自然素材とウロコ壁の家
可愛らしい外観にリノベーションした、ウロコ壁の外観
古く空き家になってしまいそうな、長屋+アパートを、リノベーションし、人気のアパート生まれ変わり、将来にわたって貸していきたいとの事でした。差別化できるデザイン・仕様・設備とする事、事業収支から住戸数を3戸から4戸に増やしたい事、中々見ないデザイン性の高い外観にしたい事、賃貸ゆえにメンテナンス性も考えられている事がご要望にありました。
計画を進めていく中で、敷地いっぱいに建っている建物ではあるが、各部屋ごとに自転車置き場が欲しい、同様に物干しスペースが欲しい、耐震補強をし防水性も高めていくという方針になりました。
当初、立て直して新築する方法と、リノベーションして直す方法の両方を計画・比較検討した上で、リノベーションをする事になりました。
デザイン性の高い外観にしたい、タイル貼りはどうなのだろうという打合せをお客様と行っていました。タイルを貼る事で建物が重くなる事や、メンテナンス性も考慮し、タイルでは無く、屋根材を外壁に貼って、ウロコの様な・大きなタイルの様な壁のデザインを提案しました。屋根材は壁材よりも、防水性と対候性が高く、性能アップにもつながっています。外壁のオレンジ色は、お客様と一緒に悩んで決めましたが、家型の形もあって主張しながらも、周囲に馴染んでいます。
元々は屋根が複雑に掛けられ、天井の中からも古い屋根が出てきていました。そこで小屋を一部架け替え、シンプルな屋根とする事で雨が簡単にながれるようにし、三角屋根の家の形にする事で、可愛らしい外観になっています。
住戸数を3戸から4戸に増やす為にも、苦心して間取りを変えています。さらに、自転車が置ける土間がある部屋、梁の出た・高い天井の部屋、ルーバーに囲われた部屋などをつくり、それぞれが個性豊かな空間の質を持っています。
道路そばの建物は、1階は部屋の目の前が道路でプライバシーが損なわれていました。そこであえて土間空間を設け、外部との干渉エリアかつ自転車置場・洗濯物干場とし、光を取り入れる明るい部屋でありながら、不安感をなくすプライベート空間としています。2階も同様に、外壁を部屋の中まで下げることでバルコニーをつくえい、同じ効果をもたせました。生活する部屋をあえて小さくする事で、逆に住環境が良くなっています。
部屋の内部は、構造の梁を見せ、古い良さを出しながら、フローリングと木製合板の壁が、今時な心地よい空間になっています。
リノベーション前の事前調査に入ると、1階だけどうも真ん中にすき間がありました。2つの家を1つにくっつけ、その後2階は別の一つの住戸にしたり、また元に戻したりと、増築・改築を複雑に繰り返していたその名残の様です。更に、最初の建設は同潤会の木造住宅の供給事業・・・約80年前につくられ建物でした。実際工事を始めると、建物の中央の部分に同潤会時代の構造が出て来て、構造を補強しています。また構造的には、2つの建物に橋が架かっている様な状態だったのを、一つの堅固な建物に改修して工事を行いました。
完成後、前の道を歩く女性、小さな女の子から大人の女性・おばあさままでが口々に、「いや~可愛いお家」と言いながら通って行く人気の住まいになりました。男性はなぜか、「かっこいい」と言っています。周囲にお住まいの方々からも、工事中ご不便をかけたにも関わらず、いい家が出来たね~と、ほめていただいています。
公式ホームページ【株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所】はこちらから
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