光をつかむ家

●設計事例の所在地: 
埼玉県川口市
●面積(坪): 
19.87坪 / 65.71㎡
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

朝の光は美しいです。綺麗で。その美しい光を、吹き抜け越しに取り込んだ景色。この光景を見た時、思わず「お~」と声を上げてしまいました。自分で設計したはずなのに。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

施主の想い
住まいの建て替えの依頼でした。元々、2階は明るいので、この明るさのある家にしたい。植物を育てるのが好き。暴風雨の時に、モノが飛んできてガラスを割らないか不安。大勢の家族が集まるので、皆で集まれる場所が欲しい。今ある様な塀が欲しい。
(具体的な要望に隠れた、言葉になっていない要望をくみとりながら設計しました。)

要望のポイント
・2階は今の明るさが欲しい(明るい家)
・暴風雨の時の不安(安心感を持って暮らす)
・塀が欲しい(プライバシーを大事に)
・植物を育てたい。(植物・小物と好きなモノに囲まれた生活)
※()内は、言葉にならない、要望をくみ取った内容

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

敷地は、東京近くの住宅密集地。南側道路だが向いには3階建ての家が並んでいて、1階は殆ど日影になっています。敷地面積は63㎡と小さく、建築面積ギリギリの2階建てとする事から計画はスタートしました。

建て替え前の2階の明るさを話してくれた施主に、1階も明るい家をお渡ししたいなと考え、吹き抜けから光を取り込み、1階まで明るい家とする事を考えました。2階からしか入らない直射日光を、「つかまえ」吹抜けから、滝の様に光が流れ落ち、家の色々なところに光が届く設計をしました。

光をつかまえる吹抜け部分は、家の中の半屋外的な場所だと考え、壁には外壁で使う下見板張りという、木の板張りをし、屋外的な雰囲気を創り出しています。

暴風雨の時の不安解消の為、窓には、木の格子であるルーバーをつけモノが飛んできてもガラスが割れない様にしました。このルーバー格子は、場所によって隙間間隔が異なります。2階窓は、夏は昼間光が入り過ぎない、冬は光がしっかり入る間隔にしており、1階は間隔を大きくして少しでも光が入る様にしています。塀のルーバーはプライバシーを重視して覗かれない様、間隔を狭めています。暴風雨の時の不安の話を施主からされ、雨風に限らず、安心して暮らせる住まいを望んでいるんだと考えました。箱型の四角い形には、ガシっとした独特の力強さがあり、構造的にも心理的にも安定感のある建築になっています。生活をまもるしっかりした住まいの形にしようと、箱型にこだわって設計をしました。
外壁は、墨を入れた左官仕上。グレーの左官基材に、墨を入れてコテ塗りしています。斑が入った感じのニュアンスがでた仕上で、左官職人さんの腕が極上でした。めちゃくちゃ上手いです。

植物を育てるのが好きという施主。建て替え前もベランダで鉢植えをしたり、室内に観葉植物を飾ったりしていました。そこで、大きめのルーフバルコニーをつくり、植木鉢で植物を育てる場所をつくりました。また、建て替え前のお住まいに伺ったところ、観葉植物と一緒に、小物なども上手に飾られていました。そこで、小物を飾られる飾り棚や、出窓をつくっています。この出窓は、建築面積に入らない為、部屋をゆったりさせてくれます。2.7m巾の出窓は通常より広く小さな部屋の様な余白になっています。床からの高さを70cmとする事で、ちょっとしたベンチにも、飾り棚にもなります。
実は、出窓は施主からのご要望でしたが、気持ちの良い出窓にしようと一生懸命考えて寸法や形を決めてたら、部屋にゆとりが生まれる凄くいい感じの出窓になりました。

依頼者の声: 

施主からは、あそこが良いね!ここが良いね!と色々な処を気に入って貰っています。特に、壁の下見板張りや、垂木と構造用合板の天井など、木を効果的に使っている住まいであること、明るい空間であることで暮らす事を楽しみにして戴きました。完成後、周囲にお住まいの方からも、外観をみて素敵な家だねとほめていただいています。

その他の画像: 

光をつかまえる吹抜け部分は、家の中の半屋外的な場所だと考え、壁には外壁で使う下見板張りという、木の板張りをし、屋外的な雰囲気を創り出しています。

暴風雨の時の不安の話を施主からされ、雨風に限らず、安心して暮らせる住まいを望んでいるんだと考えました。箱型の四角い形には、ガシっとした独特の力強さがあり、構造的にも心理的にも安定感のある建築になっています。生活をまもるしっかりした住まいの形にしようと、箱型にこだわって設計をしました。

障子は破れない障子で、アクリルに和紙を貼っています。柔らかい光が通ります。

構造的に強く、力感を感じる天井の垂木が印象的なベットルームです。
勾配天井で、天井表しとし、最高3mの高い天井高さだゆったりした、個室をつくっています。

暴風雨の時の不安解消の為、窓には、木の格子であるルーバーをつけモノが飛んできてもガラスが割れない様にしました。このルーバー格子は、場所によって隙間間隔が異なります。2階窓は、夏は昼間光が入り過ぎない、冬は光がしっかり入る間隔にしており、1階は間隔を大きくして少しでも光が入る様にしています。塀のルーバーはプライバシーを重視して覗かれない様、間隔を狭めています

外壁は、墨を入れた左官仕上。グレーの左官基材に、墨を入れてコテ塗りしています。斑が入った感じのニュアンスがでた仕上で、左官職人さんの腕が極上でした。めちゃくちゃ上手いです。

植物を育てるのが好きという施主。建て替え前もベランダで鉢植えをしたり、室内に観葉植物を飾ったりしていました。そこで、大きめのルーフバルコニーをつくり、植木鉢で植物を育てる場所をつくりました。また、建て替え前のお住まいに伺ったところ、観葉植物と一緒に、小物なども上手に飾らせていました。そこで、小物を飾られる飾り棚や、出窓をつくっています。この出窓は、建築面積に入らない為、部屋をゆったりさせてくれます。2.7m巾の出窓は通常より広く小さな部屋の様な余白になっています。床からの高さを70cmとする事で、ちょっとしたベンチにも、飾り棚にもなります。

親類縁者が多く、沢山の家族が集まる事がある為、ダイニングスペースを大きくとり、大きなダイニングテーブルで、皆で食事が出来るダイニングキッチンとしました。ダイニングキッチンとリビングは、3枚引きの障子を開け放つと、1室として使えます。リビング階段ならぬ、ダイニング階段のある、ダイニングキッチンです。造作家具と既製品のキッチンを組みあわせて、使い勝手と質感の両方がバランスの良い、キッチン空間になっています。

家具はオーク材で製作しています。フローリングは無垢のブラックウォールナット。オーブンレンジを置く場所など、熱が上がりやすい場所には、不燃材を貼って家具が傷まない様にしています。キッチンでの使い方をヒアリングして使いやすい家具を設計しています。

空が見える天窓にしたかったので、3階建ての隣の家、上から覗かれない配置を確認して、透明ガラスにしました。

設計者

ユーザー 小木野貴光アトリエ一級建築士事務所 小木野貴光 + 小木野仁美 の写真
オフライン
Last seen: 1年 2週 前
登録日: 2012-07-24 10:28

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