【工場街の家】
北側外観・夜景。2階は高齢者が日常を過ごす和室。人の気配を感じて生活したいとの要望から、道幅が広く、歩行者も多い前面道路に面した位置に配した
◾️光の階段室と隙間の採光スペースでつながる狭小住宅
下町の中小工場街、工場と工場の隙間のような狭小敷地に建つ住宅です。
住宅の北側で面する街路に大きく開いた開口と階段室、平面をやり繰りしてつくった隙間空間を採光のコアとし、細長のボリューム全体に自然光が行き渡る工夫をしました。
また、階段室に面した居室の壁にジャロジー窓や光が透過するハッチを設けて、建築全体の通風・換気にも配慮しました。
【1998年 新建築社「住宅特集」掲載】
北側外観−1。写真左のアルミ板をリベット留めした引き戸が玄関ドア。1〜3階の間口側の壁はモルタル掻き落とし仕上げ、軒裏はケイカル板のAEP塗装。1階の傾いた壁の上部には、浴室に光を落とすガラス天井が載っている
玄関内観−1。玄関床はモルタル洗い出し。淡路島で廃棄された後、波に洗われて海岸に打ち上げられた瓦を採集して用いた
1階ダイニング内観。開放性高く、自然採光を引き込むことを意識した。出窓には、意匠的な意義のほか、必要採光面積を確保する役割もある
1階ダイニングの吹抜け。2階居室の造作家具を薄くして背後に設けた隙間より光を取っている。斜線制限でデッドスペースとなりがちな3階の隙間空間も採光経路として用いた
階段室の内観−1。壁で塞ぐと真っ暗になりがちな階段室に光を引き込んでいる。1階の階段下はシューズクローゼットになっている
2階和室の内観。階段室を見る。階段室の壁には本棚や開口を設けて、家族の存在を意識できるようにした。リビングとしてまとまった空間が取りにくい状況を緩和している
階段室の内観−2。3階納戸を見る。納戸の壁は目透かしの衝立てとし、全体はオープンスペースになっている
3階納戸の内観。目透かしの木製パネルを見る
3階のハイサイドライト。納戸をオープンスペースとしたことで水平方向への抜け感を確保している
3階居室の内観。この家は兄妹+父の構成。居室は2階の2室と3階の1室
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