●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
『御手洗ミュージアム構想』で取り組んだ基礎調査を経て、まず必要とされた「宿泊事業」の受け口として、大正時代に建設された趣ある病院が新たにゲストハウスとして改修された。
重伝建故の補修及び保存と平行して、この越智病院では、仕上の下に隠れていた構造や建築部材が持つ魅力を露出させ、展示物のように丁寧に抽出し、“見せる化“する操作を計画の柱に据え『創らずに創る』という理念を実現している。既存建築の概要を変えず必要機能を合理的に再配置し、設備は一箇所にまとめる等、ゲストハウスとしての機能性向上も図っている。御手洗に既にある素材を生かし新たな事業を再構築することで、御手洗の伝統や文化が現代へ継承され「生きたまち」へ生まれ変わる。