木造三階建て二世帯住宅
京都らしく、木製ルーバーや庇などをデザインに取り入れ、外壁材とその色も落ち着いた感じのものを選びました。
京都市内の住宅密集地に建つ木造3階建ての4世代6人が住む2世帯住宅で、老朽化した木造住宅の建て替えです。
1階部分はご両親とお祖母様の住まい、2階と3階はご子息家族の住まいとなっています。
2世帯は生活の時間帯が異なるので、玄関をそれぞれ1階と2階に設け外部階段を設けましたが、内部でも上下階の往き来が出来るように内部階段も設けました。
この場所は景観規制のある地域なので、屋根の形状や勾配、屋根と外壁の色などが細かく決められています。そのため、1階部分の外壁を左官仕上げに、2,3階部分の外壁を屋根と同じ板金仕上げにして京都らしい落ち着いた色使いにしました。
京都という場所性を考慮して木製格子や庇といったものをデザインに取り入れました。
一方、小さなお子様とご高齢のお祖母様がいらっしゃるので、内外すべての建具を引き戸にしました。
特にお祖母様が生活される1階部分の床は、玄関の上框もあえて無くし、玄関アプローチも緩やかなスロープにすることで、お祖母様が日頃使用している手押し車でもスムーズに無理なく使えるようにしました。
ここの場所は東西で気持ちいい風が抜けるので、玄関と勝手口にも網戸を設置しました。
また、敷地三方を隣家が接近しているため、採光と通風は1階の東南に小さな中庭を、2階の南側にデッキテラスを設けることで確保しました。
この中庭とデッキテラスは日当たりが良く、また外部からの視線を気にすることがないため、物干しスペースとしても利用できます。その東南の中庭には、お祖母様の部屋とダイニングが面しています。
中庭には、昨年にお孫さんが誕生した記念にハナミズキの鉢植えを置くことにして、お孫さんの成長とともにこのハナミズキも成長していくことでしょう。
プランについては、トイレ・洗面・浴室といった水廻り設備を上下階とも北側の1箇所にまとめ、1階はお祖母様の部屋に近い位置にしました。
ご子息家族が住む上階は、2階に共有スペースであるリビング・ダイニング・キッチンを配し、リビングスペースの奥に4畳半の和室も設けました。
またリビングの南側にデッキテラスを設け、リビングの延長としてよりスペースが広く感じられるようにしました。さらにリビングの上部を吹き抜けにすることで、効果的な明るさと風通しとゆったりした空間を体感できます。3階にはプライベートスペースである寝室と子供室、予備室を配し、寝室・子供室とリビングの吹き抜けとは、木製建具によってつながるようになっています。
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