バリアフリーを考慮し安全性を優先させながら、使いやすさ・介助スペースも確保できるプランニングとしました。玄関の段差を曲線のスロープ(手すり付き)で解決し、ポーチ部分も取込み面積を広くし、玄関3枚引戸で車いす移動も可能で明るい玄関としました。
車いすでの生活のため、リビングダイニングはゆったりとした広さで、一角には車いすから直接移動できる高さの畳コーナーを設けています。キッチンは座って調理できるよう、またトイレなど水まわりについては車いすで使用でき、介助もしやすいよう病院の先生や作業療法士、ケアマネージャーの方々と話しながら設計しました。
畳コーナーの高さは車イスの高さに合わせ横移動を可能とし、タタミ下は収納タンスとなっています。
トイレは介護スペースを広く確保し、ピュアレスト、はね上げ式手すり・暖房設備など機能を充実。
天井にボードや天井板などを貼ることは普通ですが、天井板を張らずに木のルーバーとしてはいかがでしょうか。通常マンションやアパート、住宅の天井高さは2.4Mか2.5M程度とすることが一般的かと思います。当たり前のように生活をしていますが、少々息苦しく感じる場合があります。さらに天井には照明器具や火災関係の感知器が出てきます。ルーバー天井ではこう言った設備を裏側に隠すことができます。
この事例は小学校の教室ですが、天井を杉のルーバーにしたものです。天井裏を黒く塗装することで、実際の高さよりより天井が開放的に感じられます。角度によっては一面木の板に見えますが、人の歩く方向に対して直角に貼ることでその効果が得られます。天井のルーバーは緩やかにカーブして大開口の日よけルーバーに移行していきます。木に包み込まれたような効果が出ました。
単純なようですが、工事の簡略化のためのパネル化の方法、感知器や設備の点検口、照明器具の照明器具の納まり、蛍光灯の交換のための納まりなどこの欄では説明しきれない特殊なノウハウが必要です。
室内から外部に連なるルーバーが作る一味違った開放的なリビング、逆に狭い室内を広くする方法など応用ができます。是非ご検討されてはいかがでしょうか。(撮影:北嶋俊治)
福井県は豪雪地帯です。屋根の設計には特別な配慮が必要です。雪の対処には屋根の勾配を大きくして積極的に雪を下に落とす方法と、雪を屋根の上に留めて下に落とさない方法があります。下に落とす場合は安全への配慮や隣地への影響を考慮する場合があります。特に敷地境界が隣接している場合は周囲にある程度空地を確保しておく必要があるでしょう。屋根に留める場合は雪の荷重が構造体にかかることから、堅牢な構造となますが、雪下ろしの配慮が必要になります。転落事故なども毎年起こっていることから危険を伴う作業となります。
ここで示した事例は小学校の屋根です。通常の金属板葺きの屋根の上にさらに工事現場で使用されている安価な有孔の足場板を載せています。この納まりはあまり前例が無いものですが、以下のメリットがあります。
・勾配屋根でありながら落雪させない高い雪止め機能・雪下ろし時の足場(屋根面に常に足場板があるのですこしづず足場を確保することができます。)・日よけルーバー(有孔ですので、直射日光を遮りつつ穏やかな光を導きます)・現代的でありながら日本的な印象をつくりだすことができます。
この屋根の納まりは独特のテクニックが必要で、私たちにはノウハウがあります。住宅でも可能です。ぜひご採用頂されてはいかがでしょうか。(撮影:北嶋俊治)
屋根の状況です。以外と違和感の無い「和」の感じが出ています。上部の足場板ルーバーがガラスの雪ガードとなり、直射日光除けとなりますので、トップライトを設けることも可能です。(撮影:北嶋俊治)
建築関連法規によって建物を耐火構造とし、外壁を不燃材料にいなければならない場合があります。鉄筋コンクリート構造の場合は耐火建築物ですので、そのまま外壁に木材を貼り付けることが認められる場合があります。私が設計した「ハートホーム宮野」では、木造軸組耐火建築とした上でさらに外壁に木のルーバーで覆いました。一般的には木造の耐火では外壁を窯業系サイディングなどの認定品で覆われることになり、その上に木を貼ることは認められません。
この事例は、外壁から30センチほど離した位置で木のルーバーのスクリーンを設けることで消防から認められて実現したものです。少し難しい納まりとなりますが、メリットとして、外壁に取り付く縦樋やエアコンの屋外機、換気扇のフードなどをルーバー内に隠すことができることです。見た目も木の暖かさが前面に出すことができます。
木を横桟方向でルーバーとして使うと経年変化(腐ったり、色落ちしたり、曲がってきたり)を気にされる場合があります。当然防腐剤と不燃材を塗りますが、これだけでは数年でメンテナンスが必要になります。経年で変形しないサイズで作り、ルーバー一本一本に水はけが良い勾配を加工をし、水が浸透しやすい切断面を養生する納まりとすることで寿命を飛躍的に伸ばすことができます。この辺りは経験と、同様の納まりで10年以上経った事例研究などのノウハウが必要です。色落ちに関しては、海岸沿いの漁師町などを見に行くとよく理解できます。木の茶色が抜けてグレーに変色し、それがさらに経年による木の美しさを増すことになります。
安易に採用することは難しいですが、美しく温かいい木のルーバーの外壁。ぜひ採用してみてはいかがでしょうか。(撮影:北嶋俊治)
角地33坪の狭い敷地(ほぼ正方形)に3LDK+ルーフバルコニーを考えています。建蔽率60 容積率200 建物の予算が少ないために一部セルフビルド+分離発注に対応してくださる建築家を探しています、好みのデザインとしてシンプルな四角い建物を希望しています。 建築家の所在地について:建築家の所在地にはこだわらない
今まで携わらせて頂いた物件で何回か手作りの鏡裏収納を洗面室でつくらさせて頂きました!勿論、既製品も多々用意されているのですが…大きさが決まっているのとデザインがマッチしないということがいつもぶつかります。今回、ご紹介する2件もそういう中で決まりました。下北沢の家は、コンクリート打放しとシナベニヤでまとめたかったということから決定しました。上連雀の家は家全体の壁床がシナベニヤということもあり、家具もシナベニヤでまとめたいということから決定しました。どちらも、こだわりの中で生まれた鏡裏収納です(^^ゞ
住宅でカガミを使用する場合、考えなければならないことは、安全性が確保できるかが重要です。使用する場所は、玄関の姿見収納、寝室の収納、洗面所、トイレの収納部分に、多く見受けられます。カガミの扉は開閉する時に、開けやすさと他のものにあたらないかを検討する必要があります。扉の丁番の強度、ガラスの厚さ、設置方法とかなり難しい部分があります。このため既製品の収納の場合が多いと思います。ガラスは大きい面積にすると、デザイン的には、きれいですが、ガラスのゆがみや、割れやすさを考慮して、分割して、デザインする方がお勧めです。写真は洗面室の収納です。部屋を広くするためにカガミ収納にしました。間接照明を入れて、手洗いの手元を明るくしました。
断面図
既製品のカガミ収納
傾斜地に戸建を建築したいのですが、なかなか良いプランができずに考えております。場所は京王線のつつじヶ丘徒歩10分ほどの場所で、三鷹市中原となっております。一種住専で、40%/80%ですが、80坪ほどの敷地で、角地、二方向道路です。二区画の建築を計画していますが、高低差5Mの中で、長めの良い、富士山を正面に見れるロケーションをうりにした、おしゃれな建物の提案をいただきたく投函させていただきました。皆様お忙しいところ恐縮ですが、ぜひご一報いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 建築家の所在地について:建築家の所在地にはこだわらない
正面 この施設のあらゆる環境装置がそのまま建物のデザインとなっています。
撮影:北嶋俊治
環境に対する活動が活発な鯖江市で活動する環境NPO事務局を収容する施設としてふさわしい環境建築物が建てたい。
鯖江市中河小学校の設計設計中に、敷地内にこの施設を設計するよう市長から依頼があった。
鯖江市の市民による環境活動のセンターとして整備された施設であり、自然エネルギーの活用を第一の目標に置いた実験的な省エネ建築です。ここで試みた以下の環境装置の試みは、全国の小規模オフィスビルで可能であり、今後の応用を期待しています。○ 換気西側は遮るものが少なく川筋に沿って常時風が吹いているので、屋根に恒常風を受けるラッパ状の整流フィンを設け、そこを風が吹き抜けるときのベンチューリ効果で室内に空気流を起こす換気システムを採用しています。○ハイブリッド空調通風と機械式空調を組み合わせたハイブリッド空調を採用した。また、ペリメーター部の負荷は、井戸水を利用した冷却用のラジエーターを南側窓部に設置しました。○光の制御南側の窓にライトシェルフを設け、部屋の奥まで光を届け、室内の明るさの均整度をたかめた。また、ルーバーによる直射日光の遮断も行っています。
この建物はその環境建築としての性格から、環境機能自体が建物のデザインとなっていますが、1階の駐車場、中間層のオフィス研修機能、最上部のラッパ状の風の塔からなる3層構造はそのまま一般オフィスへの応用の可能性を示しています。
第8回JIA環境建築賞入賞
環境都市鯖江にふさわしい環境NPO拠点ができました。一般市民に限らず、市内の小中高の子供達の環境学習に役立てています。
窓正面の横ルーバーは夏の直射日光を防ぎ冬季の光を取り込みます。側面の格子ルーバーは東西の直射日光を遮ります。くちばし状の突き出したガラス窓は「ライトシェルフ」と呼ばれる反射光を内部に取り込む反射板を持つ庇です。
北面は半透明スクリーンによる2重壁面で構成されています。夏は上部の換気フィンで吸い上げた空気の通り道になり、室内の空気を換気します。冬は黒く塗られた内壁で暖められた空気が状況気流によって上部に換気されます。
北側夜景です。夜は内壁に開けられた窓が照明で光り、昼間とは違った表情になります。
地場産の和紙で製作した照明器具が下がる研修室です。窓際の窓上部にライトシェルフがあります。冬季は和紙のスクリーンを手前に倒して反射光を取り込みます。夏は室内の使用状況によって閉鎖することで柔らかい光を室内に取り込みます。
環境教育のための教室です。鉄筋コンクリート躯体による門型構造の連続と、環境装置によるモジュールが施設のインテリア全体に展開されています。
黄色いメガホン状の庇が守衛所の存在を際立たせ、来訪者を導きます。
撮影:吉田明弘
北風から入構チェックを受ける人を守りつつ、内部の職員からゲートへの視認性を確保することなど。
以前より数々の施設設計を手掛け、信頼関係が築かれていたこと。
富山県に本社を置く国際的企業の工場入り口にある守衛所です。車での外来が多い施設の性格から、内側を黄色く塗装したメガホン状の庇によってその存在を確認しやすくすると同時に、内部からゲートが見える視認性に配慮しました。冬季の厳しい風から入構チェック時の受付空間を守る風除けとして大きなガラスのスクリーンを特殊な金物で固定することで、存在感を消すと同時に視線の妨げにならないようにデザインしました。鉄筋コンクリート構造の特徴を生かして、受付カウンターから伸びるスリットによって庇に亀裂をつくり、視野を確保すると同時に意匠的な緊張感を作り出しています。わずか15坪の小さな建物ですが、機能がそのまま洗練された意匠となることを目指したもので、亀裂のある大きな庇構造など構造的な挑戦も行っています。大自然に開いた別荘など、同様の手法の応用できると考えております。
JCDデザインアワード2008入賞
工場の顔ととして、企業理念に合致した守衛所になりました。
夜景。夜でも存在感があり、その機能を発揮します。
シンブルで機能に素直な形態ですが、シンプルでモダンなデザインです。庇部分は躯体を極力薄くするよう構造上工夫し、ステンレスの鏡面仕上げでエッジを際立たせています。ガラススクリーンは存在感が無くなるよう特殊な金物で固定されています。
側面は庇のスリットによって正面では想像できない軽快な姿をしています。正面に対してグレーに塗られた庇部分とコンクリート打ち放しを対比させています。一見単純に見えますが、鉄筋コンクリートの性質を最大限発揮した複雑な形態となっています。しかしそれは機能の素直な表れでもあります。
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