『うなぎの寝床に葬儀式場を建てたい!』 ・神奈川県小田原市で16年葬祭業を営んでいます。・リフォーム か 立て替え を検討中・1F: 94.381平方メートル 2F: 89.14平方メートル・木造二階建て 自社保有の土地と建物です。老朽化が進みリフォーム、もしくは立て替えを一年位後に計画をしています。予算は上記でどの位違うものかで決めていきたいと思っています。 既存の建物は、1F 応接・仏具の展示・事務所・霊安室・消耗品倉庫2F 居住空間として利用しております。 隣接した建物(賃貸)を葬儀式場として利用しておりますが約3間×9間の細長い土地に、葬儀空間を設ける事が出来ないものかと考えております。 小さな葬儀場ながらも、大切なご家族を失ったご遺族に、快適な癒し空間と工夫とサービスが行き届いた葬儀社でありたいと思っております。どうかお力を貸していただければ幸いです。よろしくお願い致します。
切妻や片流れ屋根などの場合、屋根の下には意外に大きな空間があります。ロフトを作ることで、屋根の下の空間を有効に利用することができます。ロフトについてH2O設計室 森大樹さんに伺いました。
『屋根なりに斜めとなった天井とベッド、そして屋根の上に突き出た出窓・・・。』そんな物語に出てくるような屋根裏部屋を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。古来よりロフトは、納屋や馬屋、教会や講堂などの中二階部分、そして倉庫や工場などの上階部分を呼ぶのが原義だそうです。それがやがては屋根裏など、居住用に改造した天井の高い空間や、アトリエや美術・音楽制作スタジオへと改造した空間を呼ぶようになったのでしょう。 さて、一方で多くの方が混同されている空間として、法令などから様々な規則が存在している小屋裏収納庫があります。他にも一階床下に限らず、地上階の床下空間を利用した収納全てに言えますが、それらはロフトとは全くの別のものです。 人が生活するようなロフトは、収納庫の規則に適合したもの以外を指し、つまり通常の部屋と同じ扱いをされるものとして考えて貰えれば良いと思います。それは床面積として含まれ、階としても数えられることも前提として、慎重な検討が必要です。
他の設計士の皆さんと比べても、私達のきっかけは特別なものではないと思いますが、「屋根なりの大きな空間の一部を、ロフトにしたい」というご希望を戴いた時でした。ここでは検討の上、やはり多くの方と同様かと思いますが、小屋裏収納庫としての計画でした。またロフトとしたものは、平屋に設けたもので、結果としては2階建てとして計画したものになります。
改めて慎重に考えますと、ロフトのメリットとデメリットは明言を避けたいと思います。それは、ロフトは部屋と同じように扱われますから、床面積と階数に数えられても、そして天井の高さが低いなど、通常の部屋とは違う形態だとしても、その部屋を受け入れることが出来るのか?人はそれぞれだと思うのです。このあたりは是非とも設計士と充分な打合せをして、それぞれがお気に入りのロフトを計画して頂きたいと思います。
「お就寝(やす)みになられたり、食事をしたり生活するような部屋として使用をしないでください。それならば床面積に入りません。」とお答えしています。まずは、お部屋として使用できると勘違いされていた方々の誤解を解くことから始めて、小屋裏収納庫などで良いのかを検討することになります。
(根拠資料を参照)勿論部屋として使用する部屋では可能です。また収納庫でも小屋裏収納庫では固定階段を小屋裏収納庫の一部として床面積に参入して認められます。そして上下階の間に設けられる収納庫についての階段については、別の規定があるので事前に役所などに問い合わせることが必要です。
(根拠資料を参照)資料では収納庫に“あってはならないもの”の項目が挙げられています。 つまりこの規定範囲内が小屋裏収納庫で、範囲外がロフトです。ここではその規定を越えて協議出来る部分を挙げてみましょう。 まず窓は、暑さ対策でも是非設置したいものですが、床面積との割合で非常に小さな窓面積を限度とされています。しかしルーフバルコニーなどのメンテナンス用のテラス扉の設置はしたことがあります。ただし、点検口としての扱いですから、ガラスは嵌める事ができません。ガラス部分は目隠しパネルへの変更が求められました。点検口でも、設置によって考えられる有効性はあると思いますがここでは割愛いたします。 そして、テレビやインターネット用ジャックは、居住性を得るものとして認めらませんが、私はインターネット用ジャックについては、交渉を続けてゆく事が必要だと考えています。 再び窓へと話しが戻りますが、 ロフトに窓を設けなければ居室の採光が期待出来ない敷地、周辺環境があった場合は窓面積が緩和されるか否かです。言葉を選んで解説しますが、吹抜け上部に高窓を設置した場合、掃除や開閉する為にアクセスする通路幅程度のものであれば、その通路は床面積と階数に含まれないという協議を、確認検査機関としたことがあります。 つまり計画上の出発点となる選択肢は2つ。1、大きな窓を優先し、小屋裏収納庫の規定以外の通路を計画するのか、2、窓は規則通りとした床面積優先の収納庫を計画するのか以上を検討しなければなりません。
(根拠資料を参照)まず部屋として使用するロフトならば、エアコンを設置すれば良い。それでこの質問の答えは終わってしまいます。 一方、屋裏収納庫として計画される場合はエアコンが認められません。確かに小屋裏収納庫等でも、収納される物に応じて温熱調整が必要な場合もあります。一般的には、換気扇を採用し熱い空気を排気し、次に比較的冷たい空気を吸気する方法を考えます。 リビングなどの大空間に面していれば、エアコンで調整されたリビングの空気が利用出来ます。また換気扇以外にも熱い空気を窓から排出した分、下のフロアーの窓から比較的冷たい空気を取り入れる換気方法も、補助的以上に大変有効です。 近年、私たちの建築実例では断熱性能も高い常陸太田の住まいに於いて、水田を渡って来た風を利用しながらエアコン要らずで夏を過ごされている住宅があります。
小屋裏、天井裏、床下等の余剰空間を利用して設ける物置(以下「小屋裏物置等」という。)は、【建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 編集:日本建築行政会議 小屋裏物置等(P79)】を基準とし、かつ、下記の各号に該当する場合のみ、階とみなさず床面積に算入しない。 (1)1の階に存する小屋裏物置等の部分の水平投影面積の合計が、当該、小屋裏物置等が存する階の床面積の1/2未満であること(固定階段を設置する場合は、その部分の面積を含む)。なお、階の中間に設ける小屋裏物置等の部分の水平投影面積の合計が、その接する上下それぞれの階の床面積の1/2未満であること。 (2) 小屋裏物置等の最高の内法高さが1.4m以下であること。なお、上下に連続する小屋裏物置等にあっては、内法高さの合計が1.4m以下であること。 (3) 階の中間に設ける床(ロフト状に設けるもの)については、当該部分の直下の天井高さが2.1m以上であること。 (1)(2)(3)建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 小屋裏物置等(P79)準用 (4) 原則、小屋裏物置等の外壁の開口部の設置は認めない。但し、換気を行う目的で開口部を設ける場合、開口部の大きさの合計は小屋裏物置等の部分の水平投影面積の1/20かつ 0.45㎡以下であること。 (5) 小屋裏物置等の内部に、収納は造作しないこと。 (6) 小屋裏物置等の内部に、電話、テレビやインターネット等のジャックの設置はしないこと。 (7) 小屋裏物置等の床の仕上げは、畳、絨毯、タイルカーペット等にはしないこと。 (8) 小屋裏物置等にはエアコン等の空調設備は設置しないこと。 (9) 上記以外にも居室等に使用される可能性がある仕様にはしないこと。 (10) 共同住宅・長屋等は、各住戸ごとに上記各号の規定を満たすこと。
(11) 確認申請等の図面には、「物置であり居室には使用しない」と記載すること。
60㎡の敷地で住宅が建て込み、三方隣家に囲まれていて北側に道路があります。しかしさほど広くないその道路を挟んで小石川植物園と向き合っているので、緑の恩恵に浴することができます。南側には高さ約10mの住宅が迫っており、その上からいかに太陽光を取り込むかが課題でした。
4代続く老舗のパン屋さんの建て替えです。
収穫物を大量に転がしておけるくらいの土間や洗い場、そして多くの親戚が集まれる仏間、とは言うものの使い勝手に応じて仕切り方で変化させられる間取り。
歴史を背負っている建物を、しっかり後世に伝えていくことは大事なことです。古民家再生について田中博昭建築設計室 田中博昭さんに伺いました。
設計事務所を開設した時の最初の依頼が古民家ではありませんが、民家の再生(増築・改修など)でした。このときの普請は陶芸作家の「おもてなし空間づくり」のお手伝いでもありました。古いものと新しいものを違和感なく融合することの感動を得た瞬間でもありました。この普請の経験が今日の設計スタイルを決定づけている要素の一つになっている気がします。 参照:住宅建築1990・12月号
それぞれの価値観での捉え方で、デメリット・メリットと判断するのでしょう、 敢えて、デメリットは新築以上に現場検証や設計に時間を要することです。内外部の床・壁・天井や設備も蓋を開けてみないと予測できない場面に出くわすことがあります。雨漏りによるシロアリ被害や腐れなど化粧で覆われている部位は特に顕著です。痛みの進行状況では、クライアントへのプラン変更と説明なども当然出てきます。建築家の経験が問われるときでもあります。 メリットとしてお話しさせていただきますと、その建物が刻んできた歴史を共有できること。また、いろんな部位を扱いながら、当時の職人さんの息遣いが聞こえてくるように感じています。手当次第では新築以上の耐用年数があります。
古民家を再生するときは、旧情復元が基本だと思っていますが、普請当初と比べ、現代の住まい方には大きな変化が起きてるわけで、そのままでは使えないことが多分にあります。構造的な手当てを施したり、傷みの酷いところは思い切った減築も必要だと感じています。これには、建築家の経験、技量、デザイン力、臨機応変な対応と大工さんの技術力が必要になってきます。また、打ち合わせの為、現場へは新築とは違って頻繁に出向くことになります。
新築に比べコストは抑えることができると思っていますが、水廻りは新たに改修すると新築以上にコストは掛かるようです。
意匠面だけでなく、建物の歴史を受け止め、語りかけてくる建物に耳を傾けます。構造面からも、しっかり手当てしながら最善の方法を検討していきます。わがアトリエでは、パートナーに使い勝手などの動線計画を、詳細設計を私が担当しています。二人のバランスが必要になってきます。
歴史を背負っている建物を、しっかり後世に伝えていくことは大事なことです。スクラップアンドビルドより、古民家は再生すれば、今風の新築建物以上に耐用年数があります。是非、この機会に終の棲家として空き家の再構築利用なども検討されてはいかがですか。最初のご相談は無料ですので、お気軽にどうぞ。 日本人の心には「もったいない精神」が今も宿っています。家具や衣類、小物まで時代の流れの中で受け継がれていきます。建物もそうでありたいと願っています。
戦前に普請された建物は、戦後復興のために出来た建築基準法の括り以前のもので、大工方の技術が最高水準まで達した建築なのです。このような時代背景の建物を見逃すわけにいきません。素晴らしい遺産です。
この建物は有田内山の朽ちかけていた古い民家を減築などを施し再生したものです。現在建物は、海外からのお客様のゲストハウスとし主に利用されています。
古い民家には歴史がたくさん詰まっています。新築もまた夢がありますが、減築を施す再生建築にも地球環境に優しい取組みという使命を感じています。クライアントと一緒にいろんなシュチエーションで考えていきましょう!
南側外観
38㎡という狭い変形敷地に最大限のスペースを確保しつつ、風が通り、光を潤沢に享受できる空間をつくりました。らせん階段のある吹き抜けが大胆な空間を構成し、狭さを感じさせません。RC4階建て 91.8㎡
非常に厳しい条件です。 土地は造成地で100坪ほどの借地があります。予算は総額500万円です、ローン等は考えていません。ハウスメーカー、工務店、個人の大工さん、10件以上相談しましたが、すべて断られました。ならば自分で何とかしようかと勉強中です。ですが建築確認申請で躓いています。 たった一人の住まいですので12~16坪の平屋を考えております。片流れ屋根の2x4だったら一人でも建てられるかな?以前、自宅物置(3坪)と実家の物置(4坪)を2x4で建てた経験があります。借地は30年の条件ですが、64歳の爺ですので20年も暮らせれば十分でしょう。 簡単な設計と確認申請でいくらぐらいかかるものでしょうか。お金はありませんが、時間は腐るほどあります。よろしくおねがいします。
鉄筋コンクリートの4階建ての店舗付住宅’平成築・建物面積320㎡)を、簡易宿所に用途変更したいと考えています。用途変更確認申請までしていただける建築士さんを探しています。(静岡県内)
建物のプラン(ラフで構いません)を作成いただけませんか? 所在地:港区白金地積:約350㎡建物は、賃貸アパート(マンション)を考えています。建築費予算:3億円位
広島県で2014年8月20日に発生した土砂災害では大きな被害がありました。 被害に遭われた方には謹んでお見舞い申し上げます。 またお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りします。 土砂災害の起きた場所は土砂災害危険箇所に指定されていたそうです。 土砂災害危険箇所についてインターネット上で調べたことをまとめてみました。 土砂災害危険箇所とは下記の3つの総称です
渓流の勾配が3度以上あり、土石流が発生した場合に被害が予想される危険区域に、人家や公共施設がある渓流を土石流危険渓流といいます。
空中写真の判読や災害記録の調査、現地調査によって、地すべりの発生する恐れがあると判断された区域のうち、河川・道路・公共施設・人家等に被害を与える恐れのある範囲を地すべり危険箇所といいます。
傾斜度30度以上、高さ5m以上の急傾斜地で人家や公共施設に被害を及ぼす恐れのある急傾斜地および近接地を急傾斜地崩壊危険箇所といいます。
法律的には特に建物を建てる事に特に制限はありません。 ただし、土砂災害特別警戒区域になると、特定の開発行為に許可が必要になり、建物の構造にも規制がありますが、建物を建てる事を禁止されているわけではありません。
不動産の売買をする際には宅地建物取引業者は重要事項を説明する義務がありますが、土砂災害危険箇所に入っていることをあえて説明する義務はありません。 ただし、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域になると説明する義務があります。
都道府県知事は、土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域を指定することができます。 今回、被害のあった地域でも上記の指定をするために調査などを行っていましたが、結局、指定はされなかったようです。
土砂災害危険箇所・区域に入っていないか確認する
不動産業者に言っても義務ではないので真剣に調べてもらえるとは思えません。 下記のページなどを参考にハザードマップなどで調べてください。 各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域 不動産業者の重要事項説明書は事前にもらって熟読する
重要事項説明でわからない点はわかるまで質問する
JIA建築家大会2014岡山の中で、JIA環境会議の公開形式での第1回委員会と、風土に根ざした魅力的な環境デザインについてゲストと参加者一同での公開討論会を行います。
日時:2014年9月27日(土) 13:00〜17:00会場:岡山コンベンションセンター(ママカリフォーラム) 407号室(岡山県岡山市北区駅元町14-1)参加費:無料定員:90名(会場先着順)申込:不要
1部:JIA環境会議 第1回委員会(公開形式)13:00〜14:45「JIA環境会議」は2014年6月に公益社団法人日本建築家協会の中に設置され、野沢正光初代議長により活動がスタートしました。15年間続けてきた環境に配慮した建築・都市づくりに寄与する活動を基盤に、全国ネットワークをこれまで以上に強化し、かつ地域の特性を充分に活かした活動を展開すべく情報交換と社会への発信を活発に行って参ります。その第1回委員会を公開形式で開催します。
2部:公開討論会「風土に根ざした魅力的な環境デザイン〜2020年省エネ基準適合義務化を見据えて〜」15:00〜17:002020年には建築物の新築に省エネ基準の適合義務化が予定されています。建築家は省エネ基準の理解と省エネ性能の検討が必要になる一方、地域によって気候・風土が異なる日本では、地域特有の文化や知恵を活かした建築物とそれらについて地域からの発信が重要になります。地域に根ざした設計事例について外皮性能・省エネ性能を踏まえて紹介し、ゲストと参加者一同で風土に根ざした魅力的な環境デザインについて課題を発見・共有し今後の実務に役立てる討論会を行います。
お問合せ先:公益社団法人日本建築家協会 JIA事務局担当:北沢(mail:skitazawa@jia.or.jp)〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-3-18 JIA館tel:03-3408-7125 fax:03-3408-7129
いよいよ甲子園も決勝。ツクツクホウシが鳴きはじめて、梨もたくさん店頭に並ぶ。 そこかしこに季節の代わり目を見つけるから、やり残したことがたくさんある気がしてどきどきしてしまう。どれもまだまだ食べたくて欲張って買ったものだから、冷蔵庫は夏野菜で珍しくパンパン。 恵みににんまりする季節がすぐに来るのに、行く夏を感じるのはやっぱり寂しい。 ◇ ◇ ◇ 今回の建ものは「細長敷地に和モダンの曲がり屋」。http://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/backnumber/#!/2014/23家の中に露地がある家。 ◇ ◇ ◇ 「バッハを尺八で吹くような、民謡をエレキギターで爪弾くような相性のよさ、、」「和」を現代の生活に溶け込ませたこの建ものの様子を、渡辺篤史さんは、そんなふうに表現されていた。とても印象的だった。 エントランスの格子戸をくぐると、敷き瓦というものが中庭から玄関を通って北側のお部屋まで導くように敷かれている。そんなお家の中の「露地」を進むと、静けさを体にしみ込ませるような心地よさがある。抑えられた光。庭の木々を通ってきた木漏れ日がゆらゆらとする。玄関から階段を上がると、ぱっと北の間が広がる。瓦敷きの部分は、「玄関」が改めて据えられているような空間。骨董の箪笥や壷が飾られ、一段高くなった畳の4畳半とともに、「いつでもお客様を迎え入れる準備はできています。」とでもいうように、部屋は澄ましている。 そんな北の間を通り抜けてさらに階段を上がると、右手に庭を見ながらキッチンとダイニングに入る。やはり露地を進んでいるような、お庭を散策しているような気持ちになる。進むごとに順繰りに目に入ってくるものを楽しみながら、じっくりと空間に馴染んでゆく。ぱっと庭や部屋の全貌が見渡せる爽快感とは違う面白さがある。 間口が狭く奥行きのある”ウナギの寝床”形の敷地には、敷地の外のことはすっかり忘れてしまうような、ひとつの宇宙が広がっていた。 ◇ ◇ ◇ 北の間にある和室以外に畳があるわけれでも障子や襖が配されているわけでもない。それでも、和が確実にある。「和」が持つ静けさや潔さ、変化のある景色の楽しさがぎゅっと詰まっている。 こういう空間が「日常」になる。くたびれて帰ってきた日も、腹立たしいことがあった日も、格子戸を通り、家露地をつたって居間に向かえば、居間で「ただいま」をいう頃には心身ともに浄化されているかもしれない。毎日、露地を抜け格子戸を出る頃には、「よし!」と頭もクリアかもしれない。 しかし、実際のところ、使い勝手という面ではどうなのだろうか。小さなお子さん二人のあるご家庭だけれども、今は大きなベットがすぽっと入れられた小さな寝室が一つ。4人家族にはすぐに小さくならないかしら。洗濯物や布団を干せる空間は十分にあるのかしら。子供のものや本棚が目に入らなかったけれど、どうしているのかしら。半土間の玄関のような北の間は、冬はきっと寒いと思うのだけれども。木のお風呂って、お手入れしにくいのじゃないかしら。油とんだり熱かったりしそうだから、開放的なガス台の前の通路は通りにくいのじゃないかしら。 限られた広さで暮らす不自由さ。潔い和を大切にするためのやせ我慢。日常のそういうことも、いろいろ聞きたい。
家作りに役立つ情報をお送りします。ぜひご登録ください。
お仕事を依頼した建築家: JO Architects (JO設計...
このたびは、色々とお世話になりました。息子の結婚を期に、これからの住まい方を考えておりました時に、中里さんのサイトにめぐり合えまして、助かりました。...
お仕事を依頼した建築家: 株式会社白砂孝洋建築設計事務所...