●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
山裾の小高い場所に建つ住まい。元々、ここにはお寺の隠居所がありました。その茅葺の控えめな建物は、里山と調和した佇まいや隣のお寺の堂宇との関係がとても好ましいものに思えました。そこで建て替える建物もその「好ましさ」を受け継ぐことにしました。設計のポイントは三つ。控えめで穏やかな佇まいとなるように、地形に馴染ませてコンパクト(に見えるよう)に造ること。加えて外に生活感が出過ぎないような工夫をすること。また、切妻屋根のボリュームを内部空間に素直に反映させること。そうすることで、簡素でありながら豊かな、この地に相応しい住まいが出来ると考えたからです。