チトセメガネの設計で工夫した点がありましたら教えてください
チトセメガネでは建て替え前の店舗より狭くなるということで、全体に補聴器検査室以外は空間がつながっています。
検眼室も独立したものは設けていません。
あるていど商品陳列スペースとつながっていてもよいという方針で、ガラスのパーティションにケースメントを使った間仕切りという設計にしました。
補聴器室は防音の配慮が必要ですので独立した空間が必要ですが、使用していないときには中が見えやすいように引き戸にして普段は開けておけるようにしました。
これらのことで狭さはある程度克服できたと思っています。
以前の店舗でも使っていた陳列什器(米松)を生かしたいというお話でしたのでクリーニングをして島型の陳列什器として使っています。
そして同じ米松という素材を壁面に使い調和を図っています。
これは一部に穴をあけて吸音効果を持たせています。
また、鏡は壁面のディスプレイシステム(オカムラ/インヴィジブル6)を使ったLED照明部分との間に設けて、お客様が手に取った商品をかけてみてすぐに確認できるようにしています。
接客カウンターは設けずに陳列を兼ねた小さいテーブルをつくりここで出来上がったメガネの装着具合を確認していただくようにしています。
加工室からは熱線反射ガラスにより売り場を見ることができますが、売り場からは加工室が見えにくいというようにしてあります。
賃貸ビルの1階ですので、ビルそのもののファサードをどれだけうまく使うかということでもいろいろと工夫しました。
まず防犯上のシャッターがありませんでしたので、自動ドアを入ったすぐの部分を閉店後はショーウィンドウとして使うアイディアを提案しています。
両サイドの柱型にはLEDの演出パネルを組み込み一部に映像モニターも組み込んで所謂デジタルサイネージとしてメッセージ性の高いショーウィンドウとしての効果を一段と増しています。
柱と柱との間は紗幕を垂らしてショーウィンドウの背景としています。
またこの部分の床はビルオーナー側の工事で仕上げてありましたので、それをそのまま使っています。
これは奥の売り場部分のカーペットとの対比で、ある種のゾーニングができていていますのでこれはこれでよかったかなと思っています。
また屋号の表示にもいろいろと気を使いました。
なにしろそのような表示ができる部分がありませんでしたので。