ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

家にいるのに疲れる理由。

暮らしの質は、

間取りだけではなく

“空間の整え方”で変わっていくということ。

住まいづくりのご相談を伺っていると、

「家にいるのに、なぜか疲れるんです」

という言葉を耳にすることがあります。

仕事が忙しい。

子育てに追われている。

片付けても、また散らかる。

家事が終わらない。

SNSで見るような、

“素敵な暮らし”にならない。

もちろん、

日々の忙しさもあると思います。

ですが、

暮らし全体のお話を伺っていくと、

実はその疲れの一部が、

“住環境”から

生まれていることがあります。

これは、意外にも

家造りの際には

見落とされやすい部分です。

家具も揃えている。

収納も考えている。

インテリアも好きな雰囲気にしている。

それなのに、

なぜか落ち着かない。

なぜか片付かない。

なぜか心が休まらない。

その原因は、

単なる「センス不足」ではありません。

人は、想像以上に、

空間から

影響を受けながら暮らしています。

視界に入る情報量。

色彩の刺激。

収納の位置。

家具配置。

視線の抜け方。

生活動線。

照明の明るさ。

音の反響。

そうしたものが、

無意識のうちに、

感情や神経へ作用しています。

つまり、“疲れる家”には、

疲れる理由があるということです。

最近はInstagramやPinterestなどで、

美しい住まいを

見る機会が増えました。

ホテルライクな空間。

洗練されたインテリア。

生活感のないリビング。

もちろん、

美しい空間には魅力があります。

ですが、

住まいは「見るもの」ではなく、

「暮らし続けるもの」です。

写真で美しく見える空間と、

毎日心地よく過ごせる空間は、

似ているようで少し違います。

例えば、

見た目を優先しすぎて、

収納が使いにくい。

生活動線が複雑で、

家事に時間が掛かる。

家具が大きすぎて、

空間に圧迫感がある。

色数が多く、

視覚的に落ち着かない。

こうした小さな違和感が、

毎日の疲れとして積み重なっていきます。

だからこそ、

本当に大切なのは、

「どんな空間なら感情が整うのか」

ということを

考えることなのだと思います。

私は、住まいづくりを考える時、

単に間取りを描くだけではなく、

住まい手ご家族が

・どんな時間を過ごしたいのか

・どんな空気感で暮らしたいのか

・何に疲れやすいのか

・どこで気持ちが休まるのか

まで含めて、

丁寧に考えることが

大切だと考えています。

朝、慌ただしく準備をする場所なのか。

夜、照明を落として静かに過ごす場所なのか。

家族と会話を楽しむ場所なのか。

一人で気持ちを整える場所なのか。

同じリビングでも、

求める役割によって、

空間の整え方は変わります。

特に最近は、

「収納を増やしたい」

というご相談も非常に多くなっています。

ですが実際には収納量だけでは、

暮らしは整いません。

片付かない家というのは、

単純に物が多いのではなく、

暮らしの流れと

収納の位置が合っていないという事が

問題点としてあげられます。

帰宅して、バッグを置く場所がない。

郵便物の仮置き場がない。

子どもの持ち物を戻す場所が曖昧。

洗濯物を畳む場所と収納場所が遠い。

そうすると、暮らしの中に、

小さな“滞り”が増えていきます。

その積み重ねが、

散らかりやすさや、

片付けストレスに繋がっていきます。

収納とは、単なる「箱」ではなく、

“暮らしの流れを整える礎”

なのだと考えています。

また、家具選びも、

暮らしの質に大きく関係しています。

家具は、単なる置物として

みるのではなくて

空間の空気感や、

感情の流れを変える存在として

考えるべきです。

例えば、ソファひとつでも、

座った時に、

どこへ視線が抜けるのか。

背後に安心感があるのか。

照明との関係はどうか。

床との素材感は合っているか。

そうしたことで、

居心地は大きく変わります。

本当に落ち着く空間には、

単なる“高級感”とは違う、

整えるエッセンスがあります。

私は、和モダンや数寄屋建築の魅力も、

そこにあると思っています。

〇関連blog
なぜ、和モダン住宅にいると心が落ち着くのか|建築家が設計する、光と陰翳、余白が暮らしの質と感情を整える住まい

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail839.html

深い軒がつくる陰影。

木の質感。

やわらかな光。

余白のある空間。

視線が抜ける奥行き。

そうしたものは、

単なるデザインではなく、

“感覚を整える装置”として・・・・・。

現代の暮らしは、

情報量が非常に多い時代です。

スマートフォン。

SNS。

仕事。

様々な通知。

人間関係。

常に脳が刺激され続けています。

だからこそ家だけでも、

「安心して呼吸できる場所」

であることが大切なのだと思います。

家に帰ると、

気持ちがゆるむ。

自然と深呼吸できる。

片付けに追われすぎない。

家族との会話が穏やかになる。

ひとりの時間も心地よい。

そんな日常の積み重ねが、

暮らしの質をつくっていきます。

住まいは人生をつくりだす大切な環境です。

生活の基準が整うと、

人の感情も少しずつ整っていきます。

逆に、そういった要素が乱れていると、

気づかないうちに心が疲れていきます。

だから私は、

住まいづくりとは、

単なる建築ではなく、

「暮らしと感情を整える環境設計」

だと考えて取り組んでいます。

間取りだけではなく

インテリアと環境の程よさ。

〇関連blog
なぜか「家にいるのに疲れる」|間取りだけでは整わない“心と住まい”の関係。建築家が考える「心を整える住まい」と環境心理学からの視点

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail837.html

家具配置。

収納。

色彩。

光。

陰影。

視線。

動線。

そのすべてが、

暮らしの心地よさに繋がっています。

もし今、「家にいるのに疲れる」

「片付けても整わない」

「もっと心地よく暮らしたい」

そんな違和感があるなら、

それは、

暮らしを見直すタイミングなのかもしれません。

住まいが変わると、

感情の流れが変わる。

感情が変わると、

毎日の空気感が変わる。

そして、日々の積み重ねが、

人生の質へと繋がっていきます。

やまぐち建築設計室では、

和モダン住宅、

数寄屋建築、

ホテルライクな住まいだけではなく、

“心が休まる空間”

を大切にしながら、

住まいをご提案しています。

暮らしを整えることは、

人生を整えること。

そんな住まいづくりを、

これからも丁寧にと考えています。

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
ご連絡ください
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I-5333、約100坪の木造平屋をゼロから新築(神奈川県)

ユーザー 亀友 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
神奈川県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

はじめまして。大学生活の中で環境建築を軸とした複合ビジネスの起業を計画している者です。
​約100坪の木造平屋をゼロから新築し、核テナントにペットショップ、その他にエコカフェやコワーキングを併設した複合拠点を創出したいと考えています。
​初期費用を抑えコミュニティを作るため、上棟後の仕上げや屋根の芝生敷設などは「DIYワークショップ(ハーフビルド)」で行う予定です。
​そこで、以下のプロのサポートをいただける建築士様を募集します。
​芝生屋根の重さに耐える構造設計・意匠設計
​動物を扱うための換気・消臭・特殊給排水の計画
​新築に伴う建築確認申請などの手続き
​素人でも施工しやすいハーフビルド向けの図面作成
​学生による立ち上げのため、設計料のフェーズ分けやオープン後の売上シェアなど、柔軟なパートナーシップをご相談させてください。
​新しい空間づくりをおもしろがって伴走してくださる建築家の方からのご提案をお待ちしております。何卒よろしくお願いいたします。

建築家の所在地について:
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ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

住み始めて少し経った頃、
こんなふうに話していただくことがあります。

 

「最初は気になっていたんですが、
 今はあまり気にならなくなりました」

 

引っ越したばかりの頃は、
細かなことが目につきやすい。

 

ここはもう少しこうだったら。

 

ここが少し使いにくいかもしれない。

 

そんな感覚が、
いくつか浮かんでくる。

 

けれど、
時間が経つにつれて、

 

その多くが
少しずつ気にならなくなっていきます。

 

この変化も、
とても自然なものです。

 

最初の頃は、
空間に対して
意識が向きやすい状態です。

 

新しい環境に入ったばかりで、

 

ひとつひとつを
確かめるように過ごしている。

 

そのため、
細かな違いにも敏感になる。

 

けれど、
日常が始まると、

 

意識は少しずつ
生活そのものへと移っていきます。

 

どこで何をするか。

 

どう動くか。

 

そうした流れが
体に馴染んでくる。

 

すると、
空間そのものに向けていた意識が、

 

自然と薄れていきます。

 

また、
最初に感じていた違和感も、

 

使いながら調整されていくことがあります。

 

少し置き方を変える。

 

動き方を変える。

 

その小さな工夫の中で、

 

気になっていた部分が
自然と解消されていく。

 

さらに、
人は環境に慣れていくものです。

 

少し違っていると感じていたことも、

 

時間とともに
自分の中で基準が変わり、

 

違和感として
感じなくなっていくことがあります。

 

最初に気になったことが
気にならなくなるのは、

 

問題がなくなったというより、

 

暮らしと空間の関係が
整ってきた状態とも言えます。

 

すべてを最初から
完璧にする必要はありません。

 

時間とともに
馴染んでいく部分があることも、

 

住まいのひとつのあり方です。

 

その変化を
そのまま受け止めながら、

 

いま感じている心地よさに
目を向けていく。

 

その積み重ねの中で、

 

住まいは少しずつ
自分たちに合った場所へと
変わっていくのだと
思っています。

I-5332、図面等資料の作成(千葉県)

ユーザー sae の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
千葉県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

・図面等資料の作成(配置図、寸法入り平面図、立面図、建具表)
・無窓階判定

建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

住み始めてしばらくすると、
こんなふうに話していただくことがあります。

 

「使ってみて、初めて分かることがありますね」

 

図面の段階では、
動線も確認している。

 

説明も受けて、
納得して決めてきたはずなのに、

 

実際に使い始めると、
少し違った見え方になる。

 

この変化は、
とても自然なものです。

 

設計の段階では、
暮らしを想像しながら整えていきます。

 

どこを通るか。
どこで手を動かすか。

 

ある程度の流れを
描いていく。

 

けれど、
実際の生活は、

 

そのときの状況や、
体の動き、

 

ちょっとした癖によって、
少しずつ変わっていきます。

 

想像していた動きと、
実際の動きが
完全に一致するとは限りません。

 

だからこそ、
使いながら見えてくることがある。

 

ここは思っていたより
使いやすい。

 

ここは少し工夫が必要かもしれない。

 

そんな気づきが、
日々の中で積み重なっていきます。

 

その発見は、
設計が足りなかったということではなく、

 

暮らしが
具体的に動き始めたからこそ
見えてきたものです。

 

設計は、
すべてを決めきるものではなく、

 

使いながら整えていける余地を
残しておくことでもあります。

 

少し位置を変えてみる。

 

使い方を変えてみる。

 

そうした小さな調整の中で、

 

空間は
自分たちに合った形へと
近づいていきます。

 

最初から完璧に理解できなくても、

 

使うことで
少しずつ分かってくる。

 

そのプロセスがあることで、

 

暮らしはより自然に、
自分たちのものになっていくのだと
思っています。

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

なぜ、実家は空き家になってしまうのか。
空き家問題・相続・古民家再生を、暮らしと人生の視点から建築家が考える

「この家を、これからどうしたらいいのだろう」

実家の玄関を開けた時、
ふと、そんな思いが胸に浮かぶことがあります。

昔は、そこに家族の声が・・・・・。
食事の支度をする音。
誰かが帰ってくる気配。
畳の上でくつろぐ時間。
庭の草木が季節を知らせてくれる風景。
障子越しに入る柔らかな光。

けれど今は、
雨戸が閉まり、
庭の草が伸び、
部屋の空気が少し重たく感じられる。

家は残っているのに、
そこにあった暮らしは、
少しずつ遠くなっている。

その現実を前にすると、
「片付けなければ」
「管理しなければ」
「相続のことも考えなければ」
と思いながらも、
なかなか気持ちが動かない。

それが、
空き家問題の本当の難しさだと思います。

空き家は、
単なる建物の問題ではありません。

そこには、
家族の記憶、
親への想い、
相続の不安、
お金の問題、
将来への迷いが重なっています。

だからこそ「古いから壊せばいい」
「誰も住まないなら売ればいい」
と、簡単には割り切れないのです。

実家という場所には、
理屈だけでは整理できない感情があります。

子どもの頃の記憶。
親が大切にしてきた時間。
祖父母から受け継いだ土地。
地域とのつながり。
自分自身の人生の一部。

それらがすべて、
建物の中に静かに残っています。

だから、空き家を前にした時、
人は迷います。
残したい気持ちと、
手放した方がよいのではないかという現実。

活かしたい気持ちと、
費用や管理への不安。

思い出を守りたい気持ちと、
これからの暮らしには合わないという違和感。

その間で心が止まってしまう。
そして気づけば、
何年もそのままになってしまう。

空き家が増えていく背景には、
そうした人の感情の停滞もあるのだと思います。
空き家になる理由は、古さだけではない

空き家というと、
多くの人はまず「老朽化」を思い浮かべます。
確かに、
建物や設備が古くなることは大きな理由です。

屋根や外壁の劣化。
水回りの傷み。
配管の古さ。
雨漏り。
床の傾き。
建具の不具合。

こうした問題が出てくると、
住み続けるには修繕が必要になります。

けれど、
空き家になる理由は、
単に建物が古いからだけではありません。

むしろ大きいのは、
“今の暮らし方に合わなくなっている”
ということです。

昔の家は、
今とは暮らしの前提が違いました。

家族の人数。
生活時間。
家事の仕方。
車の使い方。
冷暖房への考え方。
プライバシーの感覚。
親子の距離感。
夫婦の暮らし方。
働き方。

すべてが変わっています。
昔は当たり前だった間取りも、
今の暮らしでは使いにくいことがあります。

部屋数は多いのに家族が集まりにくい。
水回りが遠く家事動線が悪い。
段暖差が多く高齢になってから暮らしにくい。
冬が寒く、夏が暑い。
湿気やカビが気になる。
駐車場が使いにくい。
収納が足りない。
耐震性に不安がある。

こうした小さな不便が積み重なることで、
人は少しずつ、
その家で暮らす未来を描きにくくなります。

つまり空き家とは、
“古くなった家”というより、
暮らしの変化に、
住まいが追いつかなくなった状態
とも言えます。
「住めない家」ではなく、
「今の暮らしに合っていない家」

ここで大切なのは、
空き家をすぐに「価値のない家」と
決めつけないことです。

住まわれなくなった家には、
確かに問題があります。

けれど、
それは必ずしも、
その家に価値がないという意味ではありません。

ただ、
今の暮らしに合うように、
整え直されていないだけかもしれません。

例えば、
暗く感じていた部屋も、
開口部や間取りを見直すことで、
光の入り方が変わることがあります。

寒かった家も、
断熱や窓の性能を整えることで、
過ごしやすさが大きく変わります。

使いにくかった台所も、
家事動線を整理すれば、
暮らしの中心になることがあります。

閉じていた座敷も、
庭との関係を見直せば、
心が落ち着く居場所になります。

昔の家の良さは、
現代の設備を足すだけでは活きません。

何を残し、
何を変え、
何を整え直すのか。

その見極めが大切です。
そこに、
建築家の視点が必要になります。
古民家や和の住まいには、
現代の暮らしが失いつつある
豊かさがある

古い家や古民家には、
現代の住宅では簡単につくれない魅力があります。

深い軒。
庭とのつながり。
障子越しの光。
畳の柔らかさ。
木の柱や梁の存在感。
風が抜ける間取り。
季節を感じる縁側。
空間の余白。
静けさ。

これらは、
単なるデザインではなく
人の感覚を整える要素。

光が柔らかいと、
気持ちも穏やかになります。

庭が見えると、
時間の流れがゆっくりになります。

木や畳の質感は、
身体の緊張をほどいてくれます。

深い軒は、
夏の日差しを和らげ、
雨の日にも落ち着きを生みます。

和の住まいには、
人の心と身体に寄り添う知恵が、
自然に組み込まれています。

だから私は、
空き家や古民家を見る時、
単に古い建物として見るのではなく
「この家には、まだどんな居場所が残っているのか」
という視点で見ます。

どこに光が入るのか。
どこから風が抜けるのか。
庭と室内はどうつながっているのか。
家族が集まる場所はどこか。
一人で静かに過ごせる余白はあるか。
構造的に残すべき部分はどこか。
現代の暮らしに合わせて変えるべき部分はどこか。

そうしたことを丁寧に読み解くことで、
空き家は単なる負担ではなく、
新しい暮らしの可能性として
見えてくることがあります。
空き家問題は、
「残すか壊すか」だけでは考えきれない

空き家について考える時、
多くの場合、残すのか、壊すのか、売るのか。

という話になりがちです。
もちろん、
それらは大切な選択肢です。
けれど本当は、
もっと丁寧に考える必要があります。

その家は、
家族にとってどんな意味を持っているのか。
土地にはどんな可能性があるのか。
建物の状態はどうか。
耐震性は確保できるのか。
断熱や設備を整えることで住み継げるのか。
費用をかける価値があるのか。
将来、誰が管理するのか。
地域との関係はどうか。
賃貸や店舗、二拠点生活などの活用は考えられるのか。
家族の気持ちは揃っているのか。

こうした視点を整理しないまま、
いきなり「壊す」「売る」「直す」と決めてしまうと、
後から後悔することもあります。

空き家対策で大切なのは、
急いで答えを出すことではありません。

まず、状況を正しく見ること。

そして、その家にとって、
その家族にとって、
無理のない選択肢を整理することです。
相続した実家は、
感情と現実がぶつかる場所

実家を相続した時、
多くの人が戸惑います。
親が大切にしてきた家だから、
簡単には手放せない。

けれど自分たちの生活は別の場所にある。
仕事もある。
子どもの学校もある。
今の家もある。
実家に戻る予定はない。
でも、放置するわけにもいかない。

この状態が、とても苦しいのです。

実家は、ただの不動産ではありません。
親の人生が残っている場所です。
だから、
売却や解体を考えると、
どこかで罪悪感が生まれることがあります。

「親に申し訳ない」
「先祖から受け継いだものを手放してよいのか」
「思い出まで失ってしまうようでつらい」

そう感じるのは自然なことです。

けれど、住まいは使われなくなると、
少しずつ傷んでいきます。

誰も窓を開けない。
空気が動かない。
湿気がこもる。
雨漏りに気づかない。
庭が荒れる。
近隣にも影響が出る。

つまり、
残したいという気持ちだけでは、
家を守ることが難しい場合もあります。
だからこそ、
感情と現実を分けて考えることが大切です。

思い出を大切にすること。
建物の状態を冷静に見ること。
将来の維持管理を考えること。
費用を把握すること。
家族で話し合うこと。

その上で、
どうすることが、この家にとっても、
自分たちにとっても良いのかを考えていく。

空き家問題は、
家族の記憶を雑に扱うことではありません。

むしろ、きちんと向き合うことで、
その家の意味を丁寧に
受け止め直すことなのだと思います。
古民家再生とは、
昔の家をただ綺麗にすることではない

古民家再生という言葉には、
どこか美しい響きがあります。
けれど実際には、
簡単なことではありません。

古い家には、
構造の確認が必要です。
耐震性の検討も必要です。
断熱性能をどう整えるか。
湿気をどう扱うか。
水回りをどこに配置するか。
既存の柱や梁をどう活かすか。
古い部分と新しい部分をどう調和させるか。
費用をどこまでかけるか。
残すべきものと、
変えるべきものをどう見極めるか。

ここを曖昧にしたまま進めると、
見た目は綺麗になっても、
暮らしにくさが残ることがあります。

大切なのは、
古さを単に隠すことではありません。

その家が持っている良さを読み取り、
現代の暮らしに必要な性能や機能を加え、
無理なく暮らせる形へ整えることです。

それが、
本当の意味での古民家再生だと思います。
和モダンリノベーションという選択

古い和の住まいを活かす時、
和モダンという考え方は、
とても相性が良いと感じます。

和の趣を残しながら、
現代の暮らしに合うように整える。

畳や障子、
木の質感、
庭との関係を大切にしながら、
断熱性や設備、
収納、
動線を見直す。

昔の家の静けさを残しながら、
現代的な快適さを加える。

このバランスが重要です。

すべてを新しくしてしまうと、
その家らしさが消えてしまいます。

一方で、
古さを残すことだけにこだわると、
暮らしにくさが残ってしまいます。

だからこそ、
和モダンリノベーションでは、
残す美しさ、整える機能。
暮らしに合わせる余白。
この三つのバランスが大切です。

古民家や空き家は、
正しく整えることで、
旅館のような静けさや、
庭とつながる豊かさ、
落ち着いた和の空気感を持つ住まいへと
変わる可能性があります。

新築とはまた違う魅力であり、
時間を重ねた家だからこそ
出せる深みがあります。
空き家を活かすために、
最初に考えたいこと

空き家や実家について悩んでいる方は、
まず次のようなことを
整理してみるとよいと思います。

この家を、
誰が使う可能性があるのか。

住むのか、
貸すのか、
売るのか、
残すのか。

今後どのくらい管理できるのか。
建物の傷みはどの程度か。
耐震性や断熱性に不安はないか。
リノベーションした場合、
どんな暮らしができるのか。
土地としての価値はどうか。
家族の気持ちはどうか。
費用はどこまでかけられるのか。

そして何より、自分たちは、
この家とどう向き合いたいのか。

この問いがとても大切です。
空き家問題は、
正解が一つではありません。

家族ごとに事情が違い、
建物ごとに状態が違い、
土地ごとに可能性が違います。

だから、SNSやWEB上での
誰かの成功事例が、
そのまま自分たちの答えになるとは限りません。

リアルでもそうですが、
自分たちにとっての納得を見つけること。
それが、空き家対策の第一歩です。
「相談するほど整理できていない」
段階から相談していい

多くの方が、
相談のタイミングを迷われます。
まだ何も決まっていない。
家族で意見がまとまっていない。
残すか壊すかも分からない。
費用感も分からない。
そんな状態で相談してよいのか。

そう思われる方も多いと思います。

けれど、むしろその段階こそ、
相談してよいタイミングです。

建築の専門家に相談するということは、
いきなり工事を決めることではありません。

まず、可能性を整理することです。
残せる部分はあるのか。
直すならどこから考えるべきか。
費用をかける価値はあるのか。
暮らしに合う間取りにできるのか。
危険な状態ではないか。
将来的に維持できるのか。

そうしたことを、
建築の視点から一緒に見ていくことで、
漠然とした不安が少しずつ形になります。

不安は見えないから大きくなります。

見えるようになると、
選択肢が生まれます。

選択肢が生まれると、
人は少しずつ前に進めます。
空き家は、負担にもなる。
けれど、可能性にもなる。

空き家は、
放置すれば負担になります。

管理の負担。
費用の負担。
心理的な負担。
近隣への負担。
相続の負担。

けれど、丁寧に向き合えば、
可能性にもなります。

家族が集まる場所。
趣味を楽しむ場所。
二拠点生活の拠点。
小さな仕事場。
地域とつながる場。
次の世代へ受け継ぐ住まい。

旅館のように
心が落ち着く和モダンな暮らし。

空き家の未来は、
最初から
決まっているわけではありません。

どう見るか。
どう整えるか。
どう使うか。

その視点によって未来は変わります。
家は、人が使うことで生きる

住まいは、
人が使ってこそ生きます。

窓を開ける。
風を通す。
掃除をする。
座る。
眠る。
食事をする。
誰かを迎える。
庭を見る。
季節を感じる。

そうした日々の行為によって、
家には空気が戻ります。

逆に、
人が使わなくなると、
家は少しずつ静かに力を失っていきます。

だから、
空き家を考える時に大切なのは、
その家を、もう一度どのように
使うのかという視点です。

綺麗にするだけでは足りません。
人の暮らしが戻る計画が必要です。
家族の時間が生まれる計画が必要です。

心が落ち着く居場所として、
もう一度役割を持たせることが大切です。
奈良で空き家・古民家
実家リノベーションを考えるということ

奈良には、
古い家や古民家、
広い敷地、
庭のある住まいが多く残っています。

その中には、
現代の暮らしにそのまま使うには
難しい家もあります。

けれど、
設計の視点を入れることで、
新しい価値を生み出せる家もあります。

奈良の気候。
地域性。
敷地の形。
周辺環境。
庭との関係。
光の入り方。
風の抜け方。
古い建物の構造。

そうした条件を丁寧に読み解くことで、
その家らしい再生の方向性が
見えてきます。

空き家対策は、
単なる不動産処分ではありません。

その土地にある時間を、
これからの暮らしへどうつなぐか。

その家に残る記憶を、
どう未来へ渡すか。

そうした視点が必要だと思います。
やまぐち建築設計室が大切にしていること

やまぐち建築設計室では、
空き家や古民家、
実家リノベーションについて考える時、
表面的な改修だけを目的にはしていません。

大切にしているのは暮らしの質。
家族の距離感。
心が整う居場所。
光と風の入り方。
庭との関係。
残すべき和の趣。
現代の暮らしに必要な性能。
将来の維持管理。

そして、その家に住む人の人生観です。
住まいは、
ただの器ではありません。

日々の感情を受け止め、
人生の時間を支える場所です。
だからこそ、
空き家や古民家を考える時にも、
「どんなふうに直すか」だけではなく、
「これからどんな暮らしをしたいのか」
という観点から考えることを大切にしています。
最後に・・・空き家に悩む方へ

もし今、
実家や空き家のことで悩んでいるなら、
どうか一人で抱え込まないでください。

「何から始めればいいか分からない」
その状態で大丈夫です。
「残すべきか、壊すべきか分からない」
その迷いがあって当然です。
「親の家を手放すのがつらい」
その気持ちも自然です。
「費用をかける価値があるのか知りたい」
それも大切な判断です。

空き家問題は、
急いで答えを出すよりも、
丁寧に向き合うことが大切です。

家は、古くなったから
終わりではありません。

使われなくなったから、
すぐに価値がなくなるわけでもありません。

ただ、今の暮らしに合わせて、
もう一度意味を見つけ直す必要があります。

その家に何が残っているのか。
何を受け継ぐのか。
何を手放すのか。
何を整え直すのか。

そこを丁寧に考えることで、
空き家は、
ただの負担ではなく、
これからの暮らしを整える
きっかけになるかもしれません。

実家は、
過去だけの場所ではありません。

向き合い方によっては、
未来の暮らしを考える場所にもなります。

空き家を、
困り事だけで終わらせないために。

古民家を、
古い家として片付けてしまわないために。

相続した実家を、
後悔のない形で考えるために。

まずは、
その家の可能性を、
静かに見つめ直すところから始めてみてください。

そこに、
これからの暮らしを整える答えが、
少しずつ見えてくるはずです。

‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
ご連絡ください
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I-5331、既存建物を活用した小規模宿泊施設(神奈川県)

ユーザー はら の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
神奈川県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

現在、横浜市内にて既存建物を活用した小規模宿泊施設(一棟貸し)の計画を検討しており、旅館業許可取得の可能性についてご相談したくご連絡いたしました。

物件は、1階が元店舗、2階が住宅利用の2階建て建物で、築年数はかなり古い建物になります。現時点では契約前ですが、条件交渉と並行して建築・消防面のリスク確認を進めたいと考えております。

特に、
・旅館業許可取得の可否
・消防設備の必要範囲
・耐震対応の必要性
・概算工事リスク
などを事前に整理したく、旅館業や既存建物改修のご経験がある建築士の方を探しております。

建築家の所在地について:
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ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

住み始めてからしばらくして、
こんなふうに話していただくことがあります。

 

「最初より、だいぶ馴染んできました」

 

引っ越したばかりの頃は、
どこか落ち着かない。

 

空間は整っているはずなのに、
まだ自分の場所になりきっていない感覚。

 

それが、
日々過ごしていく中で、

 

少しずつ変わっていきます。

 

どこに何を置くかが決まり、

 

動きが自然になり、

 

気づけば、
考えなくても体が動くようになる。

 

その変化の中で、

 

暮らしは
少しずつ空間に馴染んでいきます。

 

最初の頃は、
空間に合わせようとする意識が強く、

 

どこで何をするのかを
少し意識しながら過ごしていることが多い。

 

けれど、
時間が経つにつれて、

 

その意識は少しずつ薄れていきます。

 

自分たちのリズムができ、

 

空間との関係が
自然なものになっていく。

 

そのとき、
家は「新しい場所」から、

 

「いつもの場所」へと変わっていきます。

 

設計の段階では、

 

できるだけ無理のない形を整えていきますが、

 

本当の意味での心地よさは、

 

住みながら見つかっていく部分もあります。

 

ここが落ち着く。

 

この動きがしっくりくる。

 

そうした感覚が積み重なることで、

 

暮らしは
少しずつ整っていきます。

 

馴染んでいくというのは、

 

空間が変わるというより、

 

自分たちの使い方が
その場所に合っていくこと。

 

そして同時に、

 

空間もまた、
その暮らしを受け止めながら、

 

少しずつ意味を変えていきます。

 

最初からすべてがしっくりくる必要はありません。

 

時間をかけて、
ゆっくりと馴染んでいく。

 

その過程を含めて、

 

住まいというものが
成り立っているのだと
思っています。

コンセプト・ターゲットに合致した和食店

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映画「SAKAMOTO DAYS」を観てきた
みーくん@建築家紹介センター(64歳)です。

先日、映画「SAKAMOTO DAYS」を観てました。
スピード感があり、次々と場面が展開していくので、
最後まで飽きずに観られました。

5月ももうすぐ下旬ですね。
だんだん暑くなってくると思います。

「暑さでバテた・・・」 
とならないように、体調管理には気をつけてくださいね。

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■建築家紹介センター通信 2026-05-18

【コンセプト・ターゲットに合致した和食店】

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■コンセプト・ターゲットに合致した和食店

和食店と言っても、コンセプト・ターゲット・メニューは様々です。
コンセプト・ターゲットに合致した店作りが重要です。
 
和食店について
杉山デザイン室一級建築士事務所 杉山 登忠之さんに伺いました。

・和食店の内装で注意している点を教えてください
 
目的に合致していなくてはなりません。
和食店と言っても、コンセプト・ターゲット・メニューは様々です。
  
要人も訪れるような高級店・一流店であれば、
お客様自身が来店時に特別な努力をしたくなるような店創り、
一流の商品に負けない店創り、
自ずと背筋も伸びてしまうような凛とした空間創り。
お客様があらゆることをお店側に委ねられるような構造と雰囲気と導線。
 
大衆店であれば、ハードルを上げないこと。
コンセプトの全貌が一見して掴めること、
いちいちスタッフに確認せずとも分かり易い……続きはこちら↓

▼コンセプト・ターゲットに合致した和食店
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■最近の投稿(最新5件)

▼I-5326、図面及び施工の相談ができる建築士(岡山県)
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■当サイト会員建築家の設計事例

▼大岡山の集合住宅
 東京都
 株式会社 黒川智之建築設計事務所 黒川 智之
https://kentikusi.jp/dr/node/19373?utm_source=mag&utm_medium=email&utm_c...

今回、紹介する設計事例は
東京都の「大岡山の集合住宅」です。

依頼者は建物を建てる前は

「新しいニーズを掘り起こしたい……」

と悩んでいました。

そこで

「黒川さんの設計した北千束の集合住宅を気に入ったので……」

と株式会社 黒川智之建築設計事務所 黒川 智之さんに依頼しました。

黒川さんは通り土間によって環境と接続される集合住宅を建てました。

「商業地と住宅地が混在するエリアに計画された集合住宅である。
 敷地一帯は、隣接して大学があることから、賃貸需要も高く、
 中高層集合住宅への建て替えが進んでいる。

 市場原理によって都市生活が立体化・
 高密度化していくことを受容しつつ、そうした状況を反転して、
 都市環境としての豊かさを補うような
 空間的資源を生み出すことが重要であると考えた。

 ここでは「通り土間」をその位置づけとして捉えている。
 通り土間は、2つの住戸が共用階段・廊下を挟み、
 室内土間を介して繋がることで構成されている。
 この構成の単位を2つ、コの字状にかみ合わせ、
 2本の通り土間が東西に貫通する計画とした。

 階段の縦動線を2つに分け、通り土間というアイデアを導入することで、
 間口が広く、かつ良好な住環境を生み出すモデルを実現し、
 慣習的な建ち方を大きく改良できる余地を見出した。
 
 東京建築賞 共同住宅部門 優秀賞を受賞。
 共用廊下と室内の土間とが一体的に連続するような設えとし、
 狭小でありながらも広がりを感じられる計画とした」

と言っています。

依頼者には

「竣工してすぐに満室となった。
 問い合わせも多く、非常に満足している」

と言っていただきました。

集合住宅を建てたい方は
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 神奈川県
 2026年05月23日 11:00
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▼失敗しないために体感する|設計者が家族のために出した答え|26坪の小さな家でここまで暮らせるのかを体感@千葉県千葉市
 千葉県
 2026年05月30日 11:00
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▼これからのSMILE HOME ―住宅展示会・相談会「間取りの模範解答」出版記念― 5/30(土)31(日)
 東京都
 2026年05月30日 10:00 to 2026年05月31日 18:00
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建築家紹介センター通信[建築家紹介センター]

I-5330、倉庫をたてるために土地を購入しました(千葉県)

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千葉県内に倉庫をたてるために土地を購入しました。
計画地域外という事で、建築確認が必要のこと。建物は建築工事で知り合いにお願いするのですが、内装や土間等はDIYで時間をかけて使いやすい様に作っていきたいと思っています。
大まかですが、建物のサイズ等は検討しています。
海に近く、日当たり等を考慮して建築確認をお願いしたいと思っています。
建物としては70~85㎡です。

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