まんなか ー 明るい吹抜のある家 ー
家のまんなかに設けた明るい吹抜空間。上部に設けた天窓と東側テラスの大開口がもたらす天空光と反射光により常に明るい、この家の核となる空間です。正面の白い壁の向こう側には、1階はキッチン、2階は水廻スペースを配置しています。
撮影:堀内広治
この家の主役は60代の女性です。家族にとっての『拠り所』であり、やがては彼女にとっての『終の棲家』となるであろう住宅に要望されたのは、大好きな緑に囲まれ、よい意味で高齢者の住宅らしくない、若さと元気を与えてくれる、自分らしい『棲家』でした。
1階のオープンな空間で将来的に生活が完結できるよう考慮しつつも、日々のトレーニングとなる適度な段差や階段を敢えて残した、バリアフリーではない、潔い住宅です。
隣地建物がせまっている為、南面と東面からの採光が難しい敷地の短所を補うよう、建物のまんなかに設けた吹抜を軸に大きなワンルームのような簡潔で自由な空間を提案をしました。直射日光が苦手という住人の意向を考慮し、この吹抜はできるだけ天空光や反射光で明るくするよう工夫を施しています。
1辺7.2mの正方形プランの中心に、採光と排熱、通風に有効な大きな天窓1台を備えた吹抜空間を据え、この明るい「まんなか」を起点に周囲の諸空間の設計を進めて行きました。
雨空の日でも屋内はとても明るく、はじめてこの家を訪れる人々は、外観のイメージからは想像しづらいその明るさに皆さん驚かれます。晴れの日は屋内に居ながらに青空を眺めることができ、さらに綺麗です。風通しも良く、爽やかでシンプルな空間となりました。
吹抜スペース。1階は縁側に面したLDK、2階のロフト状の空間は就寝スペースです。
撮影:堀内広治
吹抜スペース。1階より上部を見上げると、テラスに面した十字形の大きな格子窓と上部の天窓から青空が望めます。
撮影:堀内広治
吹抜スペース。正面に見えるチェッカーガラスの格子窓の向こう側はウォークスルーのクローゼットです。
撮影:堀内広治
就寝スペース。吹抜スペースを介して東側に配置したテラスと対峙するロフト状の明るいスペースです。
撮影:堀内広治
水廻スペース。テラスに面した窓と各所に設けたハイサイドライトにより明るく開放的な空間です。
撮影:堀内広治
縁側スペース(夕景)。墨入モルタルで仕上げた土間を介して屋外と屋内とが程よく繋がります。
撮影:堀内広治
LDK(夕景)。木床はミャンマー産のチーク無垢材、隣接する土間スペースともに1階全域に温水式の床暖房を設置しています。
撮影:堀内広治
テラス(夕景)。近隣の建物がせまっている為、周囲の壁を屋根レベルまで立上げ、この白い壁面を反射板として利用し、室内への採光を促します。
撮影:堀内広治
縁側スペース(竣工後)。竣工後はじめて迎えた初夏の様子です。新緑が綺麗です。
撮影:group-scoop
北側ファサード(竣工後)。竣工後はじめて迎えた初夏の様子です。樹々の緑が自然のスクリーンとなり、住人のプライバシーを確保しつつ、周囲に癒しを与えています。2〜3年後には格子状の立体フェンスもテイカカズラの緑で満たされる予定です。
撮影:group-scoop
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