●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
1階平面
前面道路を動の空間とすると、居室には静の空間が求められます。「静」をつくるために、道路に面した駐車スペースと居室の間には中庭を設けました(緩衝体)。そして、駐車がしやすいこともハンディキャップを持つ建築主には大切なことです。
これらの機能を、前面道路からヒエラルキーをつけるように、リニアに配しました。
2階平面
中庭を中心としてコの字形に開いた居室を配置し、外に向かっての開口部は、光や風、あるいは空といった自然を感じられる空間となっています。
外壁はフロストガラスによるダブルスキンを使用しています。それにより空気層が密閉され、断熱性能を通常の2倍近くまで向上しました。
駐車スペースから流れこむ風
すべての居室は中庭に向かって開放されており、溢れる光を感じることができます。また駐車スペースからは心地よい風が流れ込み、光と風が快適さと幸福感を与えてくれます。
自然との一体感を感じるために、床と天井には天然木の無垢シルバーパインを使い、蜜蝋ワックスを染みこませて仕上げました。また木の表面に膜をつくらないことで木が本来持っている調湿効果を発揮しますので、湿度の高い日でも爽快に過ごせます。もちろん、自然素材を使うことはシックハウスの配慮でもあります。
3方向のガラススクリーン
リビングの3方向をガラスにした構成は、リビングから中庭を眺めるというより、中庭の中で過ごしている感覚を作り出し、開放感を与えてくれます。
床冷暖房
各居室は2重床を採用し、その空間を利用して空気を流し、床冷暖房としています。部屋全体を冷やしたり温めたりする必要が無いため、効率も良く、何より身体にやさしい快適な冷暖房となっています。