景色のすばらしさを楽しめる海の見える家・岡本光利一級建築士事務所 岡本光利さん


海の見える家はなんといっても窓から見る景色のすばらしさを楽しめるメリットがあります。
 
海の見える家について岡本光利一級建築士事務所 岡本光利さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 岡本光利一級建築士事務所 岡本光利 の写真
岡山市南区浦安本町21-17
086-265-6235

 

海の見える家のメリット・デメリットを教えて下さい

メリット

  • なんといっても窓から見る景色のすばらしさを楽しめる。
  • 海沿いの立地は窓を開けると波の音が楽しめ、非日常的な癒しが感じられる。
  • 釣り好き、マリンスポーツ好きの人はすぐに楽しめることができ身近に日常で大自然を満喫できます。子供たちの遊び場としても最高の環境です。
  • 朝一番の朝日、夕暮れに沈む夕日、台風時のカミナリ、夜風にあたりゆれるさざなみに映る月あかりや波の音を楽しみながら食事やお茶を楽しむなど、海の見える家ならではの楽しみ方ができ一日の疲れを癒してくれます。この上ない贅沢な時間を身近に味わえる。
  • 自然による癒しやリラクゼーション効果が得られ健康にいい住環境である。
  • 街中では味わえない自然環境と開放感があり涼しい。
  • 新鮮な魚介類が手に入りやすく海を見ながらの食事は格別で美味しく感じられる。

デメリット

  • 洗濯物が潮風の影響を受け塩っぽく湿っぽい仕上がりになり、室内干しが多くなる。
  • 塩害により鉄を使用する箇所がサビやすい。亜鉛メッキドブ漬け仕上やステンレス等のサビにくい材料でつくる箇所はコストアップする。
  • 台風などの海からくる強風、塩風対策を要し耐久性ある外部仕上が要求され費用が割高になる。また外部仕上のメンテナンス費用も割高になり外壁や窓廻りにこびりついた塩や砂などの除去等のこまめな清掃作業が必要となるため、手間がかかる。
  • エアコンの室外機等の外部設備機器類がサビ安いので塩害対策仕様となり割高となる。
  • 植栽、野菜の植物が種類によっては多少、枯れやすく育ちにくい。
  • 海が近いところは、当然、街中に比べて湿度は1年を通して高いので、湿気対策が必要です。
  • 何も対策をしないと結露が起きたり、カビが生えやすく、換気設備には十分に気をつけて計画する必要がある。

貴社が海の見える家をてがけるようになったきっかけがあれば教えて下さい

つき合いのある工務店からのご紹介で老後にのんびり海を見ながらリゾートホテルで暮らしているような家をご希望されており、価値観が共有できて、ゆっくりつきあってくれる建築家を探していたところ弊社とご縁があり設計させて頂くことになりました。
 
とにかくじっくり、ひとつひとつ時間をかけて拘ってつくっていきたいというご要望でしたので完成まで3年ぐらい掛けて取組みました。
 

海の見える家の外装で注意している点を教えて下さい

  • 塩害に強い耐塩性塗料(フッ素系塗料かアクリルシリコン系塗料など)をなるべく使用し外壁の耐久性を図る。
  • 特に海沿いの住宅は強風により砂などが外壁、窓廻り、庇、屋根などにたまりやすいので洗い流しやすく徐去しやすい仕上、形状をおすすめします。
  • 外壁、窓サッシ廻りなど塩害による塩がたまりやすいので定期的に水で洗い流しやすく防水性があり耐久性ある仕上が好ましいです。水栓の位置も数か所、適切な位置に設置しておきたいところです。
  • 海からの強風に耐えられる耐久性ある外装が要求され庇、屋根の軒等の吹上を考慮し通常より頑丈な構造で計画する必要性があります。
  • コンクリート造の基礎、外壁は塩害による塩分の浸透による鉄筋の腐食を防ぐため塗膜防水、耐塩系塗料などで保護することをおすすめします。

海の見える家の間取りで注意している点を教えて下さい

  • 海から吹く強風、湿気、塩害対策など外部の仕上げは腐食しにくい材料、メンテナンスしやすい材料を使用すること。
  • 玄関ドアや勝手口ドアなどの外部に通じる出入口は海からの強風を受けにくい位置に配置すること。
  • 窓対策はシャッターや防犯ガラスなど台風などの強風対策を特に考慮すべきところだと思います。
  • 折角のロケーションのいい立地ですから、海が望めるよう最大限に生かした間取りを模索して、どの部屋の窓から海が望め1枚の絵のようにみえるよう窓の位置には念入りに検討しましょう。
  • 一番に海の景色が望めれる最高の位置にリビング、ダイニング、キッチンを配置するために様々な角度から模索して間取りを計画します。
  • 海の景色が最大限に生かされ内部空間に溶け込み一体化した明るく開放的で広がりある空間を心掛けています。
  • 海沿いの住宅を建てる場合、車、バイク、自転車のガレージは海風を直接、受けない位置に配置すること。できれば塩害による腐食を考慮してビルトインガレージを設置し、大切な愛車を塩害、風害などから守りたいところです。
  • 外部の物干し場は潮風の影響を受けにくい位置に配置する。室内物干し場の利用が多くなるのでサンルームやトップライトなどを利用した物干し場を設置したいところです。

海の見える家のリフォームもやっていただけますか?

弊社でお力になれればお気軽にご相談ください。
その土地がもつ海の見えるロケーションを最大限に生かした提案をさせて頂きます。

海の見える賃貸住宅も設計していただけますか?

もちろんです。
海好きな入居者が喜ぶ機能性、デザイン性を取り入れて常に満室になる魅力ある賃貸住宅を提案させて頂きます。

海の見える家の塩害対策はどうしていますか?

  • なるべく鉄部の材料はステンレス製や亜鉛メッキドブ漬けのサビにくい材料を使用している。
  • 窓廻り、外壁などの塩のこびりつきを洗い流せるよう、適切な位置に散水栓を設置している。
  • 車、バイク、自転車などは建物内に保管できる建物と一体したビルトインガレージとしている。もしくは潮風の影響し にくい位置に配置しカーポートを塀やフェンスで囲い潮風対策を講じる。
  • 洗濯物の外部物干し場は潮風の影響をなるべく受けにくい位置に配置させサンルームやトップライト、乾燥煖房換気扇などを設け、室内干し場を充実させる。

海の見える家の台風対策はどうしていますか?

  • 台風などで物が飛んでくるので窓に雨戸、シャッターをつけたり、海の景色を損なわないように防犯ガラスを使用するなどして強風対策しています。
  • 車、バイク、自転車などの保管場所も台風の影響を受けやすい海からの強風を受けにくい配置させたり物の衝突を防ぐため建物内に保管できる建物と一体したビルトインガレージとしている。

「海が見える家・SEE SEA HOUSE」 で工夫した点を教えて下さい

ホワイト物語…キーワードはホワイト。
 
人生のパートナーとして共に歩み子育てを終え、老後をゆっくり、しっとりと暮らせる住まい。
これまでの人生を振り返りながら、新たにキャンパス地にリセットし、第二の人生を七色に染め輝かせる、楽しむ住まい。
そんな思いをもとに本計画はスタートしました。
 
ホワイトというキャンパスに海や空、山、緑の自然が人、物が共存し楽しく豊かに一枚の絵となるような空間を意識して細部にわたり拘って設計しています。
どの部屋からも海、空、緑等の自然を感じ取る事ができ、自然がインテリアの一部として機能し、内部と一体感ある空間で構成しています。
 
海をテーマとし、白を基調にリゾートホテルを意識した、シンプルで上質な住まいをコンセプトとしています。
内外部の白色の壁の色も、好みの白色に拘り、各部によりつや消しつや有の光沢具合にも拘り、つくっています。
植栽も白い花のみ咲く植栽にて計画しております。
 
海という広がり・水平線を意識し、シャープで横ラインを基調としたデザインとし、広がりを感じさせる空間構成としている。
また、波を平面的・立体的・インテリア仕上げ等の空間に取り入れるなど、海に関するものをモチーフとして空間、ディテール等をデザインしている。
 
窓を大きくとり、明るく開放的な空間で構成し海が内部空間に溶け込む空間となるように計画しており、日中は自然光のみで生活でき、夏の日差し対策として軒・庇を深く取り、開口部の位置は風通しを充分に考慮した計画とし、冬はハイサイドライト・トップライト等で床・壁が暖まるように計画している。
なるべく機械設備に頼ることなく自然のエネルギーを利用し、高気密高断熱、ペアガラスの採用など省エネで快適に生活できるよう考えている。
 
壁の仕上げを内外部兼用できる塗装や左官仕上げ等のゴミの出にくい材料を使用し、壁・天井同一使用できる仕上げなど、省エネ・省資源・環境保全を考慮した、シンプルで飽きの来ない仕上げを採用している。
また自然素材や自然塗料等環境に有害でないものを積極的に取り入れ人、環境に優しい建物としている。
 
開口部は開放性を保ちながら、防犯を考慮し積極的に防犯ガラス・マグネットセンサーを使用。
防犯センサーライト・空間センサー・火災警報器等の設置により、防犯・安全性を高めている。
特に台風などの強風対策と外部からの防犯対策などを考慮して、海の景色を損なわないように全室に防犯ガラスを採用し安全性に配慮しています。
 
高齢化に向けての安全対策として、火気を使用しないIHクッキングヒーターの採用。
また各室のドアを吊レール・大型引手の引戸を基本とし、デッキへ出入りするサッシも車椅子が使用できるよう段差のないノンレールサッシを採用している。
道路から玄関までもスロープを設置し、玄関上がり框の段差も車椅子での出入りが出来る計画としています。
 
様々な空間に視覚的な錯覚を起こさせるような設計手法を取り入れている。
例えば、リビングのデッキの先端と海がつながるように、デッキを伸ばすことにより、海に浮かんでいるように錯覚させたり、また、内外部の壁を一直線上に繋げ、壁を光沢仕上げにすることで、海を映り込ませワイドに広がっているように見せることや、2階の浴室では海を最大限に取り込むため袖壁に鏡を配し、映り込みを利用することで、海の広がり感・水平線を強調させ、海に浸かっているような気分になれるなど、様々な空間に視覚的効果による仕掛けを施しています。
 
また、おもてなし空間と日常に乱雑になりがちな空間の動線を明確に分け、各部屋で必要な物を収納する場所を十分に確保し、実用的な生活空間にあまり物が出ないようスッキリと美しい空間を維持できるよう計画しています。
 
利便性・快適性を保ちながら、どの部屋からもリゾート感覚あふれた海、空、緑等の自然を感じ取ることができ、自然の豊かさが日常の生活空間に溶け込むような計画としています。
周辺環境・立地条件等を考慮し、建物の内外部仕上げから、エクステリア・家具・照明・カーテン・雑貨に至るまでトータルにデザインし、飽きの来ない空間づくりで設計しています。

海が見える家・SEE SEA HOUSE」では 海に関するもの(波、さざ波、深海)を空間・ディテールに取り入れた ということですが、具体的にどこをどのようにしているのでしょうか?

施主様が非日常空間を望まれていたので、リゾートホテルをコンセプトにちょっとした遊びをいろいろ仕掛けてみました。
  
玄関に入ったら吹き抜けがあり、一度天井が下がって、リビングに入るとまた上がる。
すると、波打った空間イメージになります。
抽象的な感じですけど、照明をイカ釣り漁船の漁火のようにしたり、ペンダント照明をクラゲみたいな照明を使用したりしています。
玄関ホールは深海をイメージしており高い天井の吹抜け空間とし上部のハイサイドライトよりやさしい光が降り注ぐようにしています。
 
海の水平線を意識して水平ラインを強調した豪華客船をイメージした外観デザイン、横ラインを強調したデザインの家具、棚、横長のさざなみ模様のガラスブロックを内部インテリアに取り入れたり、波形状のアール壁、アール天井、水平ラインを強調した障子やブラインド、カモメをモチーフにした間接照明で光る飾り棚などをさりげなくデザインに取り入れたりしています。
 
玄関からも海が望めるようになっており海に吸い込まれるように長い廊下は天井を波のように空間に高低差をつけ壁や天井を波(ウエーブ)のようにウエーブさせ間接照明を施して、幻想的な空間を演出し海側のリビングまで足運びしやすくするようにリズミカルなギャラリー的な空間で演出しています。
 
玄関収納の横の壁は隠し扉のようになり押すと貝が開くような扉になっておりカギ類や宅急便の印鑑など収納できるようにしています。
お風呂も窓から見える海の景色が一枚の絵になるように配置し、バスタブに入ると海とつながっているような感覚になれます。
 
2階への階段も海に吸い込まれるように自然にあがりたくなるようなゆるやかな階段としており、2階に上がっ先はリビングの吹抜けを通して海がオーシャンビューに望める空間となっています。
2階の海沿いには海と一体感あるルーフテラスも設置しリゾート感覚あふれる空間としています。
 
また、ルーフテラスに出入する廊下は半透明の床材に間接照明を施したり、遊びこころあふれた非日常空間を演出しています。
 
洗濯物の外部物干し場は潮風の影響をなるべく受けにくい位置に配置させ、室内干し場と隣接させトップライトなどを設け、電動式天井埋め込みタイプの物干し機を設置するなどキッチンから近く家事動線を考慮した快適な位置で計画しています。

海の見える家を建てたい方にアドバイスがあればお願いします

 
せっかく海の見える景色のいい立地環境ですので、どの部屋から海が望め、生活の一部と感じられるぐらい最大限、海の景色が感じとられる内部空間としてはいかがでしょうか。
街中では味わえない海と一体感あるリゾート感覚あふれる非日常空間、遊び心あふれた楽しい住まいにされてはいかがでしょうか。
 
海の見える家といっても様々で海沿いの家から海を見下ろせる丘の上だったり、海のそばに住むメリット、デメリットを十分に把握し何を重視して海のそばに住みたいかよく家族で話し合ったほうがいいかと思います。
 
海が見える家は景色がステキですが津波などの危険性もありますので、予め自治体の防災マップや過去の災害など、十分に調査して土地選定することです。
その地域しかわからないこと、自然災害、その土地特有の長所、短所がありますので事前にその土地の近辺に暮らす人に聞いてみることも大事かと思います。
 
潮風による塩害の影響で外部廻りは定期的に塩分を洗い流すという作業や砂が風に乗って家の内部に入り込みやすいということもあり、お掃除の頻度も上がり、何かとこまめな掃除、メンテナンスを施す事が必要なのでなるべく容易にできる仕上げ、シンプルな形状などおすすめします。
 
海に近い地域に住みたいと考える場合は、特にハザードマップ、海抜の高さ、避難経路・場所を確認しておくべきです。
心配な方は、高台に家を建てるのが賢明です。
  

岡本光利一級建築士事務所 岡本光利さんの海の見える家・設計事例

   

画像 建物の名称 紹介文
海が見える家・SEE SEA HOUSE

白を基調にしたシンプルでモダンな住まい。白の色合い、素材感などサンプルを十分に吟味しながらこだわって

造りました。植栽も白い花が咲くもので構成しています。白い塗料も汚れにくい塗料を採用。
リゾートホテルのような非日常的な空間、遊び心をもった設計を心掛けました。

 

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