コンパクトに最大限の収納力を持つパントリー・有限会社滝下秀之建築アトリエ 滝下秀之さん

パントリーを設置する場合、その分床面積が多くなるわけですので、できるだけコンパクトに最大限の収納力を持ち、かつコストがかからない工夫が必要です。
パントリーについて有限会社滝下秀之建築アトリエ 滝下秀之さんに伺いました。

↑プライバシーを尊重した(完全)二世帯住宅・パントリー内部。正面扉を開けるとサービスバルコニー(生ゴミ等置場)
パントリーとはなんですか
食料品・調理器具・食器類などを収納する、キッチンに隣接したスペースです。

↑ガレージギャラリーのある家・正面奥の引き戸がパントリーの扉
貴社がパントリーのある家を手がけるようになったきっかけがあれば教えてください
約10年程前から、パントリー,ウォークインクローゼット,シューズクローク等の要望がお施主様から聞かれるようになりました。
弊社は、その以前から大家族の二世帯住宅などでパントリーを設置したことは何度もあります。
きっかけは特にありません。

↑ガレージギャラリーのある家・パントリー内部、勝手口を兼ねる。左側がキッチン。
パントリーの棚はどのようなものですか?
工事予算にもよりますが、大半は12mmの合板にペンキ仕上げ、中には家具仕様のポリ合板フラッシュにする場合もあります。
いずれにしても、高さが変更できるよう可動棚にしています。
パントリーの棚の奥行きはどれぐらいにしていますか?
食料品を収納する場合は、12cm~22cm程度。食器や調理器具を収納する場合は、18cm~25cm程度にしています。
パントリーの壁の両面を棚にする場合が多いので、片方は奥行きを少なくする等、打ち合わせを入念にして寸法を決定してゆきます。

↑ライトコートとオープンテラスがある家・キッチンと背面パントリー
パントリーの扉はどのようにしていますか?
弊社では、パントリーはコンパクトでありながら、
- 最大限の収納力
- 風通しの良いスペース
を心掛けています。
そのため扉はなし、または引き込み戸にすることが多いです。
また、1階にキッチン、パントリーがある場合、パントリーに勝手口を設置するケースもあります。
それは、
- キッチンから見ていかにも勝手口ドアとわかる扉が美しくない事
- 奥様が買い物から帰り、すぐパントリーに収納できる合理性
からです。

↑ライトコートとオープンテラスがある家・奥に見える棚が、食品専用パントリー
ライトコートとオープンテラスがある家で工夫した点を教えてください
男児4人の育児と家事を同時に行う奥様の家事導線を最小限にする平面プランを模索しました。
そのため、キッチンからパントリー、洗面脱衣、浴室に直接行けるよう、パントリーと洗面・脱衣の間に引き戸を設置しました。
また、奥様がキッチンに立つと家族全員が見渡せるような位置にキッチンを配置しました。
ライトコートとオープンテラスがある家・間取り

パントリーの広さはどれくらいがいいのでしょうか?
広さは、
- 工事予算
- 家族の人数
- その他のキッチン廻りの収納具合
等によって異なりますが、壁の両面を棚にする場合、巾は1,062~1,213mm、奥行きは1,820mm程度にすることが多いです。
ただし、パントリー内に冷蔵庫を収納する場合は、巾は1,517mm~1,820mmにしています。
また弊社では、同時にキッチン背面にキッチン作業台を兼ねた、引き戸付パントリーを数多く設置しています。
作業台下には電子レンジ、大きな鍋等、作業台の上には電気ポット、コーヒーメーカー、炊飯器等、作業台の上の棚には食器、食品等を収納します。
このスタイリッシュで便利なキッチン背面パントリーは、大変好評です。

↑3つのデッキテラスを囲むコートハウス・キッチンと側面に扉なし(ロールブラインド付き)の食品庫
パントリーのある家を建てたい方にアドバイスがあればお願いします
パントリーを設置する場合、その分床面積が多くなるわけですので、できるだけコンパクトに最大限の収納力を持ち、かつコストがかからない工夫が必要です。
それは、ウォークインクローゼット、シューズクローク、ロフト等にも同じようなことが言えます。
弊社では、コストをかけずに収納力のある住宅を目指し、各部屋に適材適所の収納を心掛けています。

↑3つのデッキテラスを囲むコートハウス・キッチン背面パントリー。作業台はキッチンの高さ85cm。作業台下部棚には電子レンジなど家電と大きめの鍋や皿を奥。上部棚は食器棚
有限会社滝下秀之建築アトリエ 滝下秀之さんのパントリー・設計事例
画像 | 建物の名称 | 紹介文 |
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![]() | ライトコートとオープンテラスがある家 | 30代前半の夫婦と4人のお子さんの6人家族が住むこの家は、それぞれの部屋面積は小さめですがそれを感じない空間構成やアイディアを駆使して、5・L・DKで延床面積は39.55坪、総工費は2,000万円台前半に抑えるえることができました。 |
![]() | デッキテラスを囲む(店舗併用)二世帯住宅 | この飲食店併用の二世帯住宅は、前面道路から見ると建物全体が趣きのある店舗に見えるようにデザインしました。小窓をランダムに配置した外観は、特に夜間は大きな行燈のように周囲の景色を和らげています。 |
![]() | ガレージギャラリーのある白い家 | 外観は最小限の小窓だけで、一見閉鎖的に見える白い家ですが、一旦室内に入ると信じられないほど明るく開放的で、風が通り抜ける気持ちの良い家です。なぜなら、4ヶ所の外部吹抜けと、3ヶ所の内部吹抜けが建物を縦に抜けているからです。 |
![]() | 3つのデッキテラスを囲むコートハウス | 当敷地は、長い間更地であったため、東・西・南の各隣家は通常以上に大きな窓がこちら側に向いている状況でした。 |
![]() | プライバシーを尊重した(完全)二世帯住宅 | 今回新築するにあたって一緒に住まう親子は、食事,風呂,就寝等の時間帯が全く異なります。又、子世帯の夫婦は、平日の夜や休日の昼間、友達を招き歌の練習をするという話でした。そこで、建物としては一棟に見えますが、玄関,キッチン,風呂,便所等全てが別々の完全二世帯住宅を提案しました。 |
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