南鳩ヶ谷の家
北側外観。金属外壁のヴォリュームから駐車場とアプローチ部分を欠きとり、白く塗りました。建物に囲まれた立地ですが、南北の抜けを感じられます。
首都圏の駅近の立地で、敷地の大きさ(約16.7坪)、前面道路幅員(約2.5m)、特殊な用途地域条件(規制条件が異なる二つの用途地域にまたがっている)、ローコスト、脆弱地盤と難しい条件が重なった計画でした。
ここでは、空間を最大限確保するために、道路斜線の影響を回避し形態をシンプルな箱型に導きやすい天空率を用いました。
この最大気積の中を途切れることなく一体化するために、空間をらせん状に積み重ね、上下の動線である階段も大きさや機能を変化させることで、花火の見える屋上テラスまで、さまざまな居場所を生み出しました。素材もこの積層された空間に合わせて、板を重ねて作られた数種類の合板の組み合わせでつくりました。間仕切りもほとんどなく、単一の素材で構成することで統一したイメージを醸成するだけでなくローコスト化にも寄与しています。
玄関。左の扉は床下納戸兼書斎です。
玄関からの南側見通し。空間が段々に折り重なって奥行を与えています。
ピアノリビングから玄関(左下)とLDK(右上)双方を望む。
LDK東より。白い壁面の中に穏やかな表情の合板の板を積み重ねたインテリアです。左側階段の光っている部分は洗面室のあかりです。
LDK南東より。スキップフロアの構成とそれをつなぐ階段が多目的な場となり広がりと活用の幅を獲得しています。左手階段上部は建物に取り込んだ中庭状のテラスでコンパクトですが、広がりと豊かさをもたらしています。
LDKの少し上のファミリーライブラリー。LDKと気配のつながる落ち着いた場所です。
子供たち(2人)の場所。天井の高い場所、普通の天井高さの場所、ロフト状のこもれる場所、がぐるりとらせん状につながったエリアです。また、右手のサッシから屋上の階段テラスに出ることができ、ここも室内とぐるぐる回れます。
屋上の花火テラス。階段状の客席の反対側は隣家の屋根よりも高く屋根越しに花火が見えます。
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