相談依頼の件
当方は埼玉県春日部市で精神障害者のグループホーム(定員10人)を営んでいる****と申します。 春日部市大場にある、二世帯住宅の5LDKを、少し手直しして定員4人の日中支援型のグループホームと、定員1名の短期宿泊所を開設しようとしています。 二世帯住宅5LDKの建物は売却物件で、法人で購入するか、私の妻が一旦購入してグループホームに貸し出す方法のいずれかの方法で利用するつもりです。 春日部市の障害者支援課からは、定員4人の日中支援型のグループホームと定員1人の短期宿泊所を開設する承諾を得ており、短期宿泊所を開くにあったての意見書を出して頂ける約束もいただいております。 ところが、開発調整課では、特別養護老人ホーム・デイサービス・地域密着型サービスならいいですと言うだけで、良いとは言われませんでした。さらに、書類を揃えた上で『相談票』を提出させられました。私はあたかも、断頭台に登らされたような気持ちでした。建築課では、建築基準法上の用途変更は200㎡以内のため『用途変更は必要無い』と言われましたが、開発調整課では住宅?の用途変更が出来ないようです。 上記の状態ですが、何か良い方法が有ったらお教え願いたいので、よろしくお願いします。 建築家の所在地について:建築家の所在地にはこだわらない
家づくりは断熱などのスペックと、楽しさ・美しさを感じるエモーションが両輪となって、推進します。美しさや楽しさを感じやすいのがインテリアデザインで、中でもペンダントライトは気軽に歴史的な名品を手にできるアイテムです。「建築家の住宅ぽい」感じが一番出やすいのが、北欧の名品、ルイス・ポールセンのペンダントライト(p1)。左上のトルボーは、乳白ガラスのものを弊社作品でもたびたび使用している、名品中の名品。ダイニングテーブルのペンダントとして最も使いやすく、サイズ、照度、価格のバランスに優れ、主張し過ぎず、最近では写真のようなカラフルなものも登場しています。右上のアーティチョークや左下のスノーボールは、一度見たら忘れられないルイス・ポールセンの代名詞。最近ではあのPH50にも様々な色があって、北欧テイストなカラーリングは見るだけでも楽しめます。
面積に限りがある住宅では、ペンダントライトはダイニングテーブルの上に一つ下げることが多いのですが、最近は多灯づかいを見るようになりました(P3)。写真のカラバッジオは豊富なサイズも特色で、小は110mmφから大は550mmφまで、照度もハロピン25Wからシリカ150Wまで揃います(P3)。空間にパンチを効かせたいとき、わざと色やサイズの違うものを混ぜて使うこともあります。
ダイニングのペンダントとして使用するときには、デザインと共に照度も大切です。オシャレ度の高い海外製品のペンダントは、照度が極端に低いものが少なくありません。カラバッジオも110mmφはハロピン25W、160mmφでシリカ40Wですから、ダイニングテーブルに一灯だと夜には新聞や本は読めない明るさです。弊社ではダイニングテーブルの照度は(消費電力の表現ですが)合計で100Wを超えるように考えます。明る過ぎても疲れたり暑かったりするので、大きめのペンダントにはライトコントロールも併設するようにします。
照明には、器具一つで空間の性格や雰囲気を作り出す力があります。素敵な照明が見つかったら、毎日が輝くことは間違いなさそうです。
このコラムは、注文住宅を計画する方の参考になることを目的に、弊社の経験に基づいて書き下ろします。トピックス、技術、経験の内容は、主観に基づくことをご了承ください。
こちらは。
とある家づくりの現場ですね。
ちょうど、昨日、鉄筋の検査だったんです。
鉄筋って。
とっても大事な役割を担うんですよ。
昔の木造の家は、基礎にコンクリートは使っていても、
鉄筋が入っていなかったりしました。。
コンクリートは、とっても頑丈で、強そうなんだけど、
引っ張られる力に、あまり強くないんです。
(イメージ付かないと思いますが)
鉄筋は、引っ張る力に強い!
ということで、コンクリート+鉄筋を使うと、
いろんな力に耐えられる基礎になるわけです。
その鉄筋の量って、どうなってると思いますか?
木造2階までは、漠然とした基準のようなものがあって、
それを使えば、特に問題ありません。
(法的に、そこまで細かな基準がないので)
でも。根拠ないと不安です。
こちら見て何か気が付きました?
手前と奥で床の鉄筋の量が全然違います。
奥は、手前の2倍鉄筋が入ってるんですよ。
適当に??
いやいや。構造計算すると、こうなるんです。
基礎にかかる力に応じて、鉄筋の量って、変わるんですよね。
先ほどお伝えした基準の場合は、この床面は、
すべて手前の鉄筋でOKとなります。
大きな力が加わると。。。。
やはり、しっかりと構造計算してもらうことをお勧めします。
そうそう。
こちらの現場は、先ほどより少し進んでますね。
ここでも、チェックするのに、大事なポイントがいくつかあります。
ピョコピョコ飛び出してる棒。
わざと出してるんですからね。
この棒の位置や本数、配置が大事です。
間違うと。。。
後で大変なことになります。
なので。
昨日、私も含めて、複数の目でチェック検査しました。
こういった細かなチェック。
しっかりとできる会社って、意外に少ないかもしれませんよ。
やっぱり、第三者的にしっかりとチェックしてくれる
工事監理者(建築家)にお願いするのがオススメです。
台所流しの水が流れにくい。 浴槽の排水が遅い。いずれも排水管が詰まる時に起こる、典型的な症状です。原因は排水管の中に油分や家庭ゴミが堆積して、水の流れが細くなること。排水管に流れた油分は、排水に含まれる他の成分と結びついて固形に変化し、管を塞ぐことがあります。完全につまってしまうこともあり、対策としては、専門業者による排水マスや管の高圧洗浄が挙げられます。困ったことに、風呂掃除や流しの清掃をこまめにしても、定期的に発生することがあります。防ぐ方法はあるでしょうか。
水道屋さんや専門業者さんの話を総合すると、以下のようになります。①「ゴミや油を流さない。」②「多めに水を流す。」③「マメにパイプマンする。」④「定期的に大量の湯水を流す。」
①は言うまでもないことですが、廃油は固めて捨てる、調理器具は油をペーパータオルで拭いてから洗う、などは常識としたい点です。
②多めに水を流す・・・これが意外な盲点で、今日的なポイントのように感じました。省エネが良識として定着した結果、器具は節水型、消費者は節水志向となり、排水管が円滑に機能しにくい現象が発生している・・・ようなのです。トイレ、シャワーヘッド、キッチン混合栓・・・言われてみれば「当社従来品と比較して・・%マイナスを達成」の表示が目に付きます。それが排水管の故障につながるとしたら、進化の皮肉ですね。軽減措置としては、水周りを使い終わったら最後に多いかなと思う程度の湯水を流す、だそうです。
③は分かっていてもつい忘れがち。毎週日曜の夜とか、定期イベント化しておくと良さそうです。
④定期的に大量の水を流す?②と③の総合みたいなことですが、やはり月一回程度、台所流し一杯にはった湯水を一気に流すのがいいとか。
結局、節水に逆行するようですが、「水を流す」に尽きるようです。省エネは持続可能な地球環境への大切な知恵ですが、専門業者に依頼するコストやその際に消費するエネルギーを考え合わせると、持ち家の排水管の持続可能性もまた、大切な事柄のように思えます。
寒さを感じない、暖かい家にするポイントは、断熱、気密、適切な暖房。ところで、「寒くない」とはどういう状態でしょうか。寒くないとは、体温を奪われないこと。周囲を構成する物質の温度が低いと、人体から体温が奪われて寒く感じます。真夏に地下室や鍾乳洞に入るとひんやりする、あの現象です。真冬の建物は外気温の影響で、室内の床・壁・天井まで温度が低下することで、寒く感じやすくなるのです。年間を通した心地よい室内環境を作るには、外気温に左右されにくい断熱と気密が重要と言われる所以です。ところで、熱は温度の高い方から低い方に移動する、と言われます。
熱移動は、対流、伝導、輻射(放射)の3種類。日本の住宅で最もポピュラーなルームエアコンは、空気を温める対流式です。メーカー各社の努力で省エネ、自動清掃、タイマー運転、機種によっては加湿など、高機能製品が揃います。ただ、乾燥や足元との温度差、風切音が気になる場合もあります。エアコンと24時間換気を融合することで新しい快適性能を実現したのが、全館空調です。年間を通して温度調整済みの空気を各部屋に供給することで建物温度を一定に保ち、対流式でありながら輻射効果も併せ持ちます。大変快適でオススメですが、コストや空間など実現が難しケースもあります。
熱移動の続きをお話ししましょう。物質から物質へ移動する熱は、輻射熱と言います。この輻射熱を利用した暖房が、蓄熱暖房や温水式やオイル式のパネルヒーターで、最近では輻射(放射)式の冷暖房システムも浸透してきました。輻射熱を利用した暖房は、人体に直接到達して体感温度を得る効果と、床・壁・天井を温めてその二次輻射により体感温度を高める効果があります。格子状のサーモエレメントを室内に設置する方法と、土間や基礎下の土中など建物下部を温める方法があります。輻射式の暖房システムは「春のような暖かさ」と謳われていることが多いのですが、エアコンの乾燥や風切音がなく、温度の室内高低差も感じられず、建物の中にいると冬であることを忘れる自然な暖かさを実現します。高気密高断熱の住宅では、水蒸気を発生しない輻射熱を利用した暖房が欠かせないからです。大変心地いいシステムですが、深夜電力の新規契約がストップしたいま、同様の快適さでコストパフォーマンスにも優れたシステムを検討しています。空調と換気両方の機能を兼ね備える全館空調、サーマスラブ、温水で蓄熱層を形成するヒートコア、格子状のサーモエレメントで冷暖房できる輻射式の冷暖房システムなど、ランニングコストにも優れた商品が多数あります。断熱気密効果や敷地の環境特性、予算まで総合的に検討して、最適な室内環境を追求しましょう。
古い母屋と近年増築された離れがあり、娘夫婦と子 供二人が離れと一部母屋を改修して一体で使えるようにしました。一部母屋を新たに子供室として離れとつなげ、母 屋・離れ間の段差を利用してスキップフロアとして階段コーナーをベン チや本棚、テレビ棚として使えるようにしている。勾配天井にして広く なったLDKは小屋裏だった空間をロフトにしてアイランドキッチンを中 心とした漆喰塗の空間とし、それによって風通しがよくなった。床の 板が新たに増築した外部テラスまで続いていく。テラスからは庭から続く 裏山が間近に臨める。
冬寒く夏暑いのをなんとかしたいのと広いLDKにしたい、子供室が欲しいとのことでした。
建築家相談会で気に入って頂けたとのことです。
リフォームをしようと思われたのは結露がひどい冷暖房が効かない状況を改善するためで断熱性能を向 上させる計画にしました。段差の部分には断熱材が何も入ってないようでしたので断熱材を入れて気密性を良くし、床も冷たさを感じないように杉の無垢板を貼りました。
LDKの天井がフラットから勾配天井に変わって「広々としたLDKになって良かった」とのことでした。「結露もせず快適に過ごせるようになった」とのことです。
段差を利用したベンチまたTV棚。この段の下は1階の下屋になっており断熱材が入ってなかったので断熱材を入れ杉板で覆って断熱性を良くした。
アイランドキッチンと高さを揃えたダイニングテーブル。LDKを見渡す。
キッチンとテーブル。一体として使用できるようにキッチン部分の床を13cm下げている。
LDK。テラスと一体感があり裏山が望めます。
段差を利用した本棚やギャラリーと上部ロフト。本棚コーナーは子供室と連続していて階段に座って本を読んだりできる。
スキップフロアの段を上がったところに子供部屋がある。子供部屋は2室がつながっているので今は1室をデスクコーナー、もう1室を寝室として使っている。2室を個室として利用できるようにリビングからつながる廊下もある。
洗面所から簾戸越しに見えるLDK。爽やかな風が入ってくる。
リビングと一体となったテラス。
ロフト。
階段下ギャラリーからライトアップ。
2016年4月14日と16日に起きた最大震度7の連続大地震は、熊本県益城町の中心部に、重大な被害をもたらしました。右の円グラフをご参照ください。木造住宅の建築時期と損傷率を比較したものです。右二つが2000年6月以降の新耐震基準で建てられた住宅の損傷比率で、無被害の割合が大きいことが見て取れます。
建築基準法で建物に求められる耐震性能は、『大地震に対して倒壊・崩壊せず、人命が守られること』とされます。意味するところは、『建物が崩れ落ちない』『中にいる人は逃げ出せる』。『命を守る』と言う目的は、過去の震災から得られた貴重な教訓ですが、これから家を建てる方は、耐震等級1の求める基準は『住み続けることができる』ことが目的ではない点に、ご留意いただければと思います。
今回の地震では、近隣に倒壊と全壊が見られるなか、被害がほぼなかったか、あっても軽微で地震後も住み続けることができた建物が十数棟あることが報告されています。それが円グラフの一番右、『耐震等級3』の建物です。耐震等級3の建物は、建築基準法で求める耐震等級1の建物より、1.5倍の耐震性能があると言われます。高性能になることで、工事費もアップします。大地震が来た時に命を守ることができる家か、その後も住み続けることができる家か。工事費を増額して大地震に備えるべきか、保険でカバーできると考えるか。家を建てる前に、考えたいポイントです。
先日、「天井から水滴が。」とのご連絡があり、慌てて、竣工物件に駆けつけました。木造住宅に大きなダメージを与える漏水、まず雨漏りを心配します。調査の結果、原因は雨漏りではなく、天井ふところでの結露と判断しました。
その数日は雪が降り続き、屋根に数十センチの雪が堆積していました。お施主様は二階の部屋を暖房で温めて、長時間を過ごされていました。よくあることですが、寒いので換気扇は止めたままだったそうです。室内の空気が温められて上昇し、換気扇から外部に排出されることなく、天井ふところに侵入します。雪が堆積した屋根からは、冷たい空気が天井内部に侵入します。屋根からの冷たい空気と、室内からの暖かい空気が、天井内部の断熱材の表面で出会います。その結果、天井断熱材の表面に結露が起こり、発生した水滴が断熱材の隙間から天井面に漏れ出したのです。再発防止に、室内の換気を続けていただくようお願いしました。
生活には水蒸気の発生がついてまわります。人体から、暖房から、洗濯物から、給湯や調理から。生活のあらゆるシーンで水蒸気が発生する上に、気密度が上がった建物は自然に空気を排出する仕組みがありません。シックハウスなど素材の揮発成分が問題になった背景にも、換気不足がありました。そこで、2時間に1回は室内の空気が入れ替わる24時間換気も義務付けられました。ところが、換気の重要性があまり浸透していないからか、節電目的で換気扇を消してしまう人は後を絶ちません。省エネにつながる節電はとても大切な生活の知恵ですが、木造住宅を長持ちさせる換気も、同じくらい大切な生活の知恵なのです。
換気が大切なのは、断熱材に湿度を与えないためです。木造の骨組である柱、梁、土台の素材は木で、長期間湿度にさらされると腐食やカビが発生しやすくなります。壁の内側で断熱材に接する柱や梁に湿度を触れさせないために、室内側での換気が重要になります。家のアンチエイジングは、換気でなされると言っても過言ではありません。
最近では、室内側に防湿シートを施工して、室内の湿度が壁体内や天井に侵入しないよう施工したり、壁体内に通気層を設けて壁の内側を結露させない「外壁通気工法」も定着しています。全ては壁や天井内部を乾燥状態に保ち、柱や梁の軸組を守り、家の寿命を永らえるためです。
ご自宅の換気扇、今も回ってますか?
住宅の居住性や建物の耐用年数に大きな影響を与える断熱。大切なことはわかるけど、じゃあ何がいいの?と聞かれたら、建築家的には、家を建てる目的やご予算を総合的に判断して最適のバランスを選んでください・・・と、簡潔でない返答をしてしまいます。断熱は大切ですが、家を構成する多くの要素の一つ、とも言えるからです。ごめんなさい、物事を単純化しないから聞きづらい専門家の返答の、典型的なパターンですね。そこでコラム上の話題として、断熱にしぼってお話しします。
わたしの経験から言うと、木造住宅の躯体では吹き付けの充填断熱と外張り断熱、基礎または床断熱を併用し、開口部は最小にしてペアガラス以上の断熱樹脂サッシ、断熱ドアを使用する。ダブルバリアを中心としたトータルな外皮形成で、木造住宅の断熱性能は最高レベルに到達できます。弊社の物件事例では、真冬もエアコンの暖房だけで十分暖かくなりました。
木造住宅の断熱は、柱間にグラスウールなどの断熱材を挟む込む充填断熱が一般的です。コストと工期のバランスが良く、つまり安くて施工が早いため、工務店やハウスメーカーで多く用いられています。欠点は、配線周囲や鋭角部など充填できない部分が発生してしまうことや、壁や天井の中で断熱材がズレる可能性、部屋内の断熱のため室内の湿度の影響を受けやすいこと。断熱材の隙間に結露が発生しやすく、壁体内の湿度は柱や梁のカビや腐食の原因になりやすい上に、断熱性能も低下。そんな負のスパイラルに陥るリスクがある、と言われます。
充填断熱の欠点を克服できるのが、吹き付けや吹き込みにより断熱層を作る方法です。吹き付け断熱のアイシネンやソフティセル、吹き込み断熱のセルロースファイバーなどの言葉をお聞きになったことがあるででしょうか。これらは柱や壁下地への吸着性が高いため壁の中での断熱材のズレが起こりにくく、高度な断熱性能を求める注文住宅でよく行われる工法です。
吸着性の高い吹き付け断熱ですが、断熱層は柱間に施すため、柱の外側は断熱されません。 柱や梁も経年変化で収縮することがあり、柱の外側が外気温を壁体内に呼び込むヒートブリッジになることがあります。それを防止するのが、柱の外側から断熱材を貼り付ける外張り断熱です。吸着性の高い柱間の吹き付け断熱と、柱を外からカバーする外張り断熱のダブルバリアを、強力にお勧めする理由です。
もちろん、断熱は壁・天井・床面だけではありません。窓や玄関ドアの開口部からも、室内の熱は失われます。最近では断熱サッシのラインナップも充実してきました。ペアガラス、アルゴンガス入り、樹脂サッシの3点は、開口部断熱のスタンダードになりつつあります。
日差しの色が温かみを帯びた、早春のようなこの冬。それでもきっとやってくる寒い冬を覚悟して、寒くない家について考えます。住宅のご相談で一番切実なのが、「寒いのはイヤなんです!」というご相談。この季節、弊社のお施主様は真冬を暖かく過ごされたかなあ、と思いをはせます。
さて、冬を暖かく過ごせる家作りのポイントは3つ。第一は、外気温が下がっても室内温度が影響されない高い断熱能力。第二は室内の暖まった空気が外に逃げないように防御する換気システム。そして最後が暖房能力です。
断熱と言っても天井・床・外壁・窓などアイテムは多岐にわたり、換気、暖房のいずれにも多くの商品や技術・選択肢があり、それぞれに長所も短所もあります。また木造と鉄筋コンクリート造、鉄骨造など、構造によっても最適解は異なります。設計事務所といえどすべてを経験し知り尽くしているわけではありませんが、これまでの経験から木造住宅に最も効果があった「わたしの一押し」をご紹介します。
1 断熱外壁と屋根の断熱は、ダブルバリアが最も高い効果を示しました。柱間への吹き付け断熱と、その外側に断熱材を張りつけるダブルバリア。基礎断熱と樹脂サッシを組み合わせて、最高レベルの断熱性能が完成しました。
2 換気システム換気は家の寿命を変える可能性さえある、木造住宅の重要な設備です。ところが冬季には、暖房で温められた空気を排出し冷たい外気を取り込むことで、暖房効率を下げることがあります。換気システムなら、熱交換器付の換気ユニットで空調効果を損ねずに換気することが可能になります。
3 暖房暖房設備のイチオシは、実は暖房ではなく、全館空調システムです。上記の換気システムに空調機能をプラスしたシステムが開発され、温度調整された空気を各室に供給して換気と空調を一挙に解決する、と言う考え方。天井フトコロが広くなる、階高や軒高の制約が生まれる、シーリングファンや連動型のレンジフードなどコストアップしやすい、フィルター掃除の手間がかかる・・・など誰にでもお勧めできるものではありません。ただ暖房に限れば、これまでのところこれが一番高い効果を示した、と言えます。
簡単に住宅の暖房設備をご紹介します。・ヒートポンプ式の壁掛けエアコンもっともポピュラーな空調で、いわゆるエアコンです。調湿効果や清掃機能など品質の高さと省エネ性能に優れます。暖気が上昇しやすく風の音と流れが明白です。・薪ストーブ炎の暖かさだけでなく火の癒し効果、自然に家族が集まる演出効果が抜群。ただ炎は水蒸気を排出するので、高気密高断熱の住宅では必ず換気とセットで使用する必要があります。設置コスト、ランニングコストともに高めで、煙突そうじ、薪割りなど使い続けるには相応の覚悟がいりそうです。・バイオエタノール暖炉最近話題のバイオエタノール燃料を使うエコスマートは、薪ストーブの問題点をクリアした新しい暖炉です。設置コストが高く、暖房器具ではなく演出器具という位置付けです。デザイン性の高さも大きな魅力ですが、暖房かインテリア雑貨か、熟慮を求められます。・蓄熱暖房機や床下暖房深夜電力で蓄熱層を温めて放熱する暖房設備で、輻射熱の自然な暖かさが大変快適です。水蒸気やCO2を排出しないクリーンな暖房として、環境面でも優れた特質があります。 一方で深夜電力料金の割引率が低下し、ランニングコストは上昇中です。
いずれも一長一短があり、単純にこれが一番とは決められません。最高の断熱、最高の換気と暖房を組み合わせると、コストアップも必至。断熱・換気・暖房はそれだけで考えるより、家全体の予算や家を建てる目的を総合的に判断して、住む人に最適なバランスを見つけたいものです。
家作りに役立つ情報をお送りします。ぜひご登録ください。
このサービスを利用する前はこのサービスを利用する前は法人の希望に合った建築士に巡り合えるかということにということに困っていました...
申し訳ありませんが、現在、先にご連絡頂いた方とお話しをしてと考えており、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
初めてで何から手をつけたらいい状況の中、わざわざ遠方から相談だけのために駆けつけて頂きました。結果的にはリフォームはせず、住み替えという選択肢を選びましたが、...