住宅密集地・インタビュー・五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳さん


 
住宅密集地というとデメリットばかりが気になりますが、建物が隣接しているため外部から見られるところが限られます。
そのため隣家の窓との視線をはずすことで外観の意匠よりも屋内生活優先の窓開口をつくることが出来ますので風通しの良い部屋がつくれます。
 
住宅密集地について五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳 の写真
愛知県一宮市木曽川町里小牧字西蒲原216番地
0586-87-2669

 

貴社が住宅密集地の建築設計を手がけたきっかけがありましたら教えて下さい

 
一口に住宅密集地と言っても様々な土地があります。
建築主さんが新しく土地を購入された場合や昔から永くその土地に住んでいて建物が古くなったので建て替えをする場合などいろいろな状況での依頼があります。
 
その中でも広い土地、狭い土地また俗にいうウナギの寝床や旗竿敷地と言われる特徴のあるものもあります。
ウナギの寝床は間口が狭く奥行きの深い土地のことです。旗竿敷地は間口が狭く奥の方で広くなっている土地です。
一般的にそのような間口が狭い土地は安く購入できますから入手し易いですが条件が悪い分、工夫が必要です。そこで我々のアイデアに期待して依頼していただいています。

旗竿敷地

↑旗竿敷地 隣地は迫っている

住宅密集地のメリット・デメリットを教えて下さい。

 
住宅密集地は建物が隣接しているため外部から見られるところが限られます。
そのため隣家の窓との視線をはずすことで外観の意匠よりも屋内生活優先の窓開口をつくることが出来ますので風通しの良い部屋がつくれます。
また見えない所の外壁材は美観よりもコストを優先して素材を選ぶことが出来ますのでトータルコストのコントロールがし易いです。
台風などの時は強い風を受けにくいので飛来物などの心配が少ないです。
 
デメリットは日当たりが悪い、隣家からの視線が近い、声や雑音が聞こえ易いなどですが、それらは我々建築家の工夫次第で上手く処理できると思います。むしろデメリットを楽しんでメリットに替えてしまうことも出来るのです。
 

住宅密集地の日当たり・採光で気をつけている点を教えて下さい。

  
まず土地が決定したらその土地を視察します。そして方角を確認し太陽の移動する位置をイメージしながら隣接している建物の位置を確認します。
それでどこから光を採り入れてどこに部屋を配置するかを決めていきます。
どんなに密集していても必ず光が採れる工夫はあるものです。
 
そこで気をつけなければならないことは隣接する建物が永遠とは限らないので将来建物が建て替えしたときのイメージもしっかりとしておく事です。
また思い切って、二階にLDKを配置するのも良いアイデアでしょう。

2階LDK

↑2階のLDK  天井も屋根なりに高くできるので広々とした明るい空間が期待できる
 
 

面積を絞った開口

↑面積を絞った開口は建物内部に陰影をつけ生活を豊かに演出する
 

住宅密集地の風通しで気をつけている点を教えて下さい。

 
どうしても隣家の窓と近くなってしまうので事前にお隣の窓の位置を良く確認して配置する必要があります。
それでも窓が向き合ってしまう時は突き出し窓のように大きく開かない窓に型ガラスなどを入れれば視線がバッティングせず風通しも確保できます。
 
また、平面上、建物の角をポケット状に欠き込んで距離をとって窓を設けたり、浴室や洗面室の窓の外には囲いを設けて小庭を作っても面白いですね。

浴室から塀に囲まれた坪庭を見る

↑浴室から塀に囲まれた坪庭を見る

住宅密集地の火災対策で気をつけている点を教えて下さい。

  
お隣の給湯器などの近くに建物を近づけないようにすることは基本です。
また、建物の外周のスペースがあまり広くないと思いますがそこに物を置かず歩けるくらいのスペースは確保していただきたいです。
不審火の予防や延焼防止、またいざという時に消防作業スペースとして生かされます。
 

住宅密集地に家を建てたいと思っている方に なにかアドバイスがありましたら教えて下さい。

 
住宅密集地には一見、建て辛そうだなと思われるものが多そうですが、工夫次第でその条件を短所から長所に変えることも十分に可能です。
旗竿敷地では竿の部分に駐車スペースを確保して門を設えて玄関までの間合いを楽しんだり、ウナギの寝床のような間口の狭い土地には中庭を設けて道路からの騒音を避け、落ち着いた採光、通風を確保することが出来ます。

旗竿敷地のアプローチ

↑旗竿敷地の延長敷地部分を利用してアプローチを長くとり玄関ドアまでの間合いを楽しむ
 
 
住宅密集地ではお隣の住人との関係を良好にしておかなければなりません。
また新しく購入する際は十分近隣の方々の情報も調査しないといけません。
 
何故なら住宅密集地での工事は近隣の協力なしでは建てることが出来ないからです。私の経験上、建築前や建築途中には様々な障害が起こります。
境界線の位置のもめ事、日当たりの件、窓の位置の件、エアコン室外機の位置、はたまた外壁の色まで文句を言われることもあります。
建前の際の荷揚車などは特に場所をとりますのでお隣の敷地を借りなければ工事が出来ないことも少なくないです。
そして完成してからもいろいろ協力し合うご近所さんとしてお付き合いしていくわけですから日頃からより良い関係を作り上げておくことは大切です。
  

うなぎの寝床の中庭

↑ウナギの寝床では中庭を設けることで静かで落ち着いた採光、通風を確保できる。
 
 

五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳さんの住宅密集地設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
尾張旭の家 ~狭小地に建つ真っ白な木造3階建て住宅~

尾張旭の住宅密集地に建つ真っ白な木造3階建の長期優良住宅です。

狭小地にもかかわらず、それぞれの部屋が南から光と風を沢山取込みます。

2・3階の飛び出した空間はカフェスペースとしてだけではなく子供の遊び場やお父さんの書斎として多目的に使用できます。

寺東の家 ~水盤を囲む~

連続した水平窓と外部の螺旋階段、水盤が特徴の2世帯住宅です。

敷地の特性上奥まった旗竿状の土地をできるかぎり解放的にするため、狭いアプローチから建物が来訪者を
受け止めるように、南東に大きく開き、水盤のある中庭に面して生活をするスタイルとしています。

岩倉の家 ~季節を採り込む和モダン~

愛知県岩倉市の住宅地に建つ
木造2階建の長期優良住宅です。

「家を買うのではなく、建てたい!」
そんな言葉でスタートした夢のマイホーム。

東刈谷の家 ~庭を囲む~

道路以外の三方を密集した住宅に囲まれていることがこの土地の特徴です。
光をたくさん獲得するため東刈谷の家では、吹抜で各部屋をつなぎ、庭を囲む生活スタイルを採用しました。

正明寺の家 ~中庭のある家~

三方を囲まれた住宅密集地で、南北に細長い敷地です。
全部屋を明るくするため、中庭を各部屋が取囲む、コの字型の住宅にしました。
「お婆さんに新しい家を建ててくれ。」建築主のお父様は、そう言い残してこの世を去られたそうです。

  

I-0208、小さな家の改築・二世帯住宅(東京都)

ユーザー きなこ の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
東京都
現住所‐郡市区町村: 
国分寺市
依頼内容: 

世田谷区桜にある実家(経堂駅から5分くらいで現在は母親1人暮らしです)の改築を考えています。とても小さな家で敷地面積は59.95㎡で建ぺい率60%、容積率200㎡で第2種高度地域の場所です。南北5.2m,東西11.5mの敷地です。1階に母親1人、2階に夫婦2人の2世帯住宅を考えていますが、3階は小屋根裏みたいのしか取れないと言われています。敷地が狭いため、発想も限られてしまいますが、狭い家の設計に得意な方の面白いアイデアがあれば、参考にしたいと思っています。狭さを感じさせない、広いと錯覚するような間取りプランでユニークなものがあれば教えたいただきたいと思います。それから、軽自動車ぐらいのスペースが取れればと思っています。壁や内装は自然素材を使いたいと考えていますが、まずは間取
りで何かよいプランがないか考察中です。よろしくお願いします。
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する
 





設計受注・成功事例・インタビュー

当サイトのサービスを利用して設計を受注した建築家の方にお話を伺いました。

建築家紹介サービス・株式会社 アトリエ創一級建築士事務所 宮坂英司さん

建築家紹介サービス・設計受注成功事例・インタビュー

 
実際に当サイトの建築家紹介サービスを利用して設計を受注した建築家にお話を伺いました。
 
案件名:no1336、愛知県丹羽郡K邸
 
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 株式会社 アトリエ創一級建築士事務所 宮坂英司 の写真
一宮市木曽川町玉ノ井稲荷浦39
0586-84-3551

 

建築家紹介サービスを知る前に困っていたことは何ですか?

 
ホームページを運用していたんですが、ただホームページにアクセスしても、なかなか問い合わせを出来ない方々にアクセスする方法が、何か無いだろうか?と考えていました。
 

建築家紹介サービスを知ったきっかけは何ですか?

 
どんなきっかけだったかは忘れてしまいました。(苦笑)
ただ、クライアント候補の方が、複数の建築家さんにアクセスできる良い方法だなと思いましたし、ホームページだけでなく、紙媒体でクライアント候補の方に情報を提供できるので、良いなと思って登録しました。
 

建築家紹介サービスを知ってすぐに利用しましたか?もし利用しなかった場合はどんなことが不安でしたか?

 
はい、すぐに利用しました。
 

建築家紹介サービスを利用した決め手は何ですか?

 
そうですね。
私としてはクライアント候補の方々にいろいろなアクセス方法があるのは良い事だと思っていましたし、情報を求めているクライアント候補の方に、情報を提供できる方法の一つとして、利用させて頂きました。
 

最初に依頼者からはどのような連絡がありましたか?

 
仲里さんのホームページから….という文面で始まって、お話を聞かせて下さい
という所から始まりました。
 

その後、どんな流れで契約になりましたか?

 
複数の候補設計事務所の中で悩まれて、候補の設計事務所にプランをプレゼンしてもらった上で、弊社にご決定された様です。
 
その後、何度もプランの打合せをさせて頂きまして、契約させて頂きました。
 

どれくらいの期間で契約になりましたか?

 
3ヶ月から4ヶ月だったです。
 

依頼された建物はどのようなものでしたか?

 
ガレージ併設のお住まいです。
奥様の料理教室もできるようにと、DKは広く設計させて頂きました。
 

大口町のガレージハウス

 

完成した建物はどのようなものですか?

 
コストを意識しtながらも、個性を求めた住まいです。
拘りのガレージはとても広く、リフトも設置されています。
 

建築家紹介サービスを実際に利用してみてどんなメリットを感じましたか?

 
複数の候補者からご選択頂くという事で、もちろん難しい面もあると思いますが、明確に設計事務所を求めておられる方なので、設計事務所の事をよく理解しておられますので、設計料のお話などは難しい事はありませんでした。
 
また、希望もはっきりしてみえますので、設計する側もとてもやり易いですね。
 

奈良の旧家改築

●設計事例の所在地: 
奈良県
●面積(坪): 
約45坪(改築+内装リフォーム合計)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

道路側外観全景。端から端までで一軒の家屋だが、工事対象は屋根が一段低い右半分。外観は完全保存、内部は現代の生活のためのリフォームが当初の目的であったが、老朽化が著しいことや構造的判断から、工事範囲の主な部分は改築を選択した。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

「外観は元の姿を完全に残す」「孫子の代までの耐久性」「メンテナンスの容易さ」「木の姿」「完全な精度を持つ一流の仕事」などなどでした。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

設計スタート以前に委託をお決め頂いていたので、特にはありません。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

いわゆる「古民家改修」の例です。設計初期には、まずリフォーム(全面改修)を検討しました。しかし、骨組みの腐食が進行していたことに加え、古い民家の例に漏れず軟弱地盤による不同沈下(場所場所で程度の異なる地面の沈下)がひどく、基礎を作り替えざるを得なかったことから、改築の選択となりました。ただし、外観は「完全復元」です。

その他の画像: 

正面外観。下は改築前、上は改築後。瓦が新しくなって屋根のうねりが無くなった以外は全く同じ物に見えますが、ほぼ建て替えです。復元のための詳細な実測が大変でした。

玄関内観。左は改築前、右は改築後。土間をタイル張りとし、左側の壁をふさいで玄関を飾る床の間を新設した以外は、ほぼ昔の姿を復元。

1階。下は改築前、上は改築後。古い屋敷で過去何度もリフォームが重ねられていた内装を一新。

食堂より居間を見る。全て真壁造り(柱や梁が見える造り)とし、天井は大屋根の小屋組や野地板を現しとしている。主な材木は、土台は青森ヒバ・柱梁は国産ヒノキを用いた。

1階全景。右奥は和室・正面開口の奥は台所・天井付近の開口は2階寝室の窓。

食堂より和室を見る。最も奥は道路に面した格子窓で、その内側は書院となっている。

2階。下は改築前、上は改築後。厨子二階(古民家で天井の低い二階を呼ぶ。通常納戸にしか使われない)の、棟付近の天井の高い部分を用いて寝室を置いた。採光は天窓による。天窓は開閉し、夏の熱気を排出する機能も持っている。

正面夜景。

夜景全景。格子から漏れる光が美しい。

都島のコートハウス

●設計事例の所在地: 
大阪府大阪市
●面積(坪): 
約85坪(屋内駐車場とも)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

道路側外観。間口の狭い敷地に2台分の駐車場を望まれたため、1階道路側はエントランスを除いて全て駐車場とした。立地は大阪中心部の、小さな工場や店舗・マンションなどが雑然と建つ、繁華な街並みの中である。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

「耐震性や防火性の観点から鉄筋コンクリート造を希望」「終いの住まいとしての耐久性」「コスト上の観点から真四角(長方形)の総二階建て」「部分的なコンクリート打ち放しの仕上」「膨大なレコードコレクションの収蔵と趣味の楽器演奏が可能な空間」などなどでした。 

依頼者があなたに依頼した決め手: 

ご希望は「長方形の総二階建て」でしたが、私たちが敷地の環境や採光・プライバシーを考慮してコートハウス(中庭)案をお見せしたところ、大変気に入って頂き、「これを見せられると、もう元には戻れない」とおっしゃって頂きました。たぶん、それが決め手になったのではと思っています。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

密集市街地で道路間口が狭く、三辺の隣地境界は境界一杯に老朽化した建物が建つこの敷地はまさに、コートハウスが最上の選択だと断言できる場所でした。更に、LDKなどのメインの生活空間は2階に設け、そこには中庭に向かったバルコニーや採光用のハイサイドライト(高窓)など、「都会の真ん中で自然と関われる気持ちの良い空間」をつくる各種の工夫を行っています。

依頼者の声: 

ご夫婦ともにお忙しい方で、年賀状や盆暮れのご挨拶以外しばらくご無沙汰なのですが、満足してお過ごし頂いていることと思います。

その他の画像: 

玄関より階段室を見る。階段の踊り場(突き当たり)は大きな嵌め殺し窓で、目の前に中庭の樹木が望める。

工事前の敷地を道路より見る。三辺とも、隣家がぎりぎりに建っている。

中庭全景。中庭の半分は過ごすための庭(テラス)、半分は見るための庭(植樹)とした。
中庭は、どこからも覗き込まれない完全なプライバシーを確保している。

中庭より北側主屋を見る。1階は和室2階はLDKで、その前には1階への採光のためにグレーチングで作った広いバルコニーが付けられている。

キッチンより居間食堂を見る。大きな窓の前はバルコニー。居間食堂は3.5mの天井高を確保し、天井際には採光のためのハイサイドライト(高窓)が廻っている。

2階の最も北側にある台所。写真右手にはサービス用のバルコニーも設けられている。

1階の和室より中庭を望む。

中庭よりの夜景。画面左手に階段室が見える。

道路側夜景

普段着のすまい

●設計事例の所在地: 
広島市安佐南区
●面積(坪): 
31
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

日本的な雰囲気だけどフローリングのすまいに住みたい。軒もきちっと出ていて、どう見ても日本のすまいでありたい。
これがお若い施主の当初からの要望です。
柔らかく光を拡散する紙障子は日本建築のボキャブラリーとして欠かせないものです。
紙障子、ガラス戸、網戸、雨戸は全て壁の中に引込み、広島の市街を一望できる素晴らしいロケイションを最大限に発揮できるようにとても永い時間をかけて現場に足を運び、施主と相談し、やっとたどり着いたすまいのかたちです。
和室と居間はあえてつなげませんでした。
和室の持っている雰囲気が居間と中途半端に一続きになる事で曖昧になり、そのよさが失われるとおもったからです。
施主もそのことは賛成してくださり、そのようにしてよかったといってくださいました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

遠く広島から私を見つけてくださった若いご夫婦の住まい。
優しいご夫婦とかわいいお子さん二人が健やかに育っていく、そのことを常にイメージして設計しました。
社会がクローバルになればなるほど、日本人としてのアイデンティティーを失わないで欲しい、そのためには永く引き継がれてきた日本の伝統の延長線上にある現代の住まいで、子供たちに育ってもらいたい、施主もそのことを強く望んでいました。
おじい様が建てた以前の家で使っていた瓦や、床の間の柱などは丁寧に取り外して再利用しました。

その他の画像: 

木造耐火構造でつくる木の住まい

●設計事例の所在地: 
東京都江東区
●面積(坪): 
38
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

防火地域では建替えとともに木造住宅が消えていきます。

木の住まいが好きで、そこに住み続けるための木造耐火の建物です。

以前建っていた住まいのかたちや材料利用で住まいの面影や歴史を残します。

自然材料をふんだんに使用し、構造を除き合板は使わず、無垢と手づくりの住まいです。

撮影:新澤一平

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

お祖父様が思い入れを込めて建てた住まいを取り壊しての建物です。
使えるもの、残したいものを出来るだけ使用しました。
また、形態等の面影をのこし設計でできることを行いました。

その他の画像: 

「木の温かさのある外観」

防火地域であっても、法的、実証的に検証された内容での木の使用は景観が無機質にならず、温かな印象を与えます。
外部使用ではメンテナンスが余り負担にならない箇所(雨ざらしにならない、容易なメンテナンス)でアプローチやバルコニーなどの日常見て、感じる空間に取り入れました。

「木張り外壁、木製玄関扉のアプローチ」

「思い出を残す」

建物のかたち、庭や、床柱、照明器具の再生利用、住まいの思いを残しました。

撮影:新澤一平

「無垢の木と本漆喰と和紙の住まい」

構造材はヒノキ、スギ、国産カラマツを使い、構造用合板も国産カラマツで、環境に優しい選定としております。
内部水回り、敷居などはヒノキ、その他はスギを使用しました。荒床は合板は使わずスギを使用しています。
積層材はノンポルム材です。外壁で雨がかりの少ないアプローチ、バルコニーにスギの木張り認定を使いました。
壁の漆喰は石灰、海藻、麻すさだけの本漆喰です。
天井は和紙張りです。

撮影:新澤一平

「猫間障子」

窓に障子戸というスタイルは和洋に関係なく落ち着いていて温かな雰囲気となります。
窓は景色を切り取り楽しむものでもあるため、一部だけ上げ下げで調整する猫間障子は余分な邪魔者を取り除いてくれ、景色を引き立て落ち着いた雰囲気を一層のものとさせてくれます。

撮影:新澤一平

「材料のこだわり」

畳表は豊後七島の生産者松原さん製作のもの、畳床はクライアント出身の西播の裏ござにしました。
材料に大きく関わることは、提供する安心感とともに責任感がわきます。

撮影:新澤一平

「製作キッチンよりパントリーを見る」

撮影:新澤一平

「書斎コーナーを見る 」

撮影:新澤一平

「トップライトの光を洗面、トイレに取り入れる」

撮影:新澤一平

「兄弟それぞれのロフトスペースをもつ子供室」

室内の自然ワックス塗りは塗装屋さんの指導のもと家族で行いました。

撮影:新澤一平

I-0207、平屋木造住宅新築。電磁波対策に関心のある方(大阪府)

ユーザー 静かに暮らしたい人 の写真
現住所‐都道府県: 
大阪府
現住所‐郡市区町村: 
河内長野市
依頼内容: 

平屋木造住宅新築です。電磁波対策に関心のある方を探しています。特に携帯基地局からの高周波対策です。その他電磁波対策について幅広く相談に乗っていただける知識をお持ちの方が見つからず困っています。
 
建築家の所在地について:
建築家の所在地にはこだわらない





千里のコートハウス

●設計事例の所在地: 
大阪府豊中市
●面積(坪): 
約60坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

中庭よりの外観。正面は階段室で、右(北)側は2階建てでLDKなどが入る主屋。左(南)側は平屋で、和室が離れのように置かれている。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

とにかく「居住環境」、特に、「冬暖かく、全館に温度むらが無いこと」「夏は冷房によらないでもできる限り涼しいこと」が最大のご希望でした。
 その他には、「本物の材料」「自然エネルギーの活用」などなど。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

技術的なこともプラン上のことも徹底的に何度でも説明と議論を行い、その中でお互いの信頼感を醸成できたことだと思います。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

私たちは良くコートハウス形式(中庭型)を採用しますが、住宅地や密集市街地ではそれが、安心して過ごせる庭とカーテンを閉めなくてもすむ窓を作るための最良の方法の一つだと考えているからです。
温熱環境に関しては、「床下暖房」「壁面輻射暖房」「室内対流の利用」など数々の技術を用いて、「暖かく涼しい」家造りのために最大限の工夫を行いました。

依頼者の声: 

「期待以上に暖かい」と喜んで頂きました。竣工後10年以上になりますが、今でもパーティーに呼んで頂いたり食事をお付き合いさせて頂いたりのお付き合いが続いています。

その他の画像: 

角地の敷地の、メインストリート側からの全景

玄関 + 階段室

リビングダイニングの中央は吹抜で、上空に2階のブリッジが置かれている。右に見えるのは、エレベーターシャフト。吹抜は、夏期の「室内対流」による自然冷房の要となる。

吹抜の2階部分。夏の涼しさのため、2階の各室は吹抜に向かって大きな開口を持つが、全てに引き戸が仕込まれていて随時閉鎖することも可能。

室内の空気は、人や照明などに暖められ、自然に上昇する。夏は、その上昇気流が建物最上部の窓より排出され、その分の空気は、地面付近の比較的気温の低い空気が床下で更に冷やされて室内に流入する。エアコンによらない自然冷房の仕掛けだ。

暖房機は床下に置き、1階床下をまず加熱する。床下が暖かいので1階では全面床暖房の効果がある。更に、床下の暖められた空気は全ての壁の中を上昇し、ファンを設けたエレベーターシャフトを通って床下に戻る。全ての壁内を暖めて、輻射暖房を行う仕掛けだ。

キッチンはセミオープンタイプ。ここも床が暖かく好評だが、唯一の難点は床に野菜を転がせないこと。

中庭より見た夜景。正面は吹抜部分で、1階はLDK。

玄関夜景

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