ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

とある家づくりの現場。

午前中の打ち合わせの様子なのですが。

テーブル代わりに使った石膏ボードの上に、

気持ちいい光が差し込んできていました。

太陽高度が低くなっている、この時期で、

これだけの日差しがあると、心地よいでしょうね。

さらに。

実は、このスペースは、大きな吹き抜けがあって、

よりたくさんの光が差し込んできます。

今は、吹き抜けまわりの工事をするため、

吹き抜けは仮設で塞がっています。

それで、この日差しですから。

すごくないです?

夏暑いでしょう?と思われますよね。

大丈夫。

外付けの電動ブラインドを設置しますので。

しっかりと日射をコントロールできます。

工事中ですが、過ごしやすい環境の中、

落ち着いてしっかりと現場の打ち合わせできました。

午後は、こちらの現場へ。

基礎がきれいに打ちあがっていました。

丁寧な仕事。ありがたいですね。

街中の家ということもあって、敷地いっぱいまで使って

計画されてることがわかります。

敷地に対して、建物の建てる割合(建ぺい率)が、

80%もあるので、ここまで建てることができるんです。

60%であれば、手前に駐車場を確保して、ちょうどいいくらい。

こちらの現場。

実は、来週に建前なんです。

木造3階の建物なのですが、一日では立ちあがらない予定。。

最近の木造住宅は、事前に部材が工場で加工されているので、

一日で屋根までかかるケースがほとんど。

では。なぜ、こちらの家が一日で難しいのかというと。。

前面道路のいい場所に、電線が走っていることと

敷地内に、レッカーを据えるスペースがないことから、

手組(材料を人力で持ち上げたりする)になりそうなので。

結構大変ですよ。

ちなみに。

こういった狭小敷地になれた工務店でないと、

この辺の判断や対処は難しいかもしれません。

設計もですが。

狭小・変形敷地の場合は、慣れた設計、施工者に

依頼することをお勧めします。

こちらでも、何度か登場していますが。

昨日、ライオンの親子と家づくりの打ち合わせでした(笑)

なかなかお忙しいお客様ゆえ、オフィスへおじゃまして

お話させていただきました。

前回までに、外部、内部の色を決めていただいたので、

その不足分の確認からスタート。

その後、カーテン類をセレクトしたり、ご提案したり。

スイッチやコンセントの位置を確認したり。

給湯の必要な個所を確認したり。

ちょっとした細かな内容ではあるのですが、

暮らしに直接影響する内容でもあるので、

一つずつ、しっかりと説明しながら、進めていきました。

細かなところはお任せで。

それも一つの家づくりのスタイルなのですが、

機能的な側面に限っては、やはり、しっかりと

確認しながら、自分なりの意思を盛り込んだ方がよいかなと

思っています。

私の場合は、細かなところまで、しっかりとうかがうタイプ。

なので。

時間はかかりますが、納得しながら進めていけます。

そういった丁寧な家づくりをさせていただいてます。

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

とある家づくりの打ち合わせからスタート。

お客様の家のポーチに置かれたベンチとオブジェ。

なんとも、すごくいい雰囲気。

そうそう。

こちらの外壁。画像ではかなりくすんで見えていますが、

実物は、かなりきれいです。

色が白いのに、この程度の汚れというのもビックリですが、

建設当初から数十年間、ノーメンテなんだそうです。

劣化した様子はなく、塗り替えも必要ないので、しないそうです。

(もちろん、塗り替えしてもよいでしょうけど)

おそらくですが。

水をかけたりしながら、清掃すれば、

当初の色合いが復活してくると思います。

この外壁なんだ?ってなりますよね。

その気持ちわかります。

こちら。

樹脂でできたサイディングなんです。

表面に塗装しているわけでなく、素材に顔料混ぜてるので、

色褪せの可能性はとても低い。

それともう一つ大事なポイントは。。

コーキングを使わないことです。

劣化につながる部分は少ないって効果的です。

すごい外壁材!と思われたと思いますが。。

採用に際しては、いろいろと注意点があったりします。

ネットではなかなか書かれてないことなのですが。。

詳しいこと知りたい方は、お問い合わせください。

こそッとお伝えしますので(笑)

それはさておき。

こちらの家づくりでは、間取りの話は中心でした。

普段お忙しい方なのですが、お休みでご自宅ということもあって、

ゆっくりを落ち着いてお話できたので、よかったです。

午後は、とある家づくりの現場へ。

ちょうど、基礎の立ち上がり部分のコンクリートを打つところです。

その前に、基礎と上屋を緊結するために必要なアンカーボルトの

取付位置について、現地確認をしてきました。

午後イチでコンクリートと聞いていたので、間に合わないかな。。。

と思って急いでいったのですが、何とか間に合いました!

一本ずつ、位置を確認して、気になったところは、

基礎屋さんに伝えて、変更していただきました。

しっかりチェックできてよかったです。

先ほどの現場の近くにある川と緑地帯。

川の流れは静かですし、しっかり育った植栽が、

いい日影をつくっていて、すごくいい空気が流れていました。

植栽のある場所に、遊歩道があるので、

散歩なんかすると、体にいいのかなって思いました。

家の近くに、こういった場所があるって、

羨ましいですね。

こちら。

とあるお客様の家の天井に設置されていたシャンデリア!!

すごく上品で、ゴージャスですよね。

見た目のゴージャスな印象とは裏腹に、

その照明の光は、とてもやさしくて、打ち合わせ中、

書類も見やすいし、目に負担のかかる感じもありませんでした。

打合せでは、窓のお話が中心。

私が事前に準備したご提案の窓の図面を見ながら、

ご自宅の窓を測りながら、一つずつ、

大きさや開き勝手等を決めていきました。

出先では、測りながらというのが難しいので、

ご自宅での打ち合わせならではですね。

机上だけでなく、実際の体感をもとに家づくりを

進めていくと、間違いないと思いますよ。

そんな丁寧な家づくりさせていただいてます。

ユーザー 南俊治建築研究所 南俊治 の写真

スキップフロアは平面図だけでは空間は把握できにくく、また面積も不明解なので費用算定は簡単ではありません。その場合は断面図から延べ面積を算定し、坪単価100〜90万円を掛けると相場感が、概ね算出できるのではないでしょうか?

一級建築士 南俊治

ユーザー 大島功市建築研究所 一級建築士事務所 大島功市 の写真

スキップフロアの費用…2001年完成のヤマザキアパートメントを紹介しようと思います!
http://ohkokk.boo.jp/yamazaki.html
この建物は写真のように半階づつスキップした両棟を階段でつないだワンルームの集合住宅です!
さて肝心のスキップフロアの費用ですが…普通の建て方と比べて建築費的には変わらないように思います。
このようなRC造の場合、型枠の手間が余計にかかりそうですが…施工会社さんと密な打合せを重ねれば大丈夫です。
要は密な打合せとお互いの意思疎通が大切だということですね(^^)/~~~

I-3605、ホテル建築を検討しております(京都府在住・建設予定地は兵庫県・大阪府)

ユーザー 播磨 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
京都府
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

神戸市三宮駅前、大阪市日本橋でホテル建築を検討しております。
 
設計の件でご相談したく依頼させて頂きました。
 
宜しくお願い致します。
 
建築家の所在地について:
建築家の所在地にはこだわらない





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

先日ご紹介した、こちらの家。

かなり反響がありました。

グレイッシュな色合いや素材感が、

とてもいい雰囲気なんだそうです。

昨日、こちらの家では、建築基準法に適合してるかを確認する、

完了検査が行われ、立ち会ってきました。

検査員とともに、家のアチコチを見ながら、

いろいろチェックしてもらいました。

もちろん。

私が工事中にもしっかりチェックしながら進めているので

まったく問題ないんですけどね。

それでも、第三者にしっかりと確認してもらうことって

大事ですから。

検査に来てくれた検査員ですが、

偶然にも、今年だけでも何件か検査をしてもらっていて、

顔見知りな感じ。

(でも、公私混同はしませんよ。しっかり検査しました)

検査で、いろんな家をご覧になるそうなのですが、

やはり、建築家が関わる家の検査は、楽しみ(笑)みたい。

いろんな工夫がしてあったり、見た目がおしゃれだったりするそうです。

こちらのインテリアも気に入っていただけたようです。

何だか、仕事で、いろんな家を見学できるなんて。

家づくり大好きな私からすると、羨ましいなって思いました。

それはさておき。

検査が完了しましたので、あとは、外構工事を進めながら、

お客様の検査→手直しを進めたら、いよいよ引き渡しです。

グレイッシュなインテリアということで、

ふと思い出した写真がこちら。

普通に、カラーのカメラで撮影しているんですよ。

でも。

このグレイッシュな感じ。

素敵ですよね。

一枚目と大きく違うのは、木目の取り入れ方です。

床に使ったフローリング。

木目の質感はしっかりありつつ、かなり濃い目のグレー。

それに。

階段はスチールではなく、木製のスケルトンで、

踏板は、廊下の床に色合わせして、着色してあります。

ウォルナットのような色合いでも、シックな雰囲気は

演出できるのですが、グレイッシュにすることで、

もっとクールな感じにまとまります。

ちなみに。

階段は、木目をなくすような塗装も可能だったのですが、

木目は残しています。

木材への塗料の吸い込みムラが、自然と

いいムラ感を演出してくれています。

塗りつぶしてしまうと、その表情はわかりませんから。

少し角度を変えています。

ハコ型の階段とスケルトンの階段の組み合わせ。

これはこれで、かっこいいですよね。

ちなみに。

ハコ型階段の先端は鋭角になっていますが、

これって、普通につくったら、こうはなりません。

この見せ方をしたくて、かなり工夫がされているんです。

ミニマルなデザインって。

こういった細かなところまで、しっかりと意識していくことが必要です。

シンプルなデザインとは、違います。

それと。

全然関係ないのですが。。

さりげなく置かれたアートに、お客様のセンスを感じます。

家の中に、アートを取り入れる。

素敵ですよね。

居住性、換気空調など設備面も留意したオーディオルーム・梶垣建築事務所 梶垣宏さん

オーディオルームは長時間滞在する部屋であることから快適に過ごせるインテリアや照明などの居住性、換気空調など設備面も留意することが必要です。
 
オーディオルームについて梶垣建築事務所 梶垣宏さんに伺いました。

お話を伺った建築家

 

ユーザー 梶垣建築事務所 梶垣宏 の写真
福岡市南区柳河内2-8-16
090-2961-0282

貴社がオーディオルームを手がけるようになったきっかけがありましたら教えて下さい

 
オーディオが趣味の施主から新築住宅の設計を依頼されたのがきっかけです。
私自身 学生時代から洋楽ポップス、クラシック鑑賞が趣味で楽器演奏の経験があることから、音響、音楽に関するこだわりの住宅設計は魅力的な仕事でした。

オーディオルームで注意する点があれば教えて下さい

 
防音性の高い密閉された部屋にすることが重要です。音響空間としては天井高さ、スピーカーからの距離、床・壁・天井材料の剛性、吸音と反射音の割合、音響機器の配置など 部屋の規模と仕様を綿密に計画します。
また長時間滞在する部屋であることから快適に過ごせるインテリアや照明などの居住性、換気空調など設備面も留意することが必要です。
 

オーディオルームの仕上げはどのようなものを採用していますか?

 
閉鎖的な空間になるので居心地の良さに配慮します。
床は硬質の無垢フローリング、壁、天井は剛性を高めるため木質系のシナ合板を二重張り、吸音材は断熱材と兼ねたロックウールを充填しスピーカーに使用されているものと同様のサランネットで仕上げ、照明は壁面に調光可能な間接照明とし音響空間にふさわしい質感を重視したインテリアとします。

オーディオルームの費用はどれくらいでしょうか?

 
どこまでこだわるかによって大きく変わるので一概には言えませんが、個室に関わる工事費用+α(数十万円~数百万円程度)と考えていただければよいと思います。

オーディオルームの防音はどのようにしていますか?

 
鉄筋コンクリート造の部屋が理想です。
木造の場合は遮音材及び仕上げ下地材の比重を大きくします。
 
扉は構造に関わらず気密性の高い遮音仕様の鋼製建具とします。
また外部とつながる換気設備やエアコンは専用の部材を使用します。

西新の家で工夫した点を教えて下さい

「西新の家」は変形地に建つ3階建ての狭小住宅です。
1階は鉄筋コンクリート造のオーディオルームとガレージ、2,3階は木造の居住スペースとしました。
鉄筋コンクリート造と木造の混構造にすることでオーディオルームの音響性能と住宅としての快適性を確保しました。
 
オーディオルームの詳細は石井伸一郎氏が提唱する石井式リスニングルーム理論に基づき部屋の縦横寸法、吸音と反射音の比率を計算し、理想の音響空間を実現しています。
一方2,3階の居住空間は閉鎖的なオーディオルームに対して、階段を中心とした明るく開放的なスキップフロア空間が展開されています。

地下のオーディオルームも設計していただけますか?

 
地下室の場合、西新の家のように鉄筋コンクリート造になりますのでもちろん設計は可能です。
防音性能に加え、防水や結露などに留意した設計が必要です。

オーディオルームをDIYで作りたい方のサポートなどもやっていただけますか?

 
防音性能を保つため精度の高い施工能力が必要です。
DIYでは難しい面がありますが、アドバイス程度はさせていただけます。

オーディオルームのリフォームなどもやっていただけますか?

 
もちろんです。
オーディオルームに限らず、ホームシアター、ピアノ室など防音性能が必要な音響空間の増改修も設計させていただきます。

オーディオルームのある家を建てたいと思っている方になにかアドバイスがありましたら教えて下さい

音響、映像、楽器専用の部屋を活用してプライベイトの時間を楽しむことができます。
プロジェクターとスクリーンを設置した本格的なホームシアター、大音量で楽器演奏が可能なスタジオ、カラオケ専用室など 趣味の世界は多方面に広がります。
オーディオルームのノウハウを生かして「自分時間」のお手伝いができれば幸いです。

梶垣建築事務所 梶垣宏さんのオーディオルーム・設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
西新の家

狭小変形地に建つ3階建スキップフロア住宅

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

真壁の和室に取り付けた建具は。。

アンティークの無双板戸なんです。

お客様が、いろいろと検討されて購入されたもので、

昨日、現場へ搬入されたところで、取付ホヤホヤです(笑)

無双板戸って、聞きなれないかもしれませんね。

板戸は、文字の通り、木の板でできた戸のことです。

何も細工のないフラットな戸になります。

そして、無双とは、無双窓のことを言ってます。

(こちらより借用:無双窓/夢想窓(むそうまど)の意味 - goo国語辞書)

同じ幅の板を並べて取付、前後をスライドさせると、

スリットが開いたり、しまったりする窓のこと。

なので。

無双板戸というと、板戸の中に、無双窓があるタイプという意味で、

一枚目の画像は、そのタイプですよね。

無双窓が、いいアクセントにもなりますし、

開閉させることで、風通しを確保したり止めたりできます。

そうそう。

話は戻りますが、すごくいい味出していました。

アンティークならではなんだと思います。

こういったアンティークの建具ですが、

そのままのサイズで取り入れるというのも一つです。

というか。

アンティーク建具を購入してくるだけであれば、そうなりますよね。

ただし、その場合、高さがかなり低くなります。

昔の建具寸法ですので、おそらく私の頭がギリギリ当たります。

こちらの家では、購入先のアンティーク屋さんで、

寸法に合わせて、不足分を継ぎ足したりして、

家に合わせて建具を加工してくれました。

(調整する高さや幅には限界があるようですが。。)

その加工がどうかな?と思っていましたが、

実物見たら、加工したことがわからないほどの仕上がりでした。

寸法も指定通りで、枠にドンピシャだったので、よかったです。

こんな風に、アンティークの建具や家具を

インテリアに取り入れるって、素敵だなって思いますよね。

全然関係ないのですが。

昨日、こちらの現場では、建築確認の完了検査でした。

もちろん。問題なしで合格でしたよ。

これから、引き渡しに向けて、最終仕上げと外構工事が

進んでいきます。

仕上がり楽しみですね。

夕方から、とある工務店の方と初面談に行ってきました。

まずは、雑談からスタート。

営業の方が、お話上手で、流れるように話が進んでいきました。

どんな工務店で、どんなお仕事をしていて、

どれくらいの規模なのか、何が得意で、何ができるのか。

その辺も、それとなくお聞きしつつ。。

私も設計事務所として、どんな活動をしていて、

どんな家づくりを、どんなスタンスで行っているのか。

その辺もしっかりお伝えしました。

その中でも、体に優しい家づくりということについては

共通していたようで、かなり詳しくお話してきました。

今後、そういった家づくりを含めて、いろいろと協力しながら、

関わりを持っていけそうだと感じました。

弊社は、工事部門をあえて持っていません。

設計事務所として、お客様の代理として、

客観的な立場から家づくりをサポートしたいので。

なので。

工事をしていただける工務店との出会いは、

とても重要です。

慎重ながらも、いろんな工務店の方とコミュニケート

しています。

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

まずはじめに書いて欲しいことは、
「なぜ設計事務所に依頼したのか?」
という具体的な理由です。 

今までの経験では、設計事務所に設計依頼をされた建築主さんは、必ず明確な理由を持っていらっしゃいます。 

それは希望する住まい全体に関するこだわりや住まいのこの部分をこのようにしたいなど、ある空間について具体的な要望を少なくとも一つを私どもに明示されます。 

逆を言えば、こだわりが全く無かったり、自分たちの住まいについてこうありたいという部分がひとつも無い方は、設計事務所に依頼はされないでしょう。
 
なので、設計依頼メールでは、自分たちの住まいに対する思いや希望を書ける範囲で結構ですので、こちらへ伝えてほしいのです。 

また、設計をするうえで不可欠な土地についても出来たら書いてほしい内容です。 

既に建設する土地をお持ちなのか?
それともこれから土地を探されるのか?
または土地を探しているところで気になる土地が見つかったのか?
など現在の状況を教えていただけると幸いです。

自分の好きな間取りで独自の住空間に住むことができるコーポラティブハウス・建築・都市設計インタースタディオ 笹木篤さん

コーポラティブハウスとは希望者が集まって組合を組織して、土地購入+集合住宅を建築するものです。
複数の個人・家族が共同で集合住宅を建てるので、建築主から見れば一般的な建売分譲タイプとは違って、それなりに自由に設計できます。
 
コーポラティブハウスについて建築・都市設計インタースタディオ 笹木篤さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 建築・都市設計インタースタディオ 笹木篤 の写真
愛媛県東温市河之内4885 「一畳庵」
089-966-4288

 

コーポラティブハウスは一般的な集合住宅にくらべてどのようなメリット・デメリットがありますか?

まず、コーポラティヴハウスは日本ではあまり知られていないので、簡単に説明します。

コーポラティヴハウスとは

希望者が集まって組合を組織して、土地購入+集合住宅を建築するものです。複数の個人・家族が共同で集合住宅を建てるので、建築主から見れば一般的な建売分譲タイプとは違って、それなりに自由に設計できます。
ただし集合住宅であり、区分所有法に則って建てられるため、戸建て住宅に比べれば多くの制約があります。
そのため、自分たちで組合を組織してルールを作る必要があります。
 
ドイツでは集合住宅の約3割がコーポラティヴ方式と言われていますが、日本では殆ど知られてもいないのが現実だと思います。
所有に対する認識、都市生活や共同生活に対する認識に隔たりがあるのだろうと思います。

メリットとデメリット(建築主側から見て)

 

<メリット>

  1. 自分の好きな間取りで、独自の住空間に住むことができる。→→満足感
  2. 自分の好きな外観や空間を共同で所有することになる。→→住むことに満足感や充足感が得られる。
  3. 住民自治が基本であり、住民同士の交流が深まり、良好なコミュニティを作りやすい環境になる。
  4. 不動産売買における手数料が安くなる可能性がある。(土地、建物、権利調整の有無などで変わりますが。)
  5. 建築行為におけるお金の動きが透明になる。余計な疑いや憶測をせずに済む。
  6. 転売が有利になる場合もある。(独自の空間と外観なので希少価値が生まれる。)
  7. 設計・工事・管理運営の過程で、社会への順応性を得ることができる。→→人生にプラスになる。

 

デメリット

  1. 手続きが面倒くさい。(土地の購入、権利割合の決定、度重なる協議、建築設計行為への関りなど) このような行為に対して強い関心と粘り強さが求められる。
    住民自治が基本なので、やることが多く、責任意識の重圧が苦手な人には不向き。
  2. そもそも区分所有法による「所有権」であるので、使い方・住み方に制限がある。(建売分譲タイプも同じ。)
  3. 住人同士の関わり合いが比較的濃密になるので、これが苦手な人には不向き。
  4. 転売が難しい場合もある。(独自の空間になるので、他の人から見てライフスタイルに合わない場合もある。)
  5. 他の住人や設計者の意見と合わない場合がどうしても起こる。→→許容範囲内の譲歩に収まるかどうか。途中棄権の可能性もある。

 

コーポラティブハウスでも住宅ローンの融資を受けることは可能でしょうか?

 
はい。特に問題はなかったと思います。

コーポラティブハウスの管理は誰がやるのでしょうか?

 
住民自治が基本です。
 
少々複雑になりますが、管理における問題点を説明します。
計画・建設段階では参加者(権利者)は建設組合または再建組合を作り、竣工後の運営に関しては管理組合を作って対応します。
この流れがスムーズに行われるためには参加者の中で派閥化せず、信頼関係が築かれることが大切です。
 
かつての「ムラ意識」にも通ずるところがあります。
「ムラ」というコミュニティには当然良し悪し両面がありますが、適度に近い距離感をお互いに取る、という感覚が肝要だと思います。
そのための配慮が設計者にも求められます。
 
阪神大震災後にマンション管理士制度が創設されて、上記の管理組合の運営を請け負う会社が生まれました。
しかし管理会社が行うのは日常的な清掃やメンテナンスの代行などの軽い業務であり、本質的な問題解決の場面ではほとんど役に立たない、という印象を持っています。
 
個人差はありますが、彼らの職業的立場と能力では、土地や建物の権利調整を行うことはできません。
権利者間で発生する利害関係の整理と問題解決に対しても同様です。(あくまでも個人差はあります。)
 
計画・建設段階においてはこれらの問題を事前に整理して難関を突破すること、これがコーポラティヴの事業にとって最も大切な局面ですが、これを国家資格者に頼ることができない、ということを肝に銘ずるべきです。
あくまでも住民自治を貫くことが肝要で、それが叶えば、他からの支援を生かすことができます。

「コーポラティブハウス 魚崎市場再建」の依頼者からはどんな要望がありましたか?その要望をどのようにかなえましたか? 

 
この質問に答える前に、コーポラティヴには2つの種類があると私は考えています。

① 積極的コーポラティヴ
自らの意志で参加するもの
② 消極的コーポラティヴ
外的な要因で参加するもの

① は、ごく一般的にコーポラティヴと呼ばれるタイプで、かつての都住創などが手掛けていたものです。
② は、他に良い解決策がない時に選択する場合です。
 
既存不適格の敷地に再建する選択肢として、共同化が避けられない場合などに発生します。
災害の被災地や、都市の再開発などによる場合が想定されます。
この場合は①と異なり、コーポラティヴとは何かを知らずに参加する権利者がほとんどです。
魚崎市場は②にあたります。私はこれを一つ経験しただけなので、コーポラティヴの建築経験者と言えるほどの資格はありません。
 
以下は、一つの実例から感じたこと、としてお読みください。
 
ケース②では①と異なり、自らの好みと意志に基づいてコーポラティヴを選択しているわけではないので、まずコーポラティヴとは何かを細かく繰り返し説明する必要があります。
全員がよく理解した上で決議をとらねばなりません。
なかなかむずかしいポイントです。
 
また、権利上あるいは経済上他の選択肢がない参加者もいるので、大枠については設計者やコンサルに全面的にお任せする、という方も多くいます。
魚崎市場では、災害復興という局面もあって住民同士とコンサル・設計者の協力が重要だとの認識が強くあり、設計段階においてはかなりまとまりがよかったという印象を持っています。
 
「権利調整」→「住戸の選択」→「権利の再調整」→「住戸の決定」→「基本ルールの確認」→「内装などの希望の聴取」→「設計調整」→「基本設計の決定」
という大まかな流れの中で、各局面ごとに希望を聞きながら全体調整を繰り返しました。

前半の「権利調整」に関する作業を具体的に説明すると、借地権を土地の所有権に変換し、所有する権利に応じて住戸の面積を割り当て、設計上可能な住戸配置と擦り合わせながら権利者全員で取得住戸を決め、所有権利とのズレをお金に換算して差額を調整する、という内容でした。
 
どれだけの広さの住戸に対して費用がいくらなのか?が、参加者のもっとも強い関心事でした。
内装や設備に関する要望はいろいろありましたが、集合住宅の制約の中で叶えられるものとそうでないものを説明し各参加者と個別協議を重ねて、設計を固めて行きました。
 
メリットデメリット含めて理解することで、専門家と権利者・参加者との信頼関係が生まれます。
信頼関係の構築は事業がうまく進行するかどうかを占う非常に重要なポイントになりますので、ここには多くのエネルギーや時間が費やされねばなりません。

コーポラティブハウスを建てたい方にアドバイスがあればお願いします

建築主と設計者、双方への進言です。

◆集合住宅の権利・・・・・・区分所有法

集合住宅の所有権の在り方について、細かい説明を受けて理解することが事業を進める上での大前提となります。
区分所有法は、あえて「所有」という単語を使用することに何の意図が託されているのか??この点を理解する必要があります。
 
法律用語とは時に政治的な言い回しになります。
本来ならば、区分所有法における「所有の概念」は、むしろ「使用権」だと捉える方が自然だと思います。
(中国における所有権とよく似ているのかもしれません。)
 
区分所有法の具体的な説明は、この場では省略いたしますが、本質的な意味を設計者がよく理解し、参加者全員も理解した上で事業を進めることが重要だと思います。
現行の分譲マンション販売業者はこれを怠っているのが通常ですので、多くの購入者は現実を知った時に相当の衝撃を受けることが多いようです。
 
説明と理解が完全ではないまま、進行途中の段階で、参加者にとって期待を裏切られたと思われた時には大きなトラブルに発展することがあります。
私の場合も途中棄権された方がありました。
が、幸運にもすぐに新たな参加希望者が現れ、事業は順調に進むことができました。

◆業務の範囲と報酬

設計者の業務は多岐に亘り作業量も非常に多く、建築士法下に定める報酬基準にはあてはまらないことは確実だと思います。
(あくまでも実感レベルです。)
通常の難易度の高い設計業務報酬の2倍程度の報酬が必要になるはずです。
 
私の場合はコンサルとの協働で作業を分担しましたが、コンサルの報酬基準がありませんでしたので、設計報酬の中に組み込みました。
コーポラティヴの設計報酬基準と、コンサルの報酬基準を明確に定めるべきだと思います。
 
都住創の場合は独自の基準を設けていたと関係者から聞いています。
日本ではなかなか広まらないコーポラティヴを進めるためにも報酬基準を一般化して、作業内容を社会的に認知させる必要があります。
 

◆適用性

メリットとデメリットの項目で示したように、人間関係の作り方が重要な鍵になります。
コーポラティブ方式が持つ一種の社会学習効果によって、人生が豊かになケースは少なくないと思います。
1世帯の人口が少ない、老人や弱者の孤独死が多い、世間と没交渉に陥りやすい、などの傾向が強い現代の社会では、コーポラティヴ方式の住宅の役割は大きいはずです。
 
西欧ではコーポラティヴは広く利用されているが、日本では根強い抵抗があるのは何故なのか?
この点を分析してコーポラティヴの事例をもっと増やすようにさまざまな方面から働きかけるべきだと思っています。

建築・都市設計インタースタディオ 笹木篤さんのコーポラティブハウス設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
コーポラティブハウス 魚崎市場再建

震災復興という特殊な条件下ではありますが、全くゼロからスタートした純然たるコーポラティブです。白紙の状態から各家族にヒアリングを行い、住戸割りや構造などを段階的に決めて行きました。その過程で各住民の方々には譲歩や調整をしていただきました。

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