●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
建物は、中央の階段室が、半層ずれた2つの箱をつなぐ構成となっており、それらに取り囲まれるように3m×3mの中庭が存在し、これは高さ10mの吹抜空間となっている。
この吹抜空間が、風・光・水の自然要素を取り込み、2階・3階の半層のずれと共に非日常的面白さを与えてくれる。
敷地は22坪と決して広くはなく、予算も厳しかった。
しかし、夢は広がる。
クライアント・施工者の協力も得て、最近のマンションや建売住宅のように、機能性・合理性だけを求めた住宅にはしたくないという思いで格闘した。
設計に際しては、シンプルな形状がデザイン性を持ち合わすようにした。
この建築を構成する一つ一つのものには、きちんとした寸法を与えて意味を持たせ、また素材の良さがそのまま出るように考えた。
外部に対しては静かに佇み、内部には人間生活の動きが生ずる。静と動が共存する建築でありたいと願う。