●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
富山県に本社を置く国際的企業の工場入り口にある守衛所です。車での外来が多い施設の性格から、内側を黄色く塗装したメガホン状の庇によってその存在を確認しやすくすると同時に、内部からゲートが見える視認性に配慮しました。冬季の厳しい風から入構チェック時の受付空間を守る風除けとして大きなガラスのスクリーンを特殊な金物で固定することで、存在感を消すと同時に視線の妨げにならないようにデザインしました。鉄筋コンクリート構造の特徴を生かして、受付カウンターから伸びるスリットによって庇に亀裂をつくり、視野を確保すると同時に意匠的な緊張感を作り出しています。わずか15坪の小さな建物ですが、機能がそのまま洗練された意匠となることを目指したもので、亀裂のある大きな庇構造など構造的な挑戦も行っています。
大自然に開いた別荘など、同様の手法の応用できると考えております。
JCDデザインアワード2008入賞