下町の景観住宅

●設計事例の所在地: 
東京都中央区
●面積(坪): 
40
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

下町の面影を残すこの辺りは敷地いっぱいの建物ですが住まいの周りに緑を配置しとても親密な街路空間となっております。お祭りも盛んで玄関前に祭り提灯を下げ、近所の人たちと神輿の水かけを待ちます。隣通しの立ち話が聞こえるようなそんな場所の住まいの玄関は木製で引戸と施主との共通認識をもち、目線の質感は近隣の古い木造家屋の郷愁に近いものと考え住まい周りに緑を設け、外装を左官塗り、軒裏の板張り、床の石の乱張りとしました。行政による緑化補助金も取得しました。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

下町に溶けこむような家をイメージしたい。
敷地が狭さ、大きな希望。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

建築家故宮脇檀の本で住まいづくりに共感し、その弟子である。
設計事例。
計画案。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

今回はご希望と予算と性能を考慮し、木造耐火構造という仕様、木造で高性能・品質が確保できるSE構法に挑戦しました。クライアントと長い時間を共有し、施工者と共につくり上げる楽しさを実感した住まいです。
いろいろなDIYイベントにも挑戦してもらいました。

依頼者の声: 

「家を建てるということ」

家を建てるということは私たち夫婦にとって、おそらく一生に一度の超高額な買い物。
なのに、自分たちが持っている知識は乏しく、失敗も許されない一発勝負。
どこに頼むのが“正解”なのかわからず、失敗したときの後悔を想像し不安な気持ちで、建築関係のサイトや本を読み、モデルハウスを訪ねる日々を重ねました。

そんな中、故宮脇檀氏の書籍「それでも建てたい家」に出会いました。
本の中にあった、「すべての人にとって“正解”の家はなく“住む人の価値観や暮らし方”にあった家作りを」という考え方に「あ、そうか」と目から鱗が落ちた瞬間でした。
「クライアントの暮らし方にあった家を一緒に考える」、その考え方を継承されているであろうと宮脇檀建築研究室ご出身の建築家を探しTAMさんにたどり着きました。

初めてTAMさんにメールで問い合わせしたときは、かなり緊張しました。
当時TAMホームページに掲載されていたTAM代表の新井敏洋さんの写真は、渋い表情の強面だったので、(変なことを質問したら怒られかも)と内心びくびくしていました。
でも、すぐに丁寧なお返事が返ってきて、その後すぐに事務所兼ご自宅にてお会いすることになりました。
実物の新井さんは想像より声が高く、宮脇先生のことや「家は人である」と熱く語る気さくな方で、奥様(パートナー)の真理さんの穏やかな笑顔にもホッとしました。

TAMのお二人は、私たち夫婦の話を熱心に聴き、私たちの「こうだったらいいな」という漠然とした希望を、 豊富な知識と経験と入念な調査をもとに 想像以上の提案に変換してくれました。
一緒に楽しみながら家造りができそう、という信頼感とわくわく感。「私たちの暮らし方にあった家を一緒に考えてくれる人」。その確信がTAMさんへの依頼の決め手でした。

TAMさんとは、30回以上の打ち合わせを重ね、1年半後に我が家が完成しました。

私たちの、それまでの暮らしを棚卸しし、未来を想像し、夢の暮らしを言葉にしてみる。それをお金や土地の制約がある中、施工を引き受けて下さったリモルデザインさんと一丸になって最高の形に表現する。
家を建てるとは、そんな楽しい過程であり、自分たち家族のあり方をじっくりと振り返る貴重な機会でもありました。

その結果完成した我が家ですが、3年経った今も、住み始めた時の感動と満足感が続いています。
「家は建ったときが完成ではなく、住み人の暮らしと共に育っていく。」 そんなTAMさんの言葉を日々実感しています。
これからもこの家と、ともに育つ私たち、TAMさんとのおつきあいが続くことがとても楽しみです。

その他の画像: 

小さな面積の町割を細街路で結びまだ多くの木造建物を残す場所にあります。
街の面影は懐かしく、愛着を持って住み続ける施主のための住まいです。
木造が好きな施主のために木造耐火と将来の変化を考え、在来に比べ少ない構造壁で出来るSE構法を選びました。
古い木造家屋は1階に庇が付き、上下2段に見えることから、1階外壁仕様と2階を分けました。
屋根の形状や色合いは古い木造家屋の規則に倣っています。

木造耐火構造でも内部の仕上は自由に選ぶことが可能です。
床は温水床暖房の上にウォールナットの3層フローリング自然塗装、壁はスイス漆喰、天井は環境配慮形塗装です。
断熱4等級の住まいのため木造耐火の内外装仕様と併せて防音性、遮音性の高い住まいとなっています。断熱4等級による住宅エコポイントも最大取得しました。 
カーテン、ダイニングのセレクトもお手伝いしました。                                

住まいは施主・施工者・設計者と共につくり上げる楽しさがあります。
共につくりあげた喜びはその後の住まいの愛着となり共に住まいの面倒を見るものとなります。
壁塗りDIYは施主家族が楽しめ、施工者、設計者との距離、住まいの維持管理との距離を縮める作業となります。

玄関-将来と親が来たときのためにエレベーターを設置しました。

ダイニング

リビング

キッチン(製作)

洋室

浴室

階段-トップライト設置の光井戸です。

設計者

ユーザー TAM建築設計室 新井敏洋 の写真
オフライン
Last seen: 7ヶ月 6時間 前
登録日: 2012-07-24 10:23

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