斜めにカットされた、二つの木材。
これ。
和室の天井周りに使う部材です。
よく御覧いただくと、手前は斜めにカットされてますが、
奥は、少し形状が違いますよね。
斜めにカットして、接着剤を使えば、きれいに納まります。
でも。
こちらの工事をしている大工さんは、それを選択しませんでした。
一枚目の画像の仕組みを細かく説明するのは難しいのですが、
なんとなくのイメージが共有できるようにするなら。。
斜めになっているところは見た目を整えるためだけの加工で、
その奥が、凸と凹になっていて、両者を組み合わせると、
ガチャンとハマって、取れてこないようになります。
そういった細かな加工を、この細い部材に施してるんですよね。
何も、腕を見せつけるためではなくて、
この部材を組み合わせるためには、
この加工が一番よいということだそうです。
接着剤だと、木材の収縮等で隙間が経年で空いてくる可能性がある
そうですが、細かな加工をしたものであれば、接着剤なくても、
空いてくる可能性が低くなるそうです。
大工さんの技術ってすごい!と改めて関心しました。
和室周りの部材は、こういった加工の積み重ねで工事していくので、
普通の部屋をつくること以上に手間と時間がかかるそうです。
ただ。
こちらの現場の大工さんは、すごく手慣れた感じなので、
スムーズに進めてくれそうです。
そうそう。
大工さんと雑談している中で話題になりましたが、
真壁のしっかりとした和室って、年に1件あればいいそうで、
工事できる機会は、あまり多くないそうです。
こういった職人技は、継承していけるといいなと思いました。