ライブミュージアム

●設計事例の所在地: 
愛知県常滑市
●面積(坪): 
200
●建物の種類(大分類): 
商業施設
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

なだらかな斜面につくられた展示空間の建物で裏側には野外展示場が広がっている。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

日々変わる太陽の動きに合わせて建物の位置や窓などが考えられている。控えめなデザインで展示作品がメインになるように設計している。

その他の画像: 

傾斜地を生かし、ランドスケープと一体となった建物を造りました。
手前の擁壁は版築という技法で造られた擁壁です。大地と重なり合う建物を目指しています。

日干し煉瓦を積んだ緩やかなカーブの壁周りはとても気持ちいい空間です。

大きく円弧を描いた土壁に包まれるとなぜか懐かしい気分になります。

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

新聞の折り込み広告などに入っている不動産広告チラシの宣伝文句で「南側道路で日当たり抜群!」というのをよく見かけると思います。

皆さんはそういう言葉から知らない間に「南=日当たり良好=いい土地」という先入観をお持ちになっていないでしょうか?

もちろん、そのことに対して異議を唱えようとは毛頭ありませんが、メリットばかりではないということを知っていただきたいと思います。

一般的な住宅地では、それぞれの土地に対して建築基準法による道路斜線や北側斜線といった斜線制限を受けます。

南側道路の土地の場合、道路斜線は南側から、北側斜線は北側(真北)からと、それぞれ二方向から斜線制限を受け、削られて建築できる範囲(ボリューム)が小さくなります。

さらに南側道路の土地の場合、玄関アプローチやカーポート、ガレージといったスペースはおのずと道路のある南側に設けるケースが多くなり、せっかく日当たりの良い1階の南側に採光を必要としないスペースが占めてしまいます。

また、1階にリビングを南側に配置してその前に庭を設けた場合には道路からリビングが丸見えになるため、その対策も必要になります。

南側道路の土地で1階の南面にリビングがあるのに、一日中レースのカーテンが閉まっている家をよく見かけたりします。

言うまでもありませんが、南側道路の土地でも住みやすくて、外部から覗かれず、日当たりのいい家の設計は可能です。

どんな条件の土地でも住み心地の良い家を設計することが、我々設計事務所の仕事ですから。

しかし一方、悪条件と思われがちな北側道路の土地は道路も北側のため、道路斜線と北側斜線とが同じ北の方角からの制限を受けるので、建築可能なボリュームは南側道路の土地よりも大きくなります。

もちろん、建ぺい率と容積率の許容範囲内での話ですが。

北側道路ですと、玄関やカーポートといったスペースも北側に配置されて、南側にリビングやダイニングスペースを持ってくることが容易になります。

なかなか文章のみでの説明ではわかりづらいと思いますが、むしろ北側道路の土地のほうがメリットも多いのです。

住宅地の場合、建ぺい率は50%前後であるので北側道路の土地でも設計次第で日当たりが良く、住み心地のいいプランが十分可能なのです。

不動産価格の観点からすると、断然南側道路の土地のほうが北側道路の土地より高価ですし、資産価値もいいでしょう。

ですが、これから土地を探して住まいづくりをお考えの方に対して、私はむしろ「北側道路の土地」をお勧めします。

宮坂の家

●設計事例の所在地: 
東京都世田谷区宮坂
●面積(坪): 
32.8坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

南側にはアパートが建ち、両側も隣家で囲まれた敷地にあって、
南側に庭を設けても日当たりが良い家にはなり得ないものです。
そのような敷地にあっても明るく風通しの良い家とする為、
南側に向いた家ではなく、空を意識した家を考えました。
家の中央部に2坪分程度の吹抜(トップライト)を設け、
ここから全ての部屋に光を採り入れると共に、
風が抜け、各室の自然な換気がとれる家としました。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

敷地南側にアパートが建ち、東と西には隣家が接近し、
北側が道路に面する南北にやや細長い敷地です。
家づくりにあたって建て主の方が特に要望されていたのは、
「陽当たりの良くない敷地ではあるが、明るく陽差しを感じる家としたい」
「日常の生活の場は1階だけで過ごせる家としたい」
「まだ小さなお子様の様子を家のどこにいても把握できる家としたい」
というものでした。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

設計事務所を探す前に、ハウスメーカー数社にプランを出してもらったそうです。
いずれも大きな吹き抜けを南側に設け、2層分の大きなサッシを南面に設けた案だったようですが、
「大きな吹き抜け床面積が減ってしまう」ことや「大きなガラス面の掃除の問題」等で、
納得できるものではなかったようです。
そこで相談に来られたのがきっかけで、その後こちらが提示した案を気に入ったことが
依頼の決め手だったとの事でした。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

広い家ではないものの、ご主人が家でも仕事ができるスペース、
仕事上必要な書類を格納できるスペースをリビングの近くに設けたいというご希望がありました。
そこでキッチン脇の道路を見通すことができる位置に造り付けのデスクカウンターを設けました。
問題は大量の資料置場でしたが、階段下部を単に倉庫とするのではなく、
階段下部の形状に合わせたキャスター式の大きな収納ボックス造りました。
これを引き出して通路に居ながらにして両サイドから収納物を取り出せるようにすることにより、
この収納の問題を解決しました。
その空間分全てが収納できる

その他の画像: 

ダイニングより左手にキッチン、右手(正面)にリビングを望む。

吹抜からの光がふりそそぐリビング、ダイニング。
吹抜の左手は主寝室、右手は子供室です。
この吹抜を通じて各部屋への採光が確保されると共に、
煙突効果による自然な空気の流れ(上昇気流)による
通風・換気をはかることができます。
また、この吹抜を介して、家族の気配を感じることができるようにしたものです。

吹抜に面する2階階段ホール。
左手は主寝室の窓、右手は子供室の窓です。

将来の2室化を前提とした南面する子供部屋です。
右手の天井の低い部分は全て天袋収納とした部分です。

キッチンとバックカウンター。
奥はユーティリティー(サンルーム)です。
ユーティリティーは花粉症対策のための室内干しができるよう家の南側に設けました。

洗面脱衣室と奥の浴室(ユニットバス)を望む。
洗濯物投入口を設けた洗面脱衣室です。
左手壁面部の投入口から洗濯物を入れ、ユーティリティー側(キッチン後方)
にて直接取り出せるようにしています。

道路側の外観

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

日頃、地元の住宅街を通っているとたいていの家には、必ずといっていいほど「庭」があります。

ただその庭は、残った敷地と思わざるを得ないようなものがほとんどで、だいたい道路側に面しているか敷地の南側にあります。
特に敷地が南面道路に面している家だと道路側に庭があり、道を通る人々からは庭がほとんど丸見えの状態で干された洗濯物が目に入り、庭に面した1階リビングらしきスペースの窓はすべて日中にもかかわらずカーテンが閉められていることが多い気がします。

このような状況をいくつも目の当たりにするたびに「外部空間である庭が軽視されている」といつも思ってしまいます。

一般的な住宅地の場合、建ぺい率は50%前後であるから、敷地面積のおよそ半分程度は建築物を建てられないことになります。
もちろん、自家用車を所有しているケースが多いので車庫スペースが不可欠であろうし、そのほかバイクや自転車の駐車スペースも必要となる場合も多いでしょう。

民法上敷地境界ギリギリまで建築物を建てることは難しいので、残りの敷地をすべて庭にするわけにはいきません。

しかし、そういう状況でもまず建築物ありきで余った空間を庭とするような消極的な外部空間はなんとももったいない気がします。
とはいうものの、限られた予算の範囲内ではやはり建物本体にお金をかけたいであろうし、どうしても庭を含む外構部分は蔑ろにされてしまい、費やすお金を削ってしまいがちです。

けれども、住まいというものは建築物単独で成立するものではなく、その敷地全体で成り立つものだと私は考えます。

もっと自分達の敷地全体を有効活用して、積極的に外部空間を取り入れた住まいはできないだろうか?

この問いに対する答えとして、私は「コートハウス(中庭のある家)」を提案したいと思います。

コートハウスとは建築物や塀、壁などで囲まれた中庭のある住宅のことで、平面的にはロの字型やコの字型やL字型などと呼ばれているものがあります。

中庭は外部に対して閉鎖的な空間であるため、外部からの視線を遮ることができ防犯上のメリットがありますし、さらにプライバシーを確保してプライベートな半屋外の空間として利用が可能ですので、住まいの内部と外部とが一体となって広く感じられます。

また中庭は土のままにする場合もあるが、たいていは木製のデッキ敷きやタイル、石貼りやモルタル仕上げなどにして植栽することが多いです。
そして植栽の種類も庭の位置によって常緑樹や落葉樹とを使い分けます。

さらに中庭に面して設けられた開口部によって採光や通風を確保できるため、中庭を通して明るく開放的な住まいが実現できるといった利点もあります。

つまり、中庭という外部空間を内部空間と同じレベルで意識的に作った「内部の延長空間」という考え方です。

中庭は植栽を眺めるだけでなく、イスやテーブルを置いて読書をしたりお茶を飲んだりと、生活の一部として活用できます。

さらにコートハウスが優れていると感じることのひとつに「家の中にいながら自分の家を見ることができる。」という点が挙げられます。

中庭を囲むように建築物が建っているので、普通の住宅よりも距離感があります。
対角線としての空間の広がりがあり、中庭を介して空間から空間、つまり室内に居ながら自分の家を眺めることができるなんて素敵なことではないですか?

シンプルな家

●設計事例の所在地: 
東京都練馬区
●面積(坪): 
33.45坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

築20年以上経つ木造二階建てのリノベーション住宅です。
間仕切りを無くして、大きなLDKにしました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

キッチン、浴室、洗面といった水廻り設備の老朽化と小さな段差がこれから高齢になられるご夫婦にとってのお悩みであったため、水廻り設備の改修をはじめ段差を解消してバリアフリー化し、室内の建具を使い勝手を考慮してドアから引き戸にしました。

その他の画像: 

木造三階建て二世帯住宅

●設計事例の所在地: 
京都府京都市
●面積(坪): 
48.02坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

京都らしく、木製ルーバーや庇などをデザインに取り入れ、外壁材とその色も落ち着いた感じのものを選びました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

京都市内の住宅密集地に建つ木造3階建ての4世代6人が住む2世帯住宅で、老朽化した木造住宅の建て替えです。
1階部分はご両親とお祖母様の住まい、2階と3階はご子息家族の住まいとなっています。
2世帯は生活の時間帯が異なるので、玄関をそれぞれ1階と2階に設け外部階段を設けましたが、内部でも上下階の往き来が出来るように内部階段も設けました。
この場所は景観規制のある地域なので、屋根の形状や勾配、屋根と外壁の色などが細かく決められています。そのため、1階部分の外壁を左官仕上げに、2,3階部分の外壁を屋根と同じ板金仕上げにして京都らしい落ち着いた色使いにしました。
京都という場所性を考慮して木製格子や庇といったものをデザインに取り入れました。
一方、小さなお子様とご高齢のお祖母様がいらっしゃるので、内外すべての建具を引き戸にしました。
特にお祖母様が生活される1階部分の床は、玄関の上框もあえて無くし、玄関アプローチも緩やかなスロープにすることで、お祖母様が日頃使用している手押し車でもスムーズに無理なく使えるようにしました。
ここの場所は東西で気持ちいい風が抜けるので、玄関と勝手口にも網戸を設置しました。
また、敷地三方を隣家が接近しているため、採光と通風は1階の東南に小さな中庭を、2階の南側にデッキテラスを設けることで確保しました。                   
この中庭とデッキテラスは日当たりが良く、また外部からの視線を気にすることがないため、物干しスペースとしても利用できます。その東南の中庭には、お祖母様の部屋とダイニングが面しています。           
中庭には、昨年にお孫さんが誕生した記念にハナミズキの鉢植えを置くことにして、お孫さんの成長とともにこのハナミズキも成長していくことでしょう。              
プランについては、トイレ・洗面・浴室といった水廻り設備を上下階とも北側の1箇所にまとめ、1階はお祖母様の部屋に近い位置にしました。                   
ご子息家族が住む上階は、2階に共有スペースであるリビング・ダイニング・キッチンを配し、リビングスペースの奥に4畳半の和室も設けました。                  
またリビングの南側にデッキテラスを設け、リビングの延長としてよりスペースが広く感じられるようにしました。さらにリビングの上部を吹き抜けにすることで、効果的な明るさと風通しとゆったりした空間を体感できます。3階にはプライベートスペースである寝室と子供室、予備室を配し、寝室・子供室とリビングの吹き抜けとは、木製建具によってつながるようになっています。

その他の画像: 

狭小地に建つ木造三階建て住宅

●設計事例の所在地: 
東京都大田区
●面積(坪): 
30.33坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

20坪に満たない狭小地に建つ4人家族のための住宅です。
建て主様のご要望で、外壁はメタリックでモノトーン系の色にしました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

最寄り駅から歩いて5分ほどの閑静な住宅地の20坪に満たない狭小地に建つ木造三階建ての住宅です。
この敷地はもともと北側隣地に建つ住宅の敷地と合わせた約40坪に一戸建て住宅の古家が建っていてその敷地を2つに分割した形で売り出されていました。
幸い建築主が購入された敷地が東南の角地側で前面道路の幅員が6.9mと6.5mと広かったことと、南側道路を境にこちらの敷地までが第1種中高層住居専用地域で道路から南側は第1種低層住居専用地域となっていたため、東面と南面のファサードを工夫するとともに内部の採光と風通しを考慮して開口部を決めました。
また西側隣地には2階建てアパートが、同時に売り出されていた北側隣地には早くも3階 建て住宅が建っていたので、西側と北側には極力開口部は設けずに風通し用に小さな窓のみ設けました。
敷地近くには交通量の多い環状七号線が走っており、排気ガスによる外壁の汚れ等を考慮し外壁はメンテナンスが容易なガルバリウム鋼板を用い、色はシルバーとブラックの2色でデザインしました。
敷地が狭く北側斜線制限の影響を受ける部分は、天井高があまり必要とされない水廻り設備スペースを北側の1ヶ所にまとめることで、コストを下げることもできました。
小さい住宅ながらも各階に収納スペースがあり、生活の中心であるリビング、ダイニングとキッチンを日当たりの良い2階に配置して、1階に主寝室、3階には子供室を配置して子供室へは常に2階リビングを通っていくプランにしました。
また、お子様が幼少であることや機能性を考慮して、玄関ドアを除いて内部の扉はすべて引き戸にしました。
建築主から要望でリビングの壁と天井には、ボーズ製の5.1chスピーカーが設置されています。そのため2階リビングでは、ご夫婦共通の趣味である映画と音楽の鑑賞を十分に楽しめるように2階スペース(リビング、ダイニング、 キッチン、階段室)の壁と天井は、下地に遮音シートを貼ることで遮音性を高めています。さらに2階リビング東面の階段下や南面の一部を収納スペースにすることで道路側に対しての遮音効果も高めています。
リビングに置かれる大型液晶テレビや映像機器がすっきりと納まるようにテレビボードも造り付け家具としてデザインし、所有しているDVDも多いので専用の収納も設けました。またご主人からの要望でおよそ2畳ほどですが、書斎も設けることができました。
3階の子供室は2人の男のお子さんがまだ幼少なのではじめはワンルームで使用し、大きくなった際に仕切って2室に分割できるように収納とエアコンをそれぞれ2ヶ所設け、コンセントや照明器具もそれに合わせて計画しました。

その他の画像: 

ギャラリーのある二世帯住宅

●設計事例の所在地: 
東京都練馬区
●面積(坪): 
73.75坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

敷地と道路とは高低差があり防火地域ということから、地下にカーポートを設けて地上2階建ての鉄筋コンクリート造の二世帯住宅となっています。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

二世帯住宅とギャラリースペースからなるコンクリート打ち放しの2階建てのオール電化住宅です。
最寄り駅から続くバス通りから少し入った閑静な住宅街にこの住宅は建っています。
敷地レベルが道路レベルよりも2m近く高いため地下をカーポートにして外部階段を上って各玄関へとアプローチします。
駅へと続くバス通りは人通りも多く道路からも眺めが良いため、1階部分の道路側にお母様の趣味である陶芸の作品を展示したり、あるいは一般の方にお貸しできるようにギャラリースペースになっています。したがって道路側に面した1階はギャラリースペースのために大きな開口を取っています。
同じく1階の南側はご高齢のお母様が1人で生活をされ、2階にはご夫婦と小さなお子様の3人が生活をされています。
この住宅は高齢者や幼児がいらっしゃるので、玄関ドアを除いて室内はすべて引き戸にして安全性を考慮しています。そのため普段は引き戸を開けることでオープンなスペースとして使い、来客の際には引き戸を閉めることにより仕切ることが容易にできます。
2階住居へは1階の玄関ホールから吹き抜けになった鉄骨階段を上がって入ります。
上がった階段・廊下スペースを境に北側の寝室、子供室があるプライベートスペースと南側のリビング・ダイニング・キッチンや洗面脱衣室・浴室といったパブリックスペースに分かれています。
北側にある寝室と子供室からはバス通りと都営アパートが見えるため、プライバシーを考慮して開口部は縦長のスリット窓にしています。
また子供室はお子様が将来2人に増えることを想定してあらかじめ大きなワンルームにしてあり、2室に分割できるように設計しました。
2階リビングからつながる東側には大きなテラスがあります。外部からの視線を遮るためにルーバーが取り付けてあり、このテラスから差し込む光がリビング全体を明るくして風も通せるようになっています。
内装に関しては、コンクリート打ち放しで全体的に冷たいイメージがあるので、構造体と関係ない間仕切りの壁、建具や造り付け家具はすべて色見が良く、木目が奇麗なシナベニヤを使って暖かい感じに仕上げました。
また、天井についてはコンクリートの強い直線的な感じを解消し、明るくしたかったので曲線を用いデザインして白い漆喰左官仕上げにしました。
一方、1階のお母様の住居部分は内装に関しては全体的に2階の子世帯と同じですが、和室を希望されたのでダイニングに続くリビング部分の床を縁なし畳にし、寝室も畳敷きにしました。

その他の画像: 

借景を取り込んだ家

●設計事例の所在地: 
東京都練馬区
●面積(坪): 
40.08坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

近くの公園の緑を借景として楽しむために、あえて北側の2階にデッキテラスを設け、
外部からの視線を遮るためにルーバーを付けました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

公園の入り口につながる幅員が4mに満たない北側道路に面して建つ夫婦と子供1人の3人家族のための住宅です。
この施主とは土地探しから携わってきました。当時同じく都立公園近くのマンションに住んでおり、環境の良さからこの住み慣れたこの場所に家を建てたいとの理由でこのエリアでの土地探しを始めました。
なかなか希望に合う土地が見つからずにいましたが、ちょうど公園近くに古家が建つ敷地70坪の土地をおよそ30坪と40坪の2区画に分筆する形で売りに出されていました。
既に30坪のほうは売却済みでしたが、幸いにして40坪のほうがまだ残っていたので、早速施主と一緒にその土地を見に行き施主は公園が近くて緑も多く駅からも近いということで大変気に入り即決しました。
まだ古家が解体される前だったので内部を見せていただき2階からの眺め等をチェックし、外部空間をどう内部に取り込み快適な生活を送るかをテーマに設計をしました。
周りには驚くほど緑が豊かに残っており、傾斜によって敷地から東側の公園に向かって低くなっているため2階北側のテラスからは隣家や公園の樹木が借景として眺めることができ、あたかも公園が自分達の庭であるような気分にさせてくれます。
また、2階北側テラスの道路側に面する部分をアルミアングル材によるルーバーで覆うことで内外に対して圧迫感を与えずに風を通しつつプライバシーも確保しています。
見晴らしの良い2階にリビング・ダイニング、1階に書斎とプライベートスペースを真ん中に配した廊下と階段でつなぐプランになっています。内玄関から1階室内すべての段差を無くしているため、玄関扉を開けて入ると上がり框の無い白いタイル貼りの玄関廊下がまっすぐに伸び南側の庭へと続いています。
2階リビング南のハイサイドライトと階段上部のスリット窓からの光が1階の玄関・廊下へと差込み、とかく暗くなりがちな中廊下式プランの欠点を解消しています。
2階リビングは天井高さが3.65mある開放的な空間で、夏は南から入る風が北側上部のガラスルーバー窓から通り抜けます。一方冬は暖かい日差しがリビング全体に当たるので晴れた日の日中はエアコンや床暖房に頼ることなく理想的な環境の中で生活することができます。

その他の画像: 

中庭を挟んだ二世帯住宅

●設計事例の所在地: 
東京都練馬区
●面積(坪): 
50.10坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

ガレージと中庭が一体となっています。ガレージには木製引き戸とルーバーにより、外部からの視線を遮ります。
中庭を挟んでそれぞれ玄関のある親世帯と子世帯の住居が別れており、お互いに付かず離れずの適度な距離感を保っています。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

閑静な住宅地に建つ二世帯住宅で、老朽化した木造住宅の建て替えです。
建て主ご家族からは、女性が多く生活するのでセキュリティを重視しつつ明るくて風通しの良い住まいとの要望がありました。そこで外部に対しては閉じ、内部に対して開放的な中庭をふたつ設けたコートハウスにしました。
隣地側や道路側の外壁面には防犯性を考慮して必要最小限の開口部を設け、大きな開口部は外部から覗かれない中庭に面して設けて採光と通風を確保しました。洗濯物もこの中庭に干すことで外からの視線を遮ります。さらに1階部分の開口部ガラス全てには飛散防止フィルムを貼り、中庭に面する引き違いサッシにはブラインド式の雨戸を設置して防犯性を高めました。
敷地が65坪と都心としては比較的広く、角地による建築面積の緩和も含めた建ぺい率の
60%を最大限活用して出来る限りのスペースを1階に配したプランにしたため、2階には
3人の子供室だけの限りなく平屋に近い2階建てとなっています。全体の平面計画としては、Fの字型をひっくり返した1階にLの字型の2階を乗せたプランとなっています。
そのため、残りの敷地40%のほとんどはふたつの中庭と駐車スペースという外部空間で
占められており、将来自家用車を手放した際には、駐車スペースを無くして中庭を拡張出来るようになっています。
親世帯と子世帯の生活スタイルが異なるので、玄関をはじめ浴室、キッチンなどの水廻り
設備をそれぞれ別々に設けた分離型二世帯住宅となっており、内部での往き来が出来るようにしました。また、家族7人分の自転車があることから自転車置き場を兼ねた広い玄関ガレージを設け、中庭1とこの玄関ガレージとがひとつの大きな外部空間となって奥行きのある広がりを持っています。
親世帯と子世帯とが中庭という外部空間を介してお互いに距離を保ちつつも気配が感じられる二世帯住宅となっています。
親世帯と子世帯とも家族団らんのスペースは屋根に合わせて勾配天井とし、垂木を現しにして空間にリズム感を持たせました。また、ハイサイドライトを設けることで日中の光が深く
差し込んで風が抜けるようにしました。
2階の子供室へは、パブリックスペースであるリビング・ダイニング・キッチンを通って
行くように階段を配しました。そして3つの子供室は、3人がそれぞれ自分の部屋の引き戸の色と照明器具を選んでおり、個性豊かな子供室となっています。
また子世帯の住居部分では、奥様の希望で使い勝手を重視したシンプルなオールステンレスのキッチンとレトロな照明器具で空間を演出しています。

その他の画像: 

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