●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
市街地に建つ、鉄骨造3階建の2階部分の全面リノベーション。両親が他界したことにより、夫婦2人用の生活空間を、女性3人が暮らすための“場所”へとつくり替えました。東西に細長い建物形状のほぼ中央に階段とエレベーターが位置していたため、みんなが集まるDKと和室を中央の縦動線からそれぞれ東西に振り分けるように配置し、さらにその奥の建物の両端に3人分の寝る場所(≒個室)を最小限に計画しています。DK・和室と個室との間は、家具や収納ユニットをルーズに配置するだけで、雰囲気や気配、物音などを感じながらも、お互いに視線だけは遮られているという関係です。フォトショップで円形のグラデーションをかけるように、みんなの場所から個人の場所へと、空間の質が徐々に変化していくことを意図しています。