がけ条例による制限を逆手に取ってポジティブな計画・Kawakatsu Design 川勝崇道さん


 
がけ条例によって建築制限を受けることがありますが、制限を逆手に取ってポジティブな計画をすることも可能です。
 
がけ条例についてKawakatsu Design 川勝崇道さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー Kawakatsu Design 川勝崇道 の写真
京都市左京区一乗寺梅ノ木町56-1 ロワゾブルー201
075-748-1012

 

がけ条例とはどのような条例ですか?

 
一定の高さを超える崖や既存の擁壁に近接する土地(崖の上部または下部の土地)に建物を建築する場合に、擁壁を新設したり、既存の擁壁を改修しなければならない等の制限が条例によって定められており、これを「がけ条例」と呼んでいます。
 
崖が崩れてしまった場合、崖の上部に建物があれば崖とともに地盤ごと崩れますし、下部にあれば崖崩れの土砂などによって押しつぶされてしまいます。
こういった危険を回避するために各自治体がそれぞれ条例として対策を定めており、条例の詳細は、自治体によって異なるため、必ず確認をしなければなりません。
 
擁壁を設けるとなると、場合によっては何百万円も費用がかかることもあるため、建設予定の敷地ががけ条例に該当するかどうかなどは、土地の検討の段階で調べておいた方が良いと思います。
 

がけ条例にかかると擁壁が必要になるのですか?

 
必ずしも必要とは限りません。
 
各自治体の条例により詳細は異なりますが、例えば東京都の場合だと、 建物の端から崖の上端または下端までの水平距離が崖の高さの2倍の距離よりも離れた場所に建築する場合は、擁壁の新設は不要です。
また、斜面の勾配が30度以下の崖や、堅固な地盤を切って斜面としている崖など、安全上支障がない崖の場合には、擁壁を新設する必要はありません。
 
さらに、崖や既存の擁壁が構造耐力上支障がないものであると認められた場合は崖崩れがが起きないと考えられるので、擁壁の新設は必要ありませんし、崖の下に建築する場合に、建物の主要構造部が鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造である時は、たとえ崖崩れが起きたとしても、建物自体が土砂を食い止めるとして、擁壁を新設しなくても良いとされています。
 

 

安息角とはなんですか?

 
そのまま何もしなくても崩れない傾斜角を「安息角」と呼び、 日本の土地で最も一般的な粘性(粘土分の多い粘性)の土で成り立っている土地では、その角度は30度とされています。
そのため、斜面の勾配が30度を超える傾斜地に建築する場合は、何らかの措置が必要になります。
 

がけ条例にはどのような緩和規定があるのでしょうか?

 
崖の上に建物を建てることで、土に新たな荷重が加わり、既存の崖が現状で保っているバランスが失われて、崖が崩れてしまう危険があります。
それを防ぐために、安全性の基準をクリアした擁壁を新設した上で、建物を建てる必要がありますが、先にも述べた通り、崖や既存の擁壁の状態により、新たに擁壁を新設することなく、建物を建てることも可能です。
 
この他に、崖の上に建てる場合の緩和規定として、崖の下端から安息角の角度で立ち上げた斜めの線(安息角線)よりも下の地盤に届く高さまで、建物の基礎を深くすれば、 擁壁を新設せずに崖の近くに建物を建てることも出来ます。
 
また、深基礎にしない場合は、基礎の下に杭を打ち、その杭の下端を安息角線より下の地盤に届く高さまで深くすれば、深基礎の場合と同様、擁壁を新設せずに崖の近くに建物を建てることが出来ます。
 
要するに、安息角線より上の部分の土は崩れてしまう危険性がありますが、基礎や杭を安息角線より下の地盤に届く高さまで食い込ませておくことで、たとえ崖が崩れてしまっても、その建物が一緒に倒壊しないような対策が、この緩和規定の内容になります。
 

青梅のガレージハウスの場合はがけ条例をどのようにクリアしたのですか?

 
敷地は、大きな丘状になったエリアを40数年前に住宅地として造成した一角でした。
地山と呼ばれる自然の地盤に対して、土を削ったり盛ったりしながらそれぞれの区画を平らに造成してありました。
 
敷地に対して、北側は2m以上の崖になっており、反対の南側は前面道路とほぼ同じ高さで、「がけ」には該当しなかったので、がけ条例の対策が必要だったのは北側でした。
この崖は、玉石を積んだ擁壁仕上になっていましたが、構造上安全を示せるようなものではなかったため、当該計画の方で安全を確保する必要がありました。
 
当該計画では、工期やコストを考慮して、崖がある方の建物の外壁をコンクリート壁とすることで、崖崩れから建物を守る対策を講じました。
南側はがけ条例にかかりませんので、できるだけそちら側に建物を寄せて、北側の方はできるだけ崖から距離を取ることで、外壁のコンクリート壁の高さを少しでも低くできるように配置しました。
 
また、玉石の擁壁自体は見た目が悪いものではなかったので、その擁壁から出来るだけ建物を離すことで出来た隙間空間を当該計画の玄関までのアプローチとして活かした計画とすることにより、がけ条例にかかる崖があることが、逆に豊かな外部空間を作るきっかけにすることができたと思います。
 
現在は緑も植えられ、より豊かなアプローチ空間になっています。
 

↑青梅のガレージハウスのアプローチ

日野の家はがけ条例をどのようにクリアしたのですか?

 
この敷地は、多摩川支流の河川敷に向けて開けた南側斜面に位置するものでした。
2階レベルでは遠くに広がる景色と日射しがとても心地よく感じられる場所です。
 
青梅のガレージハウスとは違い、敷地の北側と南側の両方が崖条例にかかる崖となっており、北側は上部にある隣地の擁壁、南側は当該計画の建築範囲を支える敷地内にある擁壁でしたが、どちらも構造上安全を示せるようなものではなかったため、当該計画の方で安全を確保する必要がありました。
 
当該計画でも、工期やコストを考慮して、前述の緩和規定を利用した計画としました。
具体的には北側は、青梅のガレージハウス同様に、基礎となるコンクリート壁を高く作り、南側は、安息角線よりも下の地盤まで基礎を深く入れるようにしています。
 
北側の方は、青梅のガレージハウスのように隣地擁壁と距離を取るのが難しかったため、擁壁側にある程度寄っていますが、高くした基礎の天端が1階屋内に人が立った時の目線よりも上ぐらいだったので、基礎の天端と1階部分の天井との間に出来た隙間をハイサイドライト(高い位置にある窓)として利用することで、がけ条例の緩和規定として設けなければならなかった高基礎を、あえて積極的にデザインとして活かしました。
 
1階部分の半分ぐらいを、このハイサイドライトを取り入れた仕様にしています。
このように計画することで、がけ条例による制限を逆手に取った、ポジティブな計画になったと考えています。
 

PHOTO:Ippei Shinzawa

がけ条例にかかる土地の購入前の相談にのっていただけますか?

 
相談に乗ることは可能です。
敷地情報を教えて頂ければ、まず一般的な判断をお伝えすることができます。
 
また、ここまでお答えしてきたように、行政によって判断が分かれるような場合もあり得ますので、必要に応じて役所等に相談に行くこともあります。
 

がけ条例にかかる土地に建つ建物のリフォームも引き受けていただけますか?

 
お引き受けできると思います。
工事規模によって、がけ条例に対する対応が必要になる場合と必要にならない場合が出てくると思います。
 
増築などを含むような規模になりますと、建築確認という申請をしなければならない可能性がありますので、がけ条例に適合したものにする必要が出てくると思います。
この場合は、既存建物を残しつつ、崖部分に対して擁壁を建てるなどの措置をとらなければいけないので、コスト的には大きなプロジェクトになってしまうのではないかと思います。
 
また、工事規模が小さければ、がけ条例に対する措置をとる必要がない可能性が高いので、問題なく工事をすることができると思います。
どちらにしても既存建物を利用するようなプロジェクトの場合は、既存建物の状態によって進め方が大きく違ってきますので、まずはご相談いただいて、ケースごとに詳細な調査が必要です。
 

がけ条例にかかる土地を購入しようとしている方にアドバイスがありましたらお願いします。

 
ご購入を検討されている土地に存在している崖または擁壁がある場合は、まずその崖が安全性を証明できるものかどうかの確認が必要です。
 
隣接地に建物が建てられたとき、あるいは購入検討されている土地を造成するときに、がけ条例に適合するような構造耐力上支障がない擁壁が計画されていた場合は、既にがけ条例に適合した状態ですので、その分の費用を見なくても自由に計画することができます。
 
また、コスト的にもプランの自由度的にも一番良いのは、擁壁を計画しなければならないような崖に近い場所に建物を建てざるを得ない敷地ではなく、崖上であっても崖下であっても、崖の上端または下端からの水平距離が崖の高さの2倍以上離れた距離に建物を建てられるような環境でしょう。
 
ただ、がけ条例がかかるような敷地は、規制がかかるため、購入にあたり二の足を踏んでしまうかもしれませんが、崖となっているような敷地は見晴らしが良かったり、住環境としてはとても面白い計画を考えることができる可能性も高いので、是非ご相談いただきたいと思います。
 

Kawakatsu Design 川勝崇道さんのがけ条例・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
青梅のガレージハウス

40年程前に開発された住宅地に建つ住宅である。
住宅地全体がほぼ南に傾斜しており、どの住宅も日当りの良い環境になっている。
住宅地の開発当時に新築された住宅がまだ多く残っており、今回の敷地にもその当時の既存家屋が建ったままとなっていた。

日野の家

多摩川の支流のひとつ、浅川を臨む敷地に建つ住宅である。
南側斜面に立地し、2階レベルでは遠くに広がる景色と陽射しがとても心地よく感じられる。

 

古民家の経年変化による柱や梁などの趣き、存在感、品格は何物にも代え難く貴重・株式会社 降幡設計東京事務所 中村 未希子さん


 
古民家の経年変化による柱や梁などの趣き、存在感、品格は何物にも代え難く貴重ですし、この先の何十年(百年)にも耐えうる十分な強さ・寿命が有ります。
 
古民家再生について株式会社 降幡設計東京事務所 中村 未希子さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 降幡設計東京事務所 中村 未希子 の写真
豊島区目白3-1-36-106
03-6908-2981

 

貴社が古民家再生を手がけたきっかけがありましたら教えて下さい

 
当社は元々古民家再生のパイオニアと言われている降幡廣信が設立した降幡建築設計事務所の東京支社でしたが、平成20年の秋にのれん分けの形で独立致しまし
た。
 
当時からのスタッフの中には初めから古民家再生を志して入社した者もいるくらいです。
 

 

古民家再生のメリット・デメリットを教えて下さい

メリット

古材の美しさです。経年変化による柱や梁などの趣き、存在感、品格は何物にも代え難く貴重ですし、この先の何十年(百年)にも耐えうる十分な強さ・寿命が有ります。
 
また古民家にはその土地の気候風土に根差した地域色が有りますが、そういった伝統を後世に残しつつも、これまでの古民家の寒い・暗い・収納とプライバシーが少ない、などといった欠点を払拭し、新築同様の現代的で機能的なものに変えられる事です。
 

デメリット

柱・梁の木・元来のくせが年月と共に出てきて、湾曲やよじれは直りません。
但し、強度に問題は有りません。
 

古民家再生のポイントについて教えて下さい

 
床下の計画がポイントです。
 
石場建て、または土台が地面に近い場合は柱の根元に腐りがみられるため、基礎については念入りに計画する必要が有ります。
柱の根元をどの位残せるかにより部屋の床の高さにも関わってきますので、事前の調査を出来るだけ詳細にとる事が大切です。
 

古民家再生の費用は新築に比べてどうなのでしょうか?

 
残念ながら古材を再利用するからと言って新築より安く出来るものでは有りません。
 
新築では必要のない手解体や古材の補修工事に手間暇が掛かるので ごく一般的な新築と同等には掛かるでしょう。
しかし、新築工事で古民家と同等の大黒柱や太い丸太梁、立派な差鴨居などを準備するとなると工事費用と期間がそれよりはるかに掛かります。
 
再生工事で費用が限られている場合は古民家の状態にもよりますが、部分改修にしたり、解体した古材を新築に組み込む工事をお勧めする場合も有ります。
 

 

リフォーム会社でなく貴社に古民家再生を依頼するメリットを教えて下さい

 
各地の古民家を見てきた経験から、地方色にあふれた古民家の美しさを最大限に引き出すご提案をします。
構造体の痛みを取り除いた上で更にその逞しさと美しさをデザインに生かします。
 
また古民家再生には改装して大壁などで見えない部分の状態が分らず、想定して計画する事も有りますが、当社は経験が有る分そのような事態に長けていると思います。
 

古民家をカフェとして再生する仕事も引き受けていただけますか

 
はい、もちろんです。
 
これまでも移築再生や現地再生工事でレストランや食事処、お蕎麦屋さんなどを手掛けてきました。
 

古民家を宿泊施設として再生する仕事も引き受けていただきますか?

 
はい、もちろんです。
 
宿泊施設では歴史ある箱根の福住旅館、山形の後藤又兵衛旅館の改修工事、また新築の古民家風旅館などの経験も有ります。
 

古民家を再生したいと思っている方になにかアドバイスがありましたら教えて下さい

 
「我家のように古く、こんなに痛んでいて、しかも材も細くて立派に見えない家が再生出来るとは思いませんでした。」
古民家再生の現場で建て主さんがよくおっしゃる話です。
 
先祖代々受け継がれてきた民家に愛着があっても、長年我慢してきた不自由な暮らしや家の傷みを目の前にして、諦めてしまう方も多いと思います。
又、経験の無い大工さんに相談しても、立て替えるしかないと言われることも多いでしょう。
 
また逆に移築再生の場合、建っている時はあんなに立派に見えた古民家が、いざ解体してみると古材の痛みがひどく使えないという話も良くあるようです。
決断をする前に、古民家再生の経験ある大工さんや設計者に実際の古民家の状態を見てもらうことをお勧めします。
 

 

株式会社 降幡設計東京事務所 中村 未希子さんの古民家再生・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
古民家S邸

築約150年ほどの古民家の再生工事をしました。
増築を重ねた部分は解体除去し、元の茅葺き屋根を鋼板葺きで再現することでこの地方の古民家の特色を現すことが出来ました。

千葉県の古民家再生

既存の正面が東向きで日当たりが悪かった為、曳家をして90°向きを変え日当たりを確保しました。
座敷廻りは当初の様子を残し、土間側には中廊下、収納を新たに設けて使いやすい生活空間に整えました。

 

I-1475、西海岸風・サーフテイスト・ビーチハウス・海っぽい家(大阪府)

ユーザー ユウ丸 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
大阪府
現住所‐郡市区町村: 
門真市
依頼内容: 

こんにちは。
大阪で注文住宅を検討しております。
ご相談させて下さい。
 
■建築予定地
大阪府大東市**
 
■土地
約50坪(間口10m×奥行き16m)
現状古屋が建ってます。
 
■テイスト
西海岸風、サーフテイスト、ビーチハウス、海っぽい家
 
■要望
吹き抜け、広いリビング、高耐震・高気密・高断熱、パッシブ・風通しまでしっかりとプレゼンして欲しい、無垢材フローリング、造作洗面台、ビルトインガレージ(出来れば)
 
■条件
とある事情により、三階建てもしくは2.5階建のスキップフロアの家。
 
■予算
解体費等全てを含め3000万まで
 
■建築予定
気に入ればすぐにでも進めたいです
 
 
よろしいお願いします。
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する
 





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

昨日、通りかかった森のワンショット。

この時期、こんな木漏れ日の中にいると、
気温の割に、とっても涼しく感じます。

実は、こちら。
名古屋市のど真ん中なんですよ。

街の真ん中に、こんなグリーンがあるのって
いいですよね。

さてさて。

昨日は、とある家創りの現場からスタート。

週に一度は、現場との打合せのために
現場へ行くようにしています。

最近は、動いている現場の件数が多いこともあって、
現場にいる機会が多くなりますね。

こちらの現場。
ずいぶんと仕上がってきています。

床のフローリングは、完了して、
壁の下地を張り始めています。

そんな中・。
ついに、階段が設置されました!

今まで、2階に行くのに、脚立だったので、
これからは、お客様も安心して昇降できます。

こちらの家。
実は来月末に竣工予定。

とってもいいペースで工事を進めてくれているので、安心です。

午後は、とある家創りの打合せへ。

こちらの家も、現在工事中。
基礎の配筋が終わりそうな感じ。

建て前を前に、決まっていなかった色等の確認をしました。

その流れで。

一部に北欧風のグレイッシュな優しい色を取り入れてみたり、
流行りのカリフォルニアスタイルを取り入れたいとのことで、
壁紙を思い切って変更したりしました。

お客様からのアイデアで、
大きなコーヒーカップのカタチをした洗面台を
採用したりして、とってもユニークな家になりそうです。

外観は、シンプルモダンな感じですが、
中に入ると。。。

とっても愉しみです!!

風情と迫力のある古民家を再生・芦田 成人 建築設計事務所 蘆田 成人さん


 
風情と迫力のある古民家を上手く活用できれば歴史とその建物が持つポテンシャルの恩恵に授かることが出来ます
 
古民家再生について芦田 成人 建築設計事務所 蘆田 成人さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 芦田成人 建築設計事務所 蘆田 成人 の写真
丹波市青垣町東芦田452番地
0795-87-0632

 
 

貴社が古民家再生を手がけたきっかけがありましたら教えて下さい

 
こちらの住まい手さんは小さな頃から近所にお住まいでした。
そして昔は庄屋をされていた、この建物への憧れが強かったそうです。
 
時を経て、この住まいにも人が住まなくなってしまいました。
暫く空き家となり、売りに出ていた所を、住まい手さんが購入されました。
 
母屋を自らの住まいのために、蔵や長屋門を地域交流の拠点として活用できないかと思っていた所、同じように地方で活動する私共の提案にも納得されたようで共感していただきました。 
 

 

古民家再生のメリット・デメリットを教えて下さい

 
風情と迫力のある建物を上手く活用できれば歴史とその建物が持つポテンシャルの恩恵に授かることが出来ます。
又、昔の職人さんの手仕事の跡などを感じることが出来るのもメリットだと思います。
 
一方で、耐震性や温熱性能などをどこまで向上させるのか、目標設定を高くすれば費用は自ずと上がります。
そのような性能の着地点を、どう定めるかは重要ですが、簡単に定めることが難しいのがデメリットでもあると思います。
 

古民家再生のポイントについて教えて下さい

 
たつのの古民家リノベーションでは建築当初に、この古民家が持っていたであろう当初の姿が既に失われていました。
(後の質問でもお答えしていますが、我々が関わる20~30年ほど前に以前の所有者さんが手を加えたと推測します。)
そのために大きく仕様を変えましたが、基本的には大きく変え過ぎないことだと思います。
 
古民家が持つ独特の明と暗、太い柱と梁、これらをどう生かし、どう隠すかがポイントになります。
 

 

古民家再生の費用は新築に比べてどうなのでしょうか?

 
古民家を触る場合の費用ですが、同じ規模の建物を新築する場合に比較すると安くなることは違いありません。
 
しかし、再生として見た場合は耐震補強や断熱など諸性能をどこまで引き上げるかで費用は変わります。
建物を持ち上げて基礎を打ち直したり、瓦を葺き替えるなどすれば、直ぐに百万円単位での費用が発生します。
 
古民家を購入する所から検討される場合は、建物のプロである人(建築士や大工さんであって不動産屋は建物のプロではありませんよ、不動産屋は建物を売るプロです)に立ち会って貰いながらアドバイスを受け検討する方が、後から思わぬ出費が発生しなくて済むと思います。
 

たつのの古民家リノベーションで工夫した点を教えてください

 
私共がこの工事を手掛ける20~30年ほど前に一度、大きく手を入れた痕跡が出てきました。
例えばコンクリートの基礎が打ってあったり、当時流行した仕様が使われていたりがそれに該当します。
 
既に、この時に当初の構造体(差し鴨居や太い柱など)も失われたのだと思いますが、この年代の古民家が持つエッセンスはそんなに残されていませんでした。
であるなら、現状の枠組みに捉われずに大きく仕様を変えてしまおうと思い、新築と同様な仕上がりにまで昇華させました。
 
一日の内、長時間過ごされるであろう南側の部屋は天井を取り払った大きな空間で高窓を設けることで北側の部屋にまで光を運ぶ計画としています。
北側はリクエストのあった和室の続き間を実現させるために、数か所の柱を取り除きました。それを補う意味で梁の補強を数か所に入れています。
 
南庭と北庭、窓を開ければそれぞれに風が抜け、季節の良いに日には快適に過ごせるように計画しています。
 

  

リフォーム会社でなく貴社に古民家再生を依頼するメリットを教えて下さい

 
リフォーム会社の工事では旧を新にするだけの工事です。
 
私共の場合、建物のモチベーションを判断し、古き良さを生かしながら、新しさを足していくことを最初に考えます。
その建物が、どのような歴史を辿って来たのか、そしてこれから、どう活用していきたいのかを一緒に考えさせていただきます。
 

古民家をカフェとして再生する仕事も引き受けていただけますか

 
勿論、お受けいたします。住まいとして活用するよりも建物に手を入れる範囲は減らせると思います。
調度品や什器には少しこだわりを反映させて地域の特色を生かした(地域の食材を生かすなど)カフェを目指されると良いのではないでしょうか。
 

古民家を宿泊施設として再生する仕事も引き受けていただきますか?

 
勿論、お受けいたします。
単なる宿として再生させるのではなく、その建物が持つ歴史を紐解き、そこにストーリーを重ねる施設として展開されるべきだと思います。
 

古民家を再生したいと思っている方になにかアドバイスがありましたら教えて下さい

 
その古民家をどうしたいのかが大事だと思います。
住みたいのか、カフェにするのか、宿泊施設にするのか、目的は多々あると思います。
目的によって手の入れ方と掛かる費用は違ってきます。
 
住まいとしての利用を検討されている場合は、その地域地区との関わりも重要になります。
村付き合いや町付き合いとも言いますが、地方は行事ごとが多く、地元の人でも煩わしく感じる人もいるため、古民家と言う響きだけでなく、その辺りの事情も確認されておくべきだと思います。
 
又、見た目に立派な建物であっても、床下がシロアリの食害に遭っていたりすることもあります。
判断の出来る人に見て貰う方が賢明ですね。
 
 

芦田 成人 建築設計事務所 蘆田 成人さんの古民家再生・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
たつのの古民家リノベーション

築100年以上の地域の名家は数年前より空き家となっていました。

 

ユーザー 大島功市建築研究所 一級建築士事務所 大島功市 の写真

■20170718ホームページ更新(^^)/~~~
■南平の長屋内外装出来上がりに近づいてきました
■文京区の築100年長屋リノベーション銀行融資色々ありつつも進行良好~実施設計スタート
http://www.geocities.jp/ohkokk/

BJhouse

●設計事例の所在地: 
西宮市
●面積(坪): 
20坪
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

約35年前に多くつくられたその時代特有の古く凡庸な設えから、これからの生活を楽しむためのデザインに大きく生まれ変わりました  

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

個人住宅
マンションリノベーション
約35年前に多くつくられたその時代特有の古く凡庸な設えから、これからの生活を楽しむためのデザインに大きく生まれ変わりました  
 
新しいマンションを手に入れる事も素敵だけど、こうやって自分の生活にあわせて自由にリノベーションしていくこともとても楽しい事だと思います
私たち設計事務所で出来る事はここまでで、あとは、完成した居室に住人の生活感や家具、彩りが加わり、気持ちよい生活が待っているだけです
私たちもこれからどのように彩られていくのかとても楽しみにしています

その他の画像: 

I-1474、建築確認申請の代行をお願いできる方(愛知県在住・建設予定地は三重県)

ユーザー れいわん の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
愛知県
現住所‐郡市区町村: 
碧南市
依頼内容: 

現在、愛知県に居住しておりますが、三重県鈴鹿市内に小規模住宅を建てることになりました。建築業者さんとの話し合いで、建築確認申請の代行をお願いできる方を探しております。建物の完成予定は来年5月を目処にしております。三重県鈴鹿市内その近郊の方でお願いできればと思います。
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する
 





S-0528、コンクリートブロック造の家について(群馬県)

ユーザー 珈琲 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
群馬県
現住所‐郡市区町村: 
前橋市
ご相談の内容: 

はじめまして、こんにちは。
コンクリートブロック造の家についての質問です。
 
北都物産さんという会社に、15~16.5坪ほどの木造のパネルハウスがあります。
そのパネルハウスの躯体の外壁に、コンクリートブロックを使いたいのです。
 
北都物産さんの提携会社さんで、住居用にベタ基礎、水回り、内装などを
全て施工していただけるのですが、その施工後に、リフォームとして
コンクリートブロックの外壁の補強をしたいのですが、
そういったことは可能でしょうか?
 
また、可能な場合、コンクリートブロックの外壁を含めたパネルハウスの
耐用年数は、おおよそでいいのですが、どのくらいになるかわかるでしょうか?
パネルハウスそのものの耐用年数は、10年くらいでした。
なるべく長く住みたいのですが…。
 
よろしくお願いいたします。
 





屋上露台の家

●設計事例の所在地: 
大阪府茨木市
●面積(坪): 
87.82㎡(26.56坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

屋上露台の家

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

南北に開いた住居で、2階のリビングからはナナメ向いの公園の桜が望めます。
そして屋上には露台が設置され、真上に上がる花火を愉しむ空間となっています。

その他の画像: 

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