道路より低い土地でも中二階から出入りする

リビング

道路より低い土地は、造成にお金がかかるとか、外階段が必要などと思って敬遠しがちです。
一見、デメリットばかりに見える土地ですが、実は、建築士にとっては腕の見せ所。
何より土地代が安いのは大きなメリットです。
よその家とはちょっと違う魅力的な家を手にするチャンスと考えてみませんか。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー アトリエ・キューブ建築設計 橋詰 慎 の写真
宝塚市伊孑志2丁目3-11
0797-74-4511

 

道路より低い土地の問題点と解決法

 
道路より低い宅地というのは一般的に、雨水が道路から流れ込んでくる、道路から家の中が見えやすい高さになるのでプライバシーが守りにくい、外階段の設置やスキップフロアで高低差をクリアしようとするとバリアフリーにしにくい、造成費が高くつくなどの問題点が指摘されます。
 
しかし、橋詰さんは「そんな土地ほどやりがいを感じる」と話します。
「個人の設計事務所を訪れる方は、ハウスメーカーや工務店に断られたり、提案に満足できなかったりした方が多いのですが、それだけ家にこだわりがあるということですね。
そんな思いに応えてこそ、プロの仕事」と言うのです。
 
橋詰さんがデメリットをクリアするために選んだのが、中二階に玄関を設けた住宅です。
橋詰さん自身の住まいとなっている宝塚市内のお宅をご紹介しましょう。
 

中二階のメリット

  • 道路より宅地が低くても、中二階を入り口にすれば外階段を付けたり盛り土したりする必要がありません。屋内には上下どちらに移動するにも階段を設ける必要がありますが、階段は段数が少なくできますから、昇り降りの負担はかえって軽くなります。
  • スキップフロアにすることで、デッドスペースを収納に利用できます。
  • スキップフロアなら、各階の仕切りを減らせますから、家族が集まりやすい場所をつくれるほか、空間の遊びを楽しめます。

中二階のデメリット

  • 広いワンルームのようになりがちで、家族の独立性が保ちにくい面があります。
  • 各階の仕切りを減らすことで、遮音性や断熱性に劣る恐れがあります。

しかし、こうしたデメリットも、設計次第で克服できると、橋詰さんは強調します。

道路より低い土地に立つ住宅の実例

敷地の特徴

ほぼ北側に道路があり、宅地は1.5メートルほど低くなっているもののフラット。高台にあるため、南東方面に大阪平野が見渡せ、朝日もしっかり当たります。
一帯は環境のいい住宅街ですが、価格の安さが購入の決め手となりました。
 
購入前に、不動産業者から「造成に500万円くらいかかります」と言われたことに発奮。
設計で、この条件を逆に生かそうと考えたそうです。
  

外観

中二階に玄関

造成を避けるためには、逆に高低差を利用することです。
そこで考えたのが、道路から玄関にフラットに入れる構造です。
 
建物中央に設けた玄関は、アプローチから玄関まで一段も上下することなくスムーズに入れます。
右隣のガレージも同じ高さにしましたので、車の出入りもまったく問題ありません。
 
逆瀬川のリゾートハウス・玄関・断面図
↑道路から玄関にフラットに入れる
 

眺望を生かして2階にリビング

間取りは、早い段階でイメージができあがりました。
優先したのが眺望。このため、2階の南東側にリビングダイニングを設けました。
 
周辺の建築規制を調べ、南側にマンションが建っても高さ制限で2階からの眺望が遮られることはないことを確認したといいます。
実際、8年前に自宅が完成した後、南東側にマンションができましたが、低層階しか認められなかったため、リビングからの眺望はしっかり確保できています。
2階にはこのほか、キッチンとダイニング、水回りと、いつでもごろごろできるデイベッドのスペースを設けました。

リビング

スキップフロアの活用

屋内で高低差を利用したのが、スキップフロアの採用です。
玄関の奥左手に、わずか5段の階段を降りるだけで、プライベートスペースがあります。
 
道路から見ると、玄関の左下にあたり、道路側には明り取り用の細長い窓がついているだけですので、プライバシーをのぞき見られる心配はありません。
同じフロアのガレージの下は、天井高は低いものの広さたっぷりの倉庫になっています。
 

プライベートスペースに降りる小階段

デッドスペースを収納に

1階の寝室に向かう廊下に、床から1メートルほどの空間がありました。
玄関わきにあるシューズクローゼットの下に当たる部分です。
 
ここには旅行かばんなどがスッキリ収められており、収納スペースにピッタリ。
そのうえ、廊下が一面壁にならないため、圧迫感も軽減されています。
 

デッドスペースを利用した収納

↑デッドスペースを利用した収納
 

玄関、リビングの採光も抜群

2階へは玄関から階段が通じていますが、吹き抜けになっているうえ、玄関上部と反対の南側はいずれも大きなガラス窓になっており、光がたっぷり入ります。
実は、橋詰さんはビーチリゾートが好きで、バリ島やセブ島、国内なら石垣島などに毎年行っており、そこで光の取り入れ方に刺激を受けたそうです。
光がたっぷりあるリゾート地ですから、かえって屋内には乱暴に光を取り込まないようにする工夫が見られるといいます。
そうした体験から、光や照明にはこだわっています。
 

別のプランも頭に

木や和風を取り入れた住宅に力を入れているという橋詰さん。
今の自宅は形状と方角で自然に決まったそうですが、「今なら違った設計をしているでしょう」と言います。
 
高低差があったり変形地であったりするほど工夫の余地があり、思い切ったアイデアも湧いてくるようです。
「建築家との相性はすごく大事です。ネットで情報を得るだけでなく、ぜひ一度会って、家のイメージが共有でき、安心感をもって頼める設計士を探してください」と話します。
 

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