道路より低い土地にブリッジでアプローチ

片瀬の家

道路より低い土地の場合には、普通に家を建ててしまうと敷地に降りるための外階段が必要になります。
しかし、道路と高さを揃えるために盛土などを行うと、盛土の費用に加えて擁壁・地盤改良などの費用が必要になり、コストが嵩んでしまいます。
 
「ブリッジ」を採用することで、道路より低い土地へのアプローチの抱える課題とコストの悩みを解決できるのです。
ブリッジのメリットやデメリットそして施工事例をご紹介します。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 暮らしの醸造所 早田 雄次郎 の写真
神奈川県藤沢市本鵠沼4-14-12
0466-98-0623

 

ブリッジのメリット

ブリッジには、以下のようなメリットがあります。
 

難しい敷地形状でもアクセスができる

敷地の形状が特殊な場合、階段やスロープ、そしてブリッジを使用することが多くあります。
特に傾斜が多くて落差がある土地にピッタリです。
 

安い土地をリーズナブルな価格で導入できる

道路より低い土地へのアプローチは半地下のような形で設計した場合、1,000万円以上かかるケースもあります。
ブリッジの費用は、素材や形状にもよりますが、ご紹介している事例の場合230万円程度です。
リーズナブルな価格で導入することができます。
 

使用素材によっては50年~100年程度持つ

道路や橋梁などに使用されている、溶融亜鉛めっきを使うと、錆びやすい鉄を亜鉛が守ってくれるので長持ちします。
亜鉛はメンテナンスフリーですが、後ほどご紹介する片瀬の家のように、海が近いと耐用年数も多少は下がってしまいますので注意が必要です。
天然木を使用する場合、傷みにくい木材(イぺ・セランガンバツ材等)を使用するとメンテナンスは楽ですが材料費がかなり高くなります。
見た目とコストだけではなく、メンテナンスのしやすさにも注意して素材を選んでください。

ブリッジのデメリット

しかし、ブリッジには下記のようなデメリットもあります。
 

駐車場が形状的に取りづらい

ブリッジを必要とする道路より低い土地は、形状がユニークなため、駐車場が取り辛いケースが多いのが難点です。
ご紹介する事例のお宅でも、ブリッジに駐車場を付けるだけで数百万円ほど予算が余計に掛かってしまうということで、断念したそうです。
 

ブリッジの事例

 
道路より低い土地のデメリットを、ブリッジで解決した実例として、建築家早田雄次郎さんの設計した片瀬の家を紹介します。
 

片瀬の家

片瀬の家

 
こちらの家は、ご夫婦と女の子のお子さん2人、そして奥様のご両親の二世帯住宅です。
お子さんの学区の関係で、どうしても片瀬を離れたくなかったとのこと。
しかし、片瀬エリアの地価は高く、予算では全く手が出ません。
 
そこで、周辺の相場と比較して約1/4というリーズナブルな価格だった、東と西に道路がある、ひな壇状の土地に決定。
土地の価格を抑えることで、親世帯・子世帯双方の要望であった「独立した2世帯が共生する」広さを確保した理想の家を建てることができました。
 
家へのアプローチのために、下の道である東側からのぼる階段が設置されていましたが、手すりがなく急でした。
そのため、安全面を考慮して西側の高い土地からブリッジでアプローチできるようにしました。
 
ブリッジはスロープを付けて下げ、家の高さが隣の家と変わらないようにしてあります。
隣より上がると圧迫感があるので避け、景観上の配慮も行って周囲との調和を考えています。
 

2階平面図

↑2階平面図

1階平面図

↑1階平面図

断面図

↑断面図

温もりを感じる光の演出


子世帯はリビングの天井を高くしたいという要望がありました。
階段から下りてきた廊下、台所の天井高を低く、リビングの天井高(2.8M)を高くすることにより、リビングの開放感がより感じられるようにしています。
窓を絞ることで、中に籠る、空間に包まれる感じも演出しているのです。

それに対して親世帯のリビングはコンパクトなので、窓の面積を広く取り、天井を下げて視界が外に行くようにしています。

また夜は穏やか空間となるよう、温もりを感じられる白熱色(LED)の照明としています。
 

コストを抑えるための工夫


フローリングはパイン材を使用していますが、個室にはラワン合板を使用しています。
子供部屋や寝室は、ベッドや家具を置くので表に出てこない部分が多くあるので、コストが安いラワン合板を使用しました。
 
厚みは9mm、施工の手間は多少掛かりますが、、材料費が1枚2,000~3,000円とリーズナブルです。
パイン材だと2倍くらいするので価格的な魅力が大きいといえます。
 
しかし、ラワン合板は薄い板をボンドで重ねて貼っているので、パイン材と比べて耐久性は劣ります。
また、パイン材は天然の木なのでへこんだ時に水を垂らすと元に戻りますが、ラワン合板にはそれがありません。
 
設計された早田さんは、個人宅を積極的に手掛けており、木造で天然素材を使用した家づくりにこだわりがあるそうです。
お施主さんの満足はもちろんですが、隣の方に「素敵な家が建ちましたね」と言われる家づくりを心掛け景観も大切にしているとか。
 

建築家相談依頼サービス・目次

建築家紹介センターでは建物を建てたい方にお近くの建築家を紹介する建築家相談依頼サービスを行っています。
建物について相談・依頼したい方はぜひ、下記のページをご覧ください。

建築家相談依頼サービス・目次
建築家相談依頼サービス・トップページ
建築家相談依頼サービスの流れ
建築家相談依頼サービスの特典
建築家相談依頼サービス・お客様の声
建築家相談依頼サービスの料金
建築家相談依頼サービス・最近の相談・依頼事例
建築家相談依頼サービスのよくある質問
建築家相談依頼サービスの安心安全宣言

建築家相談依頼サービスの申し込みは今すぐこちらから(無料)↓

建築家依頼サービス
 
当サイトの建築家に相談・依頼したい方は下記から相談・依頼したい内容を投稿してください。
投稿した内容は下記のページで公開され、当サイトの会員建築家から返信をもらうことができます。
 
https://kentikusi.jp/dr/netirai/jirei
 
このサービスは一般の方・業者の方でも無料で利用できます。
 

建築家相談依頼サービス・申し込み

相談依頼したい内容を自由に記入してください。(■相談・依頼内容■建設予定地■土地・テナントの所有・賃貸状況■建物についての希望■ご予算■希望する地域■建築家に相談・依頼したいと思った理由■その他・・・など)
メールアドレスをご記入ください。このメールアドレスに確認用のメールをお送りします。 例:nakazato@kentikusi.jp
例:みのる
例:東京都
To prevent automated spam submissions leave this field empty.