ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

土地や環境を見ていると、

「いま、この感じがとてもいい」

そう思う瞬間があります。

 

季節の光。
たまたま静かな時間帯。
抜けた景色。

 

そのときの印象が良いと、
気持ちは一気に
前に進みます。

 

それ自体は、
決して悪いことではありません。

 

ただ、
設計を続けていると、
少し立ち止まって
考えたくなる場面があります。

 

それは、

「この魅力は、
 どれくらい続きそうだろうか」

という問いです。

 

たとえば、

今は空いている隣地。
今は低い建物。
今は人通りの少ない道。

 

それらは、
たまたま「今」そうなっている
状態かもしれません。

 

数年後、
環境が変わったとき、

その土地の印象は
どう変わるでしょうか。

 

「今だけの魅力」は、
判断を後押ししてくれますが、

同時に、
判断を急がせる力も
持っています。

 

勢いで決めてしまうと、
変化が起きたときに、

「思っていたのと違った」

という気持ちが
生まれることがあります。

 

設計の場では、

今の魅力を
否定することはしません。

 

ただ、
その魅力に
すべてを委ねてしまわないように、

別の視点も
そっと添えるようにしています。

 

この魅力が
失われたとしても、

それでも
落ち着いて暮らせそうか。

 

景色が変わっても、
音が増えても、

家の中に
居場所は残るか。

 

「今だけ」を
楽しみながら、

「その先」も
受け止められるかどうか。

 

そのバランスを
考えておくことが、

あとから
暮らしを支えてくれます。

 

今の魅力に
心が動くのは、
とても自然なことです。

 

だからこそ、

引きずられすぎないように、
一度、時間を置いてみる。

 

少し距離を取って
もう一度見てみる。

 

その余白が、
判断を
静かに整えてくれることも
多いように感じます。

 

「今だけの魅力」を
大切にしながら、

それに
すべてを預けない。

 

その姿勢が、
長く心地よい
家づくりにつながっていくのだと
思っています。

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

【図面の前に、価値観を整える】

間取りで迷わないために、

本当に必要な順序の話・・・・・。

家づくりを考え始めると、

多くの方がまず「間取り」から考えます。

・何畳のリビングにするか

・収納はどれくらい必要か

・キッチンは対面か、アイランドか

・吹き抜けは必要かどうか

けれど私は、

図面を描く前に

必ずお聞きすることがあります。

「どんな暮らしを増やしたいですか?」

家づくりは、

建物を建てる行為ではありません。

人生の時間の使い方を再設計する行為です。

だからこそ、

価値観の整理が何よりも先にあるべきだと

私たちは考えています。

なぜ、夫婦は家づくりで迷うのか

注文住宅の設計相談を

お受けしていると、

必ずと言っていいほど、

こうした言葉を耳にします。

「意見が合わなくて……」

「話し合うと、つい感情的になってしまうんです」

ですが、家族の中での意見対立

そのものが悪いわけではありません。

むしろそれは、

真剣に考えている証です。

問題は、

価値観が整理されないまま

選択に入ってしまうこと。

・土地は利便性を取るか、環境を取るか

・予算は余裕を持つか、理想を優先するか

・間取りは今基準か、将来基準か

・デザインは落ち着きか、明るさか

これらはすべて、

「暮らしの前提」に関わる問題です。

前提が共有されないままでは、

どれだけ話し合っても結論は揺れ続けます。

これがいわゆる

間取り迷子状態です。

家づくりは「生活の器」を整えること

住まいは、ただの箱ではありません。

朝の光の入り方。

帰宅後の動線。

家族との距離感。

静けさの質。

空間は、感情に影響します。

環境心理学では、

動線のストレスや視線の圧迫が

無意識の疲労に

つながることが示されています。

つまり住まいは、

暮らしの質と人間関係に左右する

存在なのです。

だからこそ、

設備や仕様を決める前に、

「どんな時間を過ごしたいか」

を共有することが重要になります。

価値観を整えるための問い

やまぐち建築設計室では、

図面の前に「対話の時間」を設けています。

例えば、こんな問いです。

・新しい住まいで、増やしたい時間は何か

・減らしたいストレスは何か

・平日と休日の過ごし方はどう変えたいか

・家事負担をどう軽くしたいか

・子どもとの距離感をどう保ちたいか

・来客との関係性をどう考えるか

・将来の変化にどう備えるか

・住宅ローン返済で安心できるラインはどこか

正解はありません。

大切なのは、

互いの「理由」を知ること。

理由が見えると、

妥協ではなく調整ができます。

対立は、

理解へと変わります。

家づくりの順序を間違えない

家づくりで後悔が生まれるとき、

多くは順序が逆になっています。

間取りを先に決め、

あとから価値観を合わせようとする。

しかし本来は、

価値観を整え、

その先にプランをカタチにする。

この順序が、

住まいの質を決めます。

100%を目指す必要はありません。

大切なのは、

選ばなかった理由を言葉にできること。

「駅近は選ばなかったが、家族の時間を優先した」

「広さより、家事動線を選んだ」

その納得があれば、

住まいは揺らぎません。

家づくりは、人生を見直す時間

家づくりは、

忙しい日常の中で一度立ち止まり、

本当に大切にしたいものは何かを

見つめ直す機会でもあります。

何を増やし、

何を減らすのか。

住まいは、

その答えを受け止める器です。

やまぐち建築設計室が

大切にしていること・・・・・・

私は、図面を描く前に「対話を設計」します。

光と影。

距離感。

余白。

それらはすべて、

暮らしの哲学と結びついています。

住まいは、

問いを育てる場所であってほしい。

そう願っています。

もし今、

「何から始めればいいのかわからない」

「間取りを考えるほど不安になる」

そう感じているなら、

間取り検討の前に、

少しだけ立ち止まってみてください。

「どんな暮らしを増やしたいか?」

その問いに向き合う時間こそが、

家づくりの本質となります。

住まいは、

建てた瞬間が完成ではありません。

人生とともに、

静かに成熟していくものです。

価値観を整え、

その先にプランをカタチに。

その順序が、

きっとあなたの家づくりを変えます。

やまぐち建築設計室は、

間取り相談の前に

「暮らしの対話」から始めています。

家づくりに迷いを感じている方、

まずは価値観の整理から

始めてみませんか?

家づくり、

少し立ち止まって考えてみたい

そんな方の目に、

そっと届けば幸いです。

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
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I-5218、駐車場上デッキの架け替えに伴う設計・確認申請(神奈川県)

ユーザー yokoeku の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
神奈川県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

駐車場上デッキの架け替えに伴う設計・確認申請
既存の木製デッキを解体撤去し、
新たに鉄骨造・人工木仕様のデッキを設置する計画です。
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

土地探しをしていると、

「この条件なら、
 将来も安心ですよね」

そんな言葉を
耳にすることがあります。

 

日当たり。
眺め。
静かさ。
周囲の環境。

 

どれも、
大切な条件です。

 

でも、
設計を続けていると、
ひとつの前提に
立ち返ることがあります。

 

それは、

「永遠に続く条件は、
 存在しない」

 

という考え方です。

 

どんな土地も、
どんな環境も、
時間とともに
少しずつ変わっていきます。

 

日当たりは、
周囲の建て替えで
変わるかもしれない。

 

静かさは、
街の使われ方で
変わるかもしれない。

 

眺めは、
ある日突然
遮られることもあります。

 

それは、
悲観的な話ではなく、
ごく自然な現実です。

 

街が動き、
人が暮らし続ける限り、
条件は固定されません。

 

だからこそ、
「この条件があるから安心」
という考え方だけに
頼りすぎないことが
大切だと感じています。

 

設計では、

条件が変わっても、
家の中に
落ち着きが残るように、

 

外部に依存しすぎない
居場所をつくる。

 

変化を受け止められる
余地を残す。

 

そうした考え方を
重ねていきます。

 

永遠の条件を
探すのではなく、

 

変わることを
前提にした
暮らし方を
整えていく。

 

その方が、
結果として
長く安心して
住み続けられることが
多いように感じます。

 

条件は、
今を判断するための
材料にはなります。

 

でも、
未来を完全に
保証してくれるものでは
ありません。

 

永遠の条件は存在しない。

 

その前提に立つことで、
土地の見え方や、
家づくりの考え方は、
少しだけ
現実的で、
少しだけ
やさしくなるように
思います。

 

変わらないものを
探し続けるよりも、

変わっても
大丈夫な関係を
どうつくるか。

 

そこに目を向けることが、
これからの家づくりには
大切なのかもしれません。

I-5217、ユニットハウスを建てたい(広島県)

ユーザー ken5217 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
広島県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

お世話になります。
新たに造成した土地にユニットハウスを建てたいと考えております。
ユニットハウス販売業者さんからは、建築確認申請の為の図面などの情報はお渡しするので、代行してくれる建築士さんを自分で探してくださいと言われました。
ご対応いただける方を探しております。
何卒よろしくお願い致します。
 
建築家の所在地について:
建築家の所在地にはこだわらない





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

土地を見に行ったとき、
周囲の建物が
今のまま続くように
感じてしまうことがあります。

 

低い家が並び、
空が広く見えて、
落ち着いた雰囲気がある。

 

「この感じ、
 ずっと続きそうですね」

そう思えると、
安心感も増します。

 

でも、
街を少し引いた目で見ると、
別の可能性も
静かに見えてきます。

 

周囲の家が、
築何十年か経っていれば、
いずれ建て替えの時期が
やってくるかもしれません。

 

平屋だった建物が、
二階建てや
三階建てになることもあります。

 

用途が変わり、
住居以外の建物が
建つこともあります。

 

それは、
特別なことではなく、
ごく自然な
街の更新です。

 

土地を選ぶときに
大切なのは、

「今、どう見えるか」
だけでなく、

「変わったとき、
 どう受け止められそうか」

を、
少し想像してみることだと
思っています。

 

すべてを
正確に予測することは
できません。

 

でも、
まったく想像しないまま
決めてしまうのと、

「こうなったら、
 少し困るかもしれないな」

と、
一度考えておくのとでは、
受け止め方が
大きく変わります。

 

設計の中では、

周囲が変わったときにも、
家の中に
落ち着きが残るように、

 

視線の方向を
一方向に固定しない。

 

外に頼りすぎない
居場所をつくる。

 

そんな工夫を
重ねていきます。

 

周囲の建て替えは、
避けられない変化かもしれません。

 

だからこそ、
それを前提に
考えておくことが、

後ろ向きな準備ではなく、
とても現実的な
判断につながります。

 

街は、
人の暮らしと一緒に
更新されていくものです。

 

その流れの中で、
自分たちの家が
どうあり続けたいのか。

 

周囲の建て替えを
想像することは、

不安を増やすためではなく、
暮らしを長く守るための
ひとつの視点なのだと
感じています。

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

環境が人生の質を決めるということ

奈良で住まいを考える皆さまへ。

最近あらためて

思うことがあります。

環境は、本当に大切だということです。

努力や能力はもちろん大事です。

けれど、

その土台となる「環境」が整っていなければ、

本来の力は十分に発揮されません。

住まいも同じです。

どんな家にするか。

どんな間取りにするか。

その前に、

どんな気持ちで毎日を過ごしたいのか。

ここを見つめることが、

実はとても大切です。

人は、空間に影響されている

朝の光の入り方。

玄関に立ったときの空気感。

ダイニングで交わす会話の響き。

それらは目立たないけれど、

日々の感情を静かに整えています。

視線が抜ける空間では、

自然と呼吸が深くなります。

素材が柔らかく

光を受け止める住まいでは、

言葉も穏やかになります。

これは偶然ではありません。

空間のつくり方によって、

暮らしの質は変わります。

上質とは、静けさのこと

「上質な住まいにしたい」と

おっしゃる方は多いです。

しかし、

上質さとは何でしょうか?

広さでしょうか。

豪華さでしょうか。

やまぐち建築設計室が考える

上質さは、

もう少し静かなところにあります。

・光がやわらかく回ること

・視線が遠くまで抜けること

・素材が時間とともに深みを増すこと

・家族の気配が自然に感じられること

これらが整うと、

住まいには「落ち着き」が生まれます。

落ち着きのある環境は、

人の判断や関係性にも

良い影響を与えます。

住まいは、

人生の質を支える環境です。

奈良という土地で

住まうということ・・・・・。

奈良には

独特の静けさがあります。

歴史の重なり、

四季の移ろい、

自然との距離の近さ。

住まいをつくるということは、

その空気に調和する

環境を整えることでもあります。

私たちは、

和モダンの美意識を基盤に、

素材と陰影を大切に設計しています。

主張しすぎず、

けれど確かな存在感を持つ空間。

それが、

長く愛される住まいに

つながると考えています。

住まいづくりをご検討中の方へ

もし今、

家づくりをお考えでしたら、

まずは間取りの前に、

「どんな時間を大切にしたいか」を

一度ゆっくり考えてみてください。

朝、どんな光の中で目覚めたいか。

帰宅したとき、

どんな空気に包まれたいか。

休日、どこでくつろぎたいか。

その答えが、

本当に必要な住まいの形を

教えてくれます。

住まいづくりは、

暮らしの意味を宿す

環境づくりです。

環境が整えば、

人生の質は静かに整っていきます。

どんな家を建てるかの前に、

どんな環境で生きたいのか。

その問いから、

住まいづくりは始まります。

家づくり、

少し立ち止まって考えてみたい

そんな方の目に、

そっと届けば幸いです。

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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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I-5216、どこにリフォームを頼んだらいいのか……(兵庫県)

ユーザー チョキ の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
兵庫県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

はじめまして
2年前、兵庫県西宮市で新築住宅を建てました。
土地27坪、床面積120㎡、3階建て、床下断熱、各部屋ダクトレス第一種換気、大阪ガスのソラエネ(太陽光、エネファーム)、C値0.8、吹抜けあり、東側吹抜け3階に2m四方のfix窓、2階南側に2m2.5mの掃き出し窓(他にも窓が多いと思います)、長期優良住宅です。
 
まだ新築2年目ですが、玄関先から1階がとても寒く、床下から寒さが伝わってくるような感じです。1階にあるお風呂、洗面、ファミリークローゼットを使うのがなかなか厳しいです。
入居直後に上の不満を言いましたが、工務店からは、リフォームよりもエアコンを付けっぱなしにして、調整する方が安上がりだと言われました。
 
窓もトリプル樹脂サッシにしたかったのですが、関西地方ではそんなの必要ないと言われて、ペアガラスにしたのですが、今冬は寒く、窓から冷気が入ってきています。
 
建築を請け負った工務店は今年倒産してしまいましたので、どこにリフォームを頼んだらいいのか、図面もありませんので、不安だらけです。
 
資金的にも余裕があまりありません。全体的にどれくらいの費用がかかるのか不安でもあります。まだ2年目でリフォームをすべきなのか、このまま我慢してエアコンで対応するのか悩んでいます。
 
同様の内容を他のサイトでも投稿しましたので、お許しください。
よろしくお願い申し上げます。
 
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ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

土地や周辺環境を見ていると、

「いまは、とても良いですね」

そう感じる瞬間があります。

 

静かで、
日当たりもよく、
周囲の建物も低い。

 

暮らしを想像すると、
不安よりも
期待の方が
大きく膨らみます。

 

でも、
少しだけ時間を
先に進めてみると、

 

「この環境は、
 数年後も
 同じだろうか」

 

そんな問いが
浮かんでくることがあります。

 

街は、
ゆっくりと
姿を変えていきます。

 

隣の敷地が
売りに出されるかもしれない。

 

空き地に
新しい建物が
建つかもしれない。

 

道路の使われ方や、
人の流れが
変わることもあります。

 

それらは、
いまの時点では
はっきりとは
分かりません。

 

だからこそ、
「いま良い」という評価だけで
判断してしまうと、

あとから
気持ちが追いつかなくなることも
あります。

 

設計をする立場として、
私が大切にしているのは、

 

「環境が変わったとき、
 この家は
 どう感じられるだろう」

 

という視点です。

 

静かだった場所が、
少しにぎやかになったとき。

 

開けていた方向に、
建物が建ったとき。

 

それでも、
暮らしの中心が
揺らがないかどうか。

 

すべての変化を
予測することは
できません。

 

でも、
変化が起きる前提で
考えておくことは
できます。

 

外の環境に
頼りすぎない。

 

内側に
落ち着ける場所を
しっかり残しておく。

 

そうした考え方は、
時間が経つほど
効いてきます。

 

いまの環境が
気に入っているからこそ、

その環境が
変わったときのことも
少しだけ想像してみる。

 

それは、
不安を増やすためではなく、

暮らしを
長く守るための
準備だと思っています。

 

家は、
ある瞬間の
環境の中で
完成するものではありません。

 

変わっていく時間と
一緒に
使われ続けていくものです。

 

いま良いと感じる環境が、
数年後に変わったとしても、

それでも
自分たちらしく
過ごせそうか。

 

その問いを
そっと添えておくことが、
土地を選ぶときの
ひとつの支えになるように
感じています。

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

カフェを開きたいと思ったとき、

最初に整えておくべきこと。

個人でカフェを開きたい。

その想いは、静かで、

けれどとても強いものだと思います。

好きなコーヒー。

好きな空間。

好きな時間の流れ。

きっと、頭の中にはすでに

理想の風景があるはずです。

けれど、設計者としていつも感じるのは、

その風景を「どうやって守るか」ということです。

カフェは、

空間をつくる仕事のようでいて、

実は「構造」をつくる仕事でもあります。

内装が美しくても、

経営の構造が重ければ、

その美しさは長く続きません。

今日は、

カフェ開業を考え始めた方に向けて、

図面を描く前に整えておきたいことを、

少し丁寧にお話ししたいと思います。

内装よりも先に、整えるものがある

カフェを始めたいと考えたとき、

多くの方がまず思い浮かべるのは、

壁の色や照明、

家具のデザインではないでしょうか。

それはおそらくは

自然なことだと思います。

空間は、夢の象徴だからです

けれど実際には、

・資金の組み立て方

・物件の見極め

・厨房の寸法

・席数と動線

・日々のオペレーション

これらが一本の線でつながっていなければ、

どれほど美しい空間でも、

どこかに無理が生まれます。

設計とは、

未来の無理を減らすこと。

私はそう考えています。

資金は「金額」よりも「構造」

「いくらあれば始められますか?」

よくいただく質問です。

けれど本当に大切なのは、

総額の大小ではありません。

大切なのは、

どのような構造で資金を組んでいるか。

開業資金は大きく三つに分かれます。

第一に、初期投資。

物件取得費、内装工事費、厨房設備、家具什器。

第二に、立ち上げ費。

ロゴ、看板、写真撮影、WEB整備など。

第三に、運転資金。

家賃、光熱費、仕入、人件費、返済、生活費。

特に重要なのは、運転資金です。

売上は、想定通りにはいきません。

開業直後の話題性が落ち着いてからが、本番です。

少なくとも半年分の固定費と生活費があれば、

焦らずに改善できます。

焦りは、空間に滲み出ます。

余裕は、空間にも接客にも現れます。

固定費は未来の重さになる

家賃は、毎月必ず出ていくお金です。

売上が上がっても下がっても、

家賃は変わりません。

理想的なのは、

売上想定の30%以内に抑えること。

奈良のような地域では、

駅前でなくても、

駐車しやすさや動線の良さが

集客に直結する場合があります。

華やかな立地よりも、

持続できる立地。

これが個人経営では特に重要です。

メニューは厨房の設計図

コーヒー特化なのか。

焼菓子も出すのか。

軽食まで広げるのか。

メニューが決まれば、

必要な設備と面積が決まります。

コーヒー特化型なら、

厨房は3〜4坪でも可能です。

動線を短く整えれば、

一人で回せます。

焼菓子を併設するなら、

オーブンと排気計画が必要になります。

軽食まで広げると、

グリストラップや強制排気など、

設備は一気に増えます。

夢を広げるほど、

構造は重くなります。

最初からすべてをやらない。

段階的に育てるという考え方もあります。

一人で回す前提で寸法を考える

個人店は、

オーナーの体力が基盤です。

厨房が広すぎる。

作業台が高すぎる。

通路が狭い。

その小さなズレが、

毎日の疲労になります。

厨房奥行は900〜1100mmが目安。

作業台高さは850〜900mm。

通路幅は最低800mm。

こうした寸法の積み重ねが、

未来の軽さをつくります。

設計は、

未来の疲労を減らす技術です。

物件は雰囲気で決めない

内見で見るべきは、

排水経路。

ダクトの通し方。

臭い。

音。

近隣との距離。

日照。

ここを誤ると、

設計以前の問題になります。

良い物件とは、

改装しやすい物件です。

情報も設計する

今は、空間と同じくらい

情報も設計が必要です。

Googleビジネスプロフィールは、

開業前から整えておく。

写真の一貫性。

カテゴリ設計。

投稿の積み重ね。

検索で見つけてもらうことは、

設計の一部になっています。

設計とは、未来を軽くすること

カフェは、

空間の仕事のようでいて、

実は人生の設計でもあります。

固定費が軽い。

動線が短い。

掃除がしやすい。

余白がある。

その積み重ねが、

長く続くという結果につながります。

図面を描く前に、

構造を整える。

それが、未来を守ります。

最後に

もし今、

物件を見始めている。

資金計画に迷いがある。

厨房寸法が定まらない。

席数で悩んでいる。

そんな段階でしたら、

設計の相談は早いほど整います。

無理な提案はいたしません

まずは、構想を言葉にするところから。

整った順序で進めると

未来は軽くなります。

やまぐち建築設計室は、

住宅だけでなく、

暮らしの質を整える設計を

大切にしています。

お店づくりも同じです。

「何を売るか」だけではなく、

「どんな時間が積み重なるか」を、

空間で支えるように。

少し立ち止まって考えてみたい

そんな方の目に、

そっと届けば幸いです。

‐‐----------------------------------------
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