●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
敷地の解放されている側は擁壁が下りていく北と西側で、南側は隣地の擁壁が2.5Mぐらい立ち上がっています。北と西側は眺望が開け、開放的なスペースを作り上げることが可能でしたが、なにぶんにも擁壁のために実際に建てられる敷地面積が小さく、2階部分にいかに大きな床を作るかがひとつのテーマでした。ワンルーム的な空間とするために2階の内部柱をできるだけ少なくデザインしています。そして南側は、旗ざお状の敷地形状が開放部を作っていますが、その方向からいかに太陽光を取り込むかがもうひとつのテーマでした。
2階部分には擁壁まで大きくキャンティレバーで跳ねだしたデッキを設えて内部空間との一体化をはかり、南側には階段スペースを取って、その吹き抜けで1階までも光に満ちたライトウェルを作り出して、2階リビングにもたっぷりと太陽光が差し込むようにしてあります。
内装は通気性壁紙、シナ合板、むく板フローリングを多用した、シンプルでナチュラルな空間です。いわゆるオール電化住宅です。