スキップフロアの家 O邸

●設計事例の所在地: 
埼玉県川越市
●面積(坪): 
延床面積123.89㎡(37.5坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

埼玉県川越市の分譲地を購入されたOさんから住宅設計の依頼を頂きました.
家族構成はOさん夫妻と3歳の娘さんの3人です.
敷地は約45坪,北・東・南の三方を住宅で囲まれ,西側は道路を挟んで4階建てマンションが建っています.
Oさんからの要望は,隣家が敷地境界線まで迫っているため,家族のプライバシーを確保しつつ,家の中が暗く窮屈にならないよう工夫して欲しいとのこと,また,出来る限り収納スペースを多く作ってほしいということでした.
南側に隣家が迫っているため,リビングの天井高さを3,400mmとし,南面の開口を大きく設けることで,採光を十分確保できるよう設計しました.
また,リビングの天井の一部に光が透過する部分を設け,2階ホールの光が1階リビングにも注がれるように工夫しました.1階ダイニング・キッチンの床レベルをリビングより1,000mm上げ,スキップフロアにすることにより採光確保と大容量の床下収納を実現しました.このスキップフロアが立体的な視野の連続性を生み,躍動感のある豊かな空間となりました.
2階は,中央にライブラリとホールのパブリックな空間を配し,その東西にプライベートな主寝室・子供室を配置しました.ライブラリとホールの天井高さも3,400mmとし,帯状に連続するハイサイドライトを設けることで,プライバシーを確保しつつ,空から光が降り注ぐ明るい空間を作り出すことが出来ました.床・天井のレベル操作と開口部の設定で,Oさんの要望を満たした明るい住宅を実現することが出来ました.

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

埼玉県川越市の分譲地を購入されたOさんから住宅設計の依頼を頂きました.
家族構成はOさん夫妻と3歳の娘さんの3人です.
敷地は約45坪,北・東・南の三方を住宅で囲まれ,西側は道路を挟んで4階建てマンションが建っています.
Oさんからの要望は,隣家が敷地境界線まで迫っているため,家族のプライバシーを確保しつつ,家の中が暗く窮屈にならないよう工夫して欲しいとのこと,また,出来る限り収納スペースを多く作ってほしいということでした.
南側に隣家が迫っているため,リビングの天井高さを3,400mmとし,南面の開口を大きく設けることで,採光を十分確保できるよう設計しました.
また,リビングの天井の一部に光が透過する部分を設け,2階ホールの光が1階リビングにも注がれるように工夫しました.1階ダイニング・キッチンの床レベルをリビングより1,000mm上げ,スキップフロアにすることにより採光確保と大容量の床下収納を実現しました.このスキップフロアが立体的な視野の連続性を生み,躍動感のある豊かな空間となりました.
2階は,中央にライブラリとホールのパブリックな空間を配し,その東西にプライベートな主寝室・子供室を配置しました.ライブラリとホールの天井高さも3,400mmとし,帯状に連続するハイサイドライトを設けることで,プライバシーを確保しつつ,空から光が降り注ぐ明るい空間を作り出すことが出来ました.床・天井のレベル操作と開口部の設定で,Oさんの要望を満たした明るい住宅を実現することが出来ました.

その他の画像: 

2階部分をキャンティレバー構造で持ち出すことで,その軒下をポーチから玄関へのアプローチとして利用しました.
西面に唯一の開口部は,玄関へ光を差込みます.玄関は普遍的な2,400mmの天井高とし,外部から玄関の土間を抜けて,高天井の明るいリビングへと続く緩衝空間ともなるように設計しました.玄関扉はポーチから天井までの高さ2,550mmとし,加工性・耐久性に優れるベイマツを用いることで,玄関にふさわしい重厚感と木の温もりを感じさせるシンプルな扉
に仕上げました.

リビング・ダイニングを望む.奥のダイニングをスキップフロアとし,手前のリビングと立体的に分離していますが,一体のリビング・ダイニングとして連続性を感じれるような空間を計画しました.リビングはダイニングのスキップフロアにより,天井高3,400mmの高天井の空間となり,南面に大きく開口を設けることで,光がリビングに注ぎ込むように設計しました.また,スキップフロアにより生まれたダイニングの床下空間は,床下収納として使用できます.

リビングの天井の一部には,40mmのFRPグレーチングとポリカーボネートを重ね合わせて,光が透過する部分を設け,2階の光が1階リビングへ降り注ぐようにしました.FRPグレーチングとポリカーボネートを透過することで,光は淡く変化し,リビングを演出します.床は無垢のパイン材とし,自然塗料である蜜蝋ワックス仕上げとしたことで,パイン材本来の柔らかさ・温かみを生かすようにしました.床のパイン材は,リビングからダイニングへの立ち上がる壁部分にも張り伸ばし,スキップフロアをより連続した空間に感じられるように仕上げました.

ダイニングからスチール階段を望む

ダイニング側からリビングを望む.スチール階段の手摺及び手摺子の形状は丸棒とし,リビングからダイニングを介して2階へと,適度な曲線を設けて柔らかく連続的に繋げます.手摺及び手摺子は,互いを部分的に支え合い,階段の振動防止としても機能しています.また,ダイニングからリビングへの転落防止用の手摺も同様に,意匠を踏襲して仕上げました.

階段を上がりながら天井を望む.2階ホールの天井は木目を生かした羽目板とし,ハイサイドライトから入り込む光も相まって,柔らかい雰囲気をつくりだします.

2階のホールの床には,一部にFRPグレーチングとポリカーボネートを採用しています.適度な透明感のあるFRPグレーチングとポリカーボネートは,1階リビングへ光を落とすだけでなく,上下の階でお互いに,家族の気配や雰囲気を伝えます.

2階のホール及びライブラリコーナー,そして全方位360度を囲むようにハイサイドライトを設けています.天井を持ち上げる様にハイサイドライトを設計することで,天井高は3,400mmとなりました.リビングと同様に高天井によって空間に広がりを与え,ハイサイ
ドライトから適度な光量が,壁や天井を反射しながら入り込み,季節や時間ごとに変化が楽しめる魅力的な空間となりました.天井を囲むハイサイドライトは,空の色や雲の動きを感じるといった今まで体験したことの無い自然との付き合いも与えてくれます.また,ハイサイドライトの高さは,周辺の環境の状況に合わせて調整し,プライバシーを守りながら窓から切り取られた景色が楽しめるように設計しました.

スキップフロアとすることで生まれたダイニング・キッチンの床下収納は,天井等に余計な仕上げはせず,最大限の収納量が確保できるように配慮してあります.床は基礎断熱の保護も併せて合板で仕上げました.また,給排水の配管経路としても機能し,将来的なメンテナンス性に考慮した結果となりました.

建物夕景

設計者

ユーザー 株式会社 佐野修建築設計事務所 佐野 修 の写真
オフライン
Last seen: 5時間 2分 前
登録日: 2012-07-24 10:20

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