました。工事に伴って排出される土と石を用いて築山を築き、作業員の憩いの場としてデザインされた公園です。誰でも気軽に立ち寄ってお弁当を食べることができます。
工場に関しては設計(デザイン)監修という立場で臨み、敷地全体計画+将来計画とランドスケープデザインを行なうことを要求されました。工場施設と設備は特殊な事情が複雑に絡むのでそれらの設計との連携がうまくできるかどうかという点がクライアントの関心事であったと思います。
旧来の友人であり、私が古い民家などに強い興味を持っていたことへの共感があったようです。さらに実績を評価していただいた点、工場本体は基本的には設計施工であったため私の負担が比較的軽かった点、などだと思います。
工場本体に関しては、プレハブのパターンに合わせながら可能なことを引き出すやり方とし、ランドスケープに関しては地元造園業者と協議を重ねながら手作りで自然感を出す、という対照的な2チャンネル方式を同時並行的に行ないました。この方向性はクライアントの意図と合致していたと思います。土や石などの廃材を利用して公園を作り、従業員や家族の方たちに憩いの場を提供することは、クライアントとの協働で実現しました。
満足されたようです。公園については子供たちがたいへん喜んでくれたようです。
喫煙や飲食のためのフォーリー。風が強い土地柄なので、半地下にした。中に石のベンチがある。
公園に散りばめられた巨石
工場棟のエントランスホール
メインの工場棟西側外観チョコレート色を部分的に挿入することで金属パネルが生む単調さを破っている。適度な緊張感がもたらされる。
予想以上に石が多く出てきた。ここは小さな石を集めたところ。
手前の道路は敷地全体の中心軸を形成し、将来は手前側に拡張される。
巨石群が一定の間隔をあけて大きな円弧を描いている。中心軸となる道路と石の円弧が微妙に交錯するようすは神と鳶しかわからない。
以前に設計監理をした二世帯住宅には、壁掛けの薄型
テレビがご両親の寝室とお祖母様の部屋にあります。
通常ならば、壁に薄型テレビ専用の固定式の付属金具
を取り付けるのですが、これだとテレビを観る位置が
限られてしまいます。
ベッドに横になりながら観たり、時には椅子に座って観たり
と、異なる場所からでもテレビが観られるようにテレビを
アーム型の金具に取り付けました。
普段、テレビを観ない時にはアームを畳んでおき、観たい時
には自分が観たい方向にアームを動かせるようにしました。
もちろん、このアーム型金具の取り付け位置にはあらかじめ
下地を木材で補強しておく必要があります。
またこの金具とテレビとは4ヶ所ビスで留めますが、それらの
ビス位置がテレビの裏にあるビス穴と一致していなければ
いけません。
つまり国際規格であるVESA規格に合ったメーカーのテレビ
でしか対応していないというデメリットもあります。
ちなみにこの規格に対応しているメーカーはソニー、東芝、
シャープなど限られてます。
さらに金具本体の強度からせいぜい24型までが取り付け
可能ですが、個室で観るテレビならばこの程度の大きさで
十分でしょう。
木造平屋建て。 山間の田んぼの中の一軒家です。伝統構法+土壁(土蔵造り)+本漆喰塗り。クライアント所有の山林から杉を伐採し、天然乾燥をして利用しています。屋根材は伝統的な石州瓦を用いています。寒冷地であり、特注の木製サッシにペアガラスを使用しています。
あまり細々と間仕切らないで大きく使える家にしたい、という希望。
施工者である友人の紹介施主・施工者・設計者の3者の協力関係がとてもうまく機能しています。
木造土壁の良さや、設計の良し悪しについて知識のあるクライアントで、打合せはスムーズに進みました。設計者として苦労した記憶がほとんどない建物です。この地域によくある伝統的な和風平屋の外観ですが、平面形式はミースのファンズワース邸をもじったようなセンターコア形式です。島状のコア4グループを直線状に並べ、周囲を回遊する形式です。中央が固く重く、四周が柔らかく軽いというバランスです。
無口な方で何も言われませんが、気持ちよく住んでいただいております。
外観。煙突は薪ストーブ用。
玄関とアプローチ
居間。上部に梁が露出しており、屋根裏部屋が見える。
和室と居間
角部屋の和室。平原と山が見渡せる。
キッチン。大工さんと建具屋さんの合作。薪ストーブが奥に見える。
子供の勉強はコアを周遊する通路空間の中にあります。部屋に閉じ篭らず、小さな面積を広く使うための工夫です。親もここでパソコンワークをします。
寝室の収納は手持ちの箪笥に合わせて作っています。手前の梯子を登ると屋根裏部屋に行きます。
模型。積雪地帯での長い庇を持たせるため、屋根の架構はトラス形式を応用しています。
土壁ワークショップの様子。
3階建ての3世帯住宅。メインの構造は鉄骨造、床はRC造、帳壁は木造土壁(土蔵造り)+本漆喰塗りという混構造です。太陽熱と地熱を利用した緩やかな冷暖房システムを用いています。
家相に沿った設計をすることなど、その他もろもろ。
以前に2つほど設計をした実績を買われて依頼していただきました。
規模の大きな個人住宅であり、コスト的にも恵まれておりましたので、それなりに希望は多くありました。一つ一つの要求に応えることと、大枠を決めて進めることは別次元の作業になり、そのやりくりに努力しました。
特にありません。
和室
LDK
廊下の先端の窓越しから、富士山が遠くに見えます。
廊下
西陽を防ぐため、小さな中庭を挟んで空中歩廊を設けています。
敷地内に残っていた大谷石を用いてアプローチを作っています。塀の大谷石の隙間に照明を配置しています。
工事中の土壁のようす
昭和中期に建てられた木造モダニズム建築の改装+増築です。 用途は教会+集会所+牧師住居。既設建物に鳥かごを被せるような形で構造補強しています。鉄網モルタル壁を取り除きすべて土壁(土蔵造り)にしています。大津壁という土に石灰を混ぜた仕上げです。礼拝堂内部は、狐格子を用い、銅製のペンダント(照明器具)を吊るして、和洋折衷的な空間になっています。
既設の礼拝堂を建替えるべきか迷っていました。木造モダニズム建築でなかなかよい設計(日本電建設計)でしたので、「せっかくだから残しませんか?」と申し上げました。長い協議の上、信者さんの愛着もあり、改装することに決まりました。ワークショップを行い「皆で作る教会」というコンセプトは快く賛同していただきました。もともと教会建築には皆の協力で建てたという歴史があり、とてもよい経験をさせていただきました。
周囲の建築関係者はすべて建替えるべきだと進言する中で保存再生+改築を提案したのは私一人であり、とても驚きだったようでした。このことで会議の流れが大きく変わったと聞いております。
地元の木材による伝統構法の手法を用いた建築です。 建具はすべて木製です。断熱材は無農薬米の籾殻を薫炭処理したものを使用しています。 100%自然素材です。アトピー等のアレルギーをお持ちの信者さんもいたので、誰でも安心して使用できるようにしました。
多くの信者さんがいますので、いろいろな意見がありました。褒め言葉もあれば、批判的な言葉も受けました。場はできても人のコミュニティがどう育まれるのかは、別の問題です。よきコミュニティが生まれる場になるよう努力したつもりですが、そうなるように願っております。今後も見守りたいと思います。
ファサード。右側に礼拝堂が納まっています。斜めの柱と内側の既設の柱が長スパンの梁を4点で支えています。斜め柱にすることによって広場を広く使うことができます。
礼拝堂内部。右側のドアを全面開放すれば、礼拝堂と広場が一体になり、大きな集会にも使えます。
礼拝堂と集会所の間にあるアトリウム。積雪を防ぐためガラス屋根をかけた中庭です。
集会所。
既設の木造モダニズム建築を覆うようにして構造補強をしています。木造ならでは改修方法です。
関係者も無関係者もともに集い、土壁作りをしました。甲奴の左官屋軍団が指導してくれました。
土壁用の小舞竹造りワークショップを皆さんで行いました。竹きり、枝落し、竹割りの作業です。
ガラス張りの礼拝堂は、夜間は建物全体が照明器具になります。闇夜を照らす道しるべになっています。
幹線道路から70m程入った場所に、ヤマザキアパートメントは位置する。敷地及び周辺地域は昔からの工場も残る準工業地域で、東京下町の要素を持つ場所である。その場所に、地上3階建のクライアント住居も含む集合住宅を設計した。1階にクライアントの住宅、2・3階に大小の賃貸ワンルームを7戸用意した。撮影:小林達実
老朽化した家を…将来のことを考えて賃貸併用を考えたい。
親身に相談に乗ってくれた。
廻りには高いビルも多く存在し、日照も決して良い条件ではないが、全ての住戸には、中央に配したコートから光・風・水の自然要素を取り込む計画とした。建物は、吹き抜けを持つコートを挟んで2つのコンクリートの箱が建つ形状を持ち、外階段がつなぐ構造となっている。宙に浮いたような階段にし、コンクリートの強さと見た目の不安定さをイメージした。2つの箱は半層ずれたスキップ形状でつながる。34坪の小さな敷地に豊かな空間構成を目指し、外観は単純な箱であるのに対し内部は豊かな空間を持つようにした。今の集合住宅はあまりにもプライバシーが守られ、昔あった住人間の交流がなくなり寂しく思う。交流を願って建物の中心に、階段・コートを配した。この吹き抜け空間が、少しでも人々に交流をもたらしてくれれば嬉しく思う。
予算も含めて、色々なパターンを検討して頂きありがとうございました!これからもお付き合いの程、どうぞよろしくお願い致します。
家作りに役立つ情報をお送りします。ぜひご登録ください。
建築家依頼サービスを利用させて頂いたKと申します。I-0224、断熱性と気密性の高い家(千葉県)を依頼しました。紹介して頂いた、...
難しい依頼だと思うのですが、話を聞いて頂けるとお二人から返事をいただきありがとうございます。お盆には帰省するのでその時に、...
お蔭様で4件の建築士事務所から御連絡を頂き、その内の1件の方と契約を結び、現在進行中です。 非常に良い方で有り難く思っております。 ...